コロナ禍で見直すべき広報の危機管理体制とメディア対応について
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2020.07.08

コロナ禍で見直すべき広報の危機管理体制とメディア対応について

今回は、コロナ禍で見直すべき危機管理広報について考えてみたいと思います。

このコラムはこんな人に役に立ちます!

1 自社で感染者が出た場合、どのように広報対応するべきか知りたい
2 風評被害に遭わない方法を知りたい
3 社会問題解決支援策を打ち出したいが、売名行為と受け取られないようにする方法を知りたい

 

 自社で感染者が出た場合、どのように広報対応するべきか知りたい

*事情はどうあれ、「注意喚起」の意味で自発的に公表すべき

まず考えるべきは、自社の公表方針です。

「顧客を含む関係者がどう受け取るか?」を念頭に方針を決め、さらに、「公表しないリスク」も考える必要があります。

新型コロナウィルスへの感染者情報に関して、企業は法的には公表する義務はない、とされています。

しかしながら、事実が明らかになった際、もしも組織が自発的に公表していなかった場合、世間やマスコミからしてみれば
「あの企業は隠そうとした」と受け取られかねません。

SNSでも悪い噂が拡大するでしょう。

事例)
・駅員感染

■2月22日、自治体は感染者が出たことを発表
プライバシー配慮のため、企業名・職業は非公表

■2月23日、内部情報がネット掲示板に投稿された

■2月24日、再度会見、社名、駅名、感染者が駅員であることを公表、
駅員が内勤者で、不特定多数との接触が少なかったことから、自ら公表しなかった鉄道会社の対応に関し、
一部のメディアでは、「駅員感染、2日前に把握も公表せず」と批判的な見出しで報道

 

感染者が出た場合の対処法は広報の仕事の一部

感染者の情報をどの範囲まで開示するかは、生活者の要請との間で取り扱いが非常に難しい問題です。

しかしながら今回のコロナ騒動でもご存知の通り、感染者の行動履歴や接触者の情報を詳しく知りたい、というニーズが多いことがはっきりしています。

感染者のプライバシーには最大限に配慮しつつも、広報担当者として、社会への注意喚起という観点から取材対応する責任がある、という覚悟が必要となります。

 

 風評被害に遭わない方法を知りたい

*適切な安全対策への取り組みを自ら公開すべき

自社が運営する店舗、事務所等で感染者が出て営業休止した後、営業再開を発表する際には、何に気を付けるべきでしょうか?

顧客、消費者の不安を払拭するためにも、保健所や専門家の意見を取り入れ、消毒作業を行っていること等を公開し、きちんと安全対策に取り組んでいることを自ら発表することで、安心感を与えると良いでしょう。

企業トップの意見表明も有効と言えます。

* 社会問題解決支援策を打ち出したいが、売名行為と受け取られないようにする方法を知りたい

・妥当性、告知タイミング、表現に注意が必要

「感染者拡大」「緊急事態宣言」「コロナ自粛」等、社会全体が閉塞感を感じるようなキーワードが風潮となっている中、
こんな時期だからこそ、企業としてできる支援策が最近多く発表されました。

(例)
・ローソン_学童保育施設へおにぎり無料配布
・英会話スクール、大手出版社_教材、少年マンガ等の無料公開
・医療従事者への各種支援、社員のボランティア
・ソーシャルディスタンシングの施策アイディア発表 等

このような情報は、困難な社会に寄り添う自社の取り組みをさり気なく訴求することにより、ポジティブ効果が期待されます。

・売名行為と思われない配慮を

一方、一歩間違えれば「話題作りや集客目当てか」「売名行為だ」等と批判を浴びるリスクもあります。

もし、社会貢献に絡めた施策や情報を発表する際には、支援策の妥当性、タイミング、表現内容や告知方法などをきちんと精査した上で発表するべきでしょう。

withコロナ時代に突入し、企業の経済活動立て直しもまだ始まったばかり。変革の時期だからこそ、広報体制、危機管理体制の見直しは必須だと言えるのではないでしょうか。


執筆者・監修者
上岡正明
テレビコメンテーター・経済記者
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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