新型コロナウイルスで戦略PRをどう行うか?情報発信の考え方と2つのポイント
コラム
WEB×PR
2020.07.15

新型コロナウイルスで戦略PRをどう行うか?情報発信の考え方と2つのポイント

地震などの災害と違い、人との関わり合いも制限されている中、どのように広報活動を行っていけば良いか分からない広報担当者も多いのではないでしょうか。

家で楽しめるような商品やコロナ対策商品がある企業、コロナ禍に適応するような新商品新サービスを作れるような大手企業だったらそこまで広報活動に困らないかもしれません。しかしそうでない企業はコロナ禍でも、「今ある情報を如何にメディアに取り上げてもらえる情報に変えて発信していくか」がとても重要になってきます。

 

全世界が初めて経験する新型コロナウイルスとPRの立ち位置

では、コロナ禍での企業の効果的な情報発信とは、どのようにしていけば良いのでしょうか。

今メディアが求めている情報は、

①「生活者にとって必要な情報」
②「企業としてこのコロナ禍で何ができるか」

です。

①「生活者にとって必要な情報」

生活者がコロナ対策の中で人生や日々の仕事をより豊かに、たのしく過ごせるようなネタや話題になります。
こうした情報は、今回のコロナだけでなく震災やイベントのさいには必ず必要となる話題です。

②「企業としてこのコロナ禍で何ができるか」

社会貢献的な視点でコロナなどの災害を捉えていきます。決してやらせやデマではいけません。しかし、本来の社会貢献的な活動であれば、臆することなく積極的に発信していきましょう。

自社のサービスや商品をこの二つの軸で発信することができれば、メディアに取り上げてもらえる可能性が大いに高くなってきます。そして、この二つに絡ませるために考えるべきことは「視点をずらす」ということです。

 

PRにおける「視点をずらす」とは?

「視点をずらす」とは具体的にどのようにすれば良いのでしょうか。

例えば、地方PRの第一人者殿村美樹さんは過去に彦根城のPRでこの「視点をずらす」という手法を用いて成功を収めています。

かつて「彦根城築城400年祭」のPRで殿村さんは主役を彦根城から当時は添え物にすぎなかったマスコット「ひこにゃん」にずらしました。彦根城はほとんど無視しひこにゃんにおもいっきり光を当てたのです。

するとそれが全国に広がり「ゆるきゃらブーム」が生まれました。この仕掛けの目的は、井伊直弼の暗いイメージが付きまとっている彦根城では、地味な歴史イベントになってしまい一部のファンにしか刺さらないと考え、万人受けする可愛いゆるキャラを使ったことです。

メディアはごくわずかな人たちが喜ぶものよりも万人受けするものを好むため、上手く視点をずらしてPRのメインとなるものを変えたことで成功を収めたのです。

この「視点をずらす」という手法は、知識や経験が無いと普段は中々決断できないことかもしれません。
しかしこのコロナ禍において、何もせず手をこまねているだけではなく、少しの勇気をもってちょっと視点をずらしてみてください。

そうすれば何か見えてくるはずです。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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