マスメディアとは?意味や使い方を業界精通【テレビ放送作家】が徹底解説
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2020.09.01

マスメディアとは?意味や使い方を業界精通【テレビ放送作家】が徹底解説

『マスメディアとはいったい何?』そう聞かれて、即答できる方がどれぐらいいるでしょうか。

コロナで大変な状況の中、PRや広報の方も苦労を強いられている状況だと思います。コロナに乗じて良い情報を発信していければ、消費者に伝わるかもしれないし、一発逆転できるかもしれない、そう思う方も多いのではないでしょうか。

日々PR広報のやり方・考え方が変わっていく中で、PRやマスメディアが消費者に及ぼす影響は実際どのくらいなのか、ちょっと調べてみましたので、この時間がある時にお勉強していきましょう!

*関連リンク:こちらも参考になるかも?PRの威力と中小企業の活用方法をまとめてみたよ

 

マスメディアとは?今こそ本来の意味や在り方を考えよう

引用画像_マスメディアの意味とは

「マスメディアを活用することで消費者に影響を与えることができ、認知拡大や売り上げ増加につながっていく」

PR広報の担当の方から考えれば当たり前のことですよね。
しかし、本当にそこまでの影響力があるのでしょうか。

1930年代に、「マスメディアは大衆の行動に影響を与える強力で継続的な力を有する」とする研究がありました。
その根拠として、有名なSF作家、H・G・ウェルズの『宇宙戦争』をラジオで朗読したところ、何万ものラジオ視聴者は火星人が本当に米国の東海岸を攻撃したと思い騒ぎになったことがあったそうです。

しかし、その後の20年間は、マスメディアは大衆を説得できるほどの影響力を持たないという、いわゆる「最小限の効果」理論が生まれました。この考えが現在のPRの考え方の基となっているのです。この考えから生まれたのが、PR広報に携わる方だったら何となく知っている「マスメディアの影響力に関する主要なコンセプト」です。

分かりやすく今のPRでいうと、マスメディアの影響力がどんなところか解釈してみました。

①人と人の関係が与える影響は非常に強く、情報の広がりと解釈に対してオピニオンリーダーは重大な役割を果たす。
→これは今でいうインフルエンサーのことですね。

②キャンペーンの効果を制限する障害として、大衆はこれまでの経験や考え方と一致するものに関心を向けやすくそうでないものに嫌悪感を抱きやすい。
→大衆が興味のあるもの、知っているものと絡めて情報発信をしないと、聞いたことのない情報は受け入れられずあまり広がっていきません。

③こうした認識と対照的なのはフェスティンガーの「認知不協和理論」で、これによると考え方というのはそれと矛盾する不協和な考え方と対比されると変化しうる。
→これは、不協和な考え方(自分にとって不快な事実)を受けた時に、人々はそれを解消するために行動するというマーケティングの考え方です。

④「③」のあと、人々は自身に関係のある情報を選択するのであって、これまでの見方を補強するからではないということが明らかになっている。
→多くの消費者に対して関連する情報を広く伝えていくことが大切ですね。

⑤マスメディアよりも人的なネットワークのほうが影響力が大きいとする意見が現在では強くなってきている。
たとえば、ある記事を読んだとしても、我々のある問題に対する態度、倫理的スタンス、あるいは製品に対する考え方は家族とか職場やその他の社会的環境における他社との対話によって形成される。
→マスコミの情報を鵜呑みにすることが少なくなってきている、そして口コミが考えを決定させるのにとても有効な手段であるということですね。

 

マスメディアの影響力で消費者はどう動く?

マスメディアの活用方法

また、PRが消費行動を決定させるには簡単に言うと3つのプロセスがあります。

①アウトプット(プレゼンテーション)
②影響(関心・理解・受容・記憶)
③効果(行動)

PRではアウトプットの段階でどれだけ消費者の心を打つことができるか、がとても大切ですね。

しかしながら現在のPR実務についての学者による議論では、PRだけでの行動の変化は達成不可能という批判がしばしば出されています。

アメリカの研究家は「PRキャンペーンにより消費者の行動が変化する可能性は0,04%しかないと述べています。これらの批判についてオーストラリアの評論家ジム・マクナマラは「コミュニケーションが全然効果が無いということではない。しかし、コミュニケーションの成果を当然と見なして仮定することは危険であると示している」と言っています。

 

マスメディアの影響力は良い意味でも悪い意味でも計り知れない

PRは成果が図りづらいやり方で、日々手法も変わってきています。

過去の学者が言うように、PRが成功すれば上手くいっているという考え方はできないかもしれません。
ですが、マスメディアを活用した人々の想いは消費者に必ず届いています。PRの基礎を学びつつ、日々変容していく手法をいち早く取り入れ、常に最適なPRを行っていくことが大切ですね。

今回は少し難しい話をしてみました。時間がある今だからこそ、PRや広報によるマスメディアの影響力を学んでみるというのも良いかもしれませんね。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
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