
「初動がすべての鍵」。
この言葉は警視庁などで使われているものです。たとえば、警察の刑事事件の捜査であれば、問題解決(この場合、事件解決)が遅れれば遅れてしまうほど、
①犯人がさらなる犯罪を重ねる可能性が出てくる
②被害者の不安や疑念が消えない(捜査の協力を得にくくなる)
③証拠品や人々の記憶が劣化していく
④割ける人員や予算が減る
などのデメリットが生じます。だからこそ、早い段階から仮説を持ちながら、当たりをつけつつ証拠集めをしたり、優先順位をつけた役割分担をした初動が大切となるのです。
コンサルタントの必須スキルであると同時に、マーケッターや広報担当者が身につけていれば、必ずライバルと差をつける能力となるはずです。
初動がすべての鍵となる
ビジネスでもこの点に変わりはありません。「不良品の出荷停止・回収」や「大切なVIPを怒らせてしまった」などといったことは、なるべく早めに解決したい課題です。
では、どうしたらこれを実現することができるでしょうか?
初動を速める3つのコツ
第一に、早期の問題発見ですね。顧客に怒鳴られてから対応するのではなくて、その前に、その兆候を早期に感じ取る感受性が必要となります。
第二は、仮説思考を意識してメリハリをしっかりとつけることです。刑事捜査であれば、「この手の事件は、○○の可能性が高い」などと当たりをつけて聞き込みを行ったり、証拠集めを行うことでしょう。
それと同じことをビジネスでも行うのです。ただ、仮説を立てる際には、過去の経験を用いながらも、過度に特定のことに引っ張られないという絶妙なバランス感覚が必要になってきます。
第三は、アクションのスピードです。考えることと行動を別々に行っていては遅いといった事態も最近は増えてきています。(もちろん考えなしに妄動することは避けつつ、フットワークを軽く、関係する人間とコミュニケーションをとっていき、どんどん問題解決を進めていく必要があります)。
これらを行う際に、仮に若い方であったとしても自分が当事者意識を持ってリーダーシップをとることが必要となります。
昨今ではリーダーシップやそれと対比されるフォロワーシップは、特定の人の役割ではなく、時と場合に応じて皆が果たしうる機能であると考えられてきています。問題解決の中心に自分がいると考えたなら、どんどん周りを巻き込んでことを進めていく積極性が、近年では非常に必要な要素となっているのです。
仮想思考を意識してメリハリをつけること、アクションのスピードが大切
何事も最初が肝心というように、初動がすべての鍵であるということを学びました。ビジネスにおいては、早期の問題発見や、仮想思考を意識してメリハリをつけること、アクションのスピードが大切であることがわかりました。
その際に、自らリーダーシップをとるといった積極性を持つことが重要であることも覚えておきましょう。