
地震などの災害と違い、人との関わり合いも制限されている中、どのように広報活動を行っていけば良いか分からない広報担当者も多いのではないでしょうか。
家で楽しめるような商品やコロナ対策商品がある企業、コロナ禍に適応するような新商品新サービスを作れるような大手企業だったらそこまで広報活動に困らないかもしれません。しかしそうでない企業はコロナ禍でも、「今ある情報を如何にメディアに取り上げてもらえる情報に変えて発信していくか」がとても重要になってきます。
全世界が初めて経験する新型コロナウイルスとPRの立ち位置
では、コロナ禍での企業の効果的な情報発信とは、どのようにしていけば良いのでしょうか。
今メディアが求めている情報は、
①「生活者にとって必要な情報」
②「企業としてこのコロナ禍で何ができるか」
です。
①「生活者にとって必要な情報」
生活者がコロナ対策の中で人生や日々の仕事をより豊かに、たのしく過ごせるようなネタや話題になります。
こうした情報は、今回のコロナだけでなく震災やイベントのさいには必ず必要となる話題です。
②「企業としてこのコロナ禍で何ができるか」
社会貢献的な視点でコロナなどの災害を捉えていきます。決してやらせやデマではいけません。しかし、本来の社会貢献的な活動であれば、臆することなく積極的に発信していきましょう。
自社のサービスや商品をこの二つの軸で発信することができれば、メディアに取り上げてもらえる可能性が大いに高くなってきます。そして、この二つに絡ませるために考えるべきことは「視点をずらす」ということです。
PRにおける「視点をずらす」とは?
「視点をずらす」とは具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。
例えば、地方PRの第一人者殿村美樹さんは過去に彦根城のPRでこの「視点をずらす」という手法を用いて成功を収めています。
かつて「彦根城築城400年祭」のPRで殿村さんは主役を彦根城から当時は添え物にすぎなかったマスコット「ひこにゃん」にずらしました。彦根城はほとんど無視しひこにゃんにおもいっきり光を当てたのです。
するとそれが全国に広がり「ゆるきゃらブーム」が生まれました。この仕掛けの目的は、井伊直弼の暗いイメージが付きまとっている彦根城では、地味な歴史イベントになってしまい一部のファンにしか刺さらないと考え、万人受けする可愛いゆるキャラを使ったことです。
メディアはごくわずかな人たちが喜ぶものよりも万人受けするものを好むため、上手く視点をずらしてPRのメインとなるものを変えたことで成功を収めたのです。
この「視点をずらす」という手法は、知識や経験が無いと普段は中々決断できないことかもしれません。
しかしこのコロナ禍において、何もせず手をこまねているだけではなく、少しの勇気をもってちょっと視点をずらしてみてください。
そうすれば何か見えてくるはずです。