賃貸・持ち家・リノベーションサイトのSEO対策は?難易度は高いがマーケティング的に有効
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2020.06.04

賃貸・持ち家・リノベーションサイトのSEO対策は?難易度は高いがマーケティング的に有効

ここでは、賃貸情報サイトを例に解説していきたいと思います。技術的な難易度は高いですが、複数の条件を組み合わせたクロスカテゴリの設定が効果的です。

広報やマーケティングの観点からも非常に価値ある情報になると思います。ぜひ最後までご覧ください。

 

不動産サイトは技術面でサイトを見直しましょう

① 第一にエリアのカテゴリを整備する

検索ニーズとしてはまずエリアがきます。住みたい駅や転勤予定のエリアなど、エリアカテゴリと路線・駅カテゴリが必須です。

とはいっても、エリアと駅は以前解説したように定型カテゴリなので、人気のエリアや駅に「重要フラグ」を立てることがポイントです。また、中野区と東中野駅のようにエリアの市区と関係する駅を連携させて双方をリンクし合うようにすると効果的なので、例えば各駅データに所属する都道府県と市区情報を持たせるといいでしょう。また、駅に関しては技術的な注意事項がひとつあります。多くのサイトで同じ駅でも路線ごとページが分かれているケースを見かけますが、SEO的には分散するのでNGです。

② ハウツーワードもカバーする

不動産は高額商材なので、訪問者がいろいろ悩むことが多い分野です。契約にまつわる用語や引っ越し会社の手配の仕方など、ハウツーワードも多く検索されています。「敷金礼金とは」(12100)などの契約に関する知識や、「引っ越し 挨拶品物」(5400)などの引っ越しのマナーや手順といったコンテンツを掲載した特集ページやコラムのような解説ページを用意して対策しましょう。直接契約につながるページではありませんが、サイトの訪問者を増やすことができます。

③ 細やかなクロスカテゴリの設定が効果的

不動産はクロスカテゴリが必須です。訪問者の賃貸ニーズは意外とニッチで、「東中野駅 賃貸マンション ペット可」など3語、4語での検索もたくさん見られます。条件には「ペット可賃貸」「デザイナーズマンション」などの数千の人気度のものから「角部屋」「南向き」「最上階」など細かい条件までいろいろあります。エリアごとにそれぞれの条件を絞り込めるページを用意するといいでしょう。

沢山のクロスカテゴリを用意して複合語での検索を対策しましょう。

今回は、「賃貸マンション」限定の情報サイトを想定していますが、全形態(マンション、アパート、戸建、駐車場、土地など)の物件を取り扱うサイトであれば、「駅カテゴリ(もしくはエリアカテゴリ)」「住居形態」「条件」の3つのカテゴリの組み合わせによる3軸のクロスカテゴリが必要になるケースもあります。3軸のクロスカテゴリは技術的にも難しく開発工数もかかるため、エンジニアと相談して設計を考えましょう。

④ 物件情報にはオリジナル情報の付加が重要

不動産サイトの特徴として、1つの物件が多数の不動産サイトに掲載されているという点があります。つまり複製コンテンツであり、自分のサイトだけのオリジナル情報ではないのです。

検索エンジンはそのサイト独自のオリジナル情報を好みます。訪れたユーザーにとっても先ほど見たサイトとまったく同じ物件情報が載っていればがっかりしてすぐに離脱してしまうかもしれません。

そこで、なるべくそのサイト独自の情報を付加することが重要となるのです。これは非常に難しいことですが、例えば大型マンションや話題の物件だけでも写真を増やしたり、独自取材に基づく情報を掲載したり、スタッフのおすすめコメントを掲載するなど、ユーザーにとって価値のある情報が付加できると検索エンジンの評価も高まります。

 

求人サイトも同様のポイントに注目しよう

不動産サイトと求人サイトはSEOの観点だけ見ると似ています。物件や求人が複製になりやすいという特性や、エリアがあり条件や職種があり、それらのクロスカテゴリが重要になる点なども似ています。ユーザーの検索ニーズは全然違いますが、サイトの構造や注意する点は似通ってくるでしょう。

まとめ

不動産は流動的で複雑な「物件」を扱うため技術的な課題が多く、本格的なSEO施策の難易度は高いです。リニューアルのタイミングで技術部門やエンジニアに確認し、なるべくSEO要件を入れてもらいましょう。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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