冷静に話す広報は受け入れられない?PRの現場で本当にウケる話し方とは
コラム
主婦共感×PR
2020.02.15

冷静に話す広報は受け入れられない?PRの現場で本当にウケる話し方とは

広報担当者がメディア関係者などに自社の商品・サービスなどを売り込むとき。
そんなシチュエーションでは、どのように話せばいいのでしょうか。

常識とは少し違った考え方が必要になるので気を付けてください。

*関連リンク(一番重要!):これだけは必ず知るべき広報部門の5つの役割と必須スキル

 

広報担当者は「落ち着かずに」話すべき

プレスリリースを作成シーン

誤解を恐れずに言いますと、こうなります。普通の社内会議などでは、

・冷静に
・根拠を持って
・感情を込め過ぎず

話すことが大事ですよね。

ですが、広報がメディア関係者を相手にする場合はそれでは困ります。
淡々とし過ぎていると「きっとどこでも同じ内容を喋っているから、こんなにしゃべり慣れているんだろう」と思われてしまう恐れがあります。

率直に言って「好きな異性に自分の良さをアピールする」くらいの情熱が必要になります。

求められるのは、

・熱く
・少しインパクトにも弱くても押し切って
・感情を込めて

話す広報担当者です。

そうでないとメディア関係者の心を動かすことはできません。
新聞・テレビ・雑誌などは「心のある人間」が読むわけですから、「それに掲載されるネタを提供する人間(広報担当者)」にも情熱が必要なのですね。

情熱を込めた上での話し方のポイント6選

そうは言っても「単に感情をぶつけるだけ」というのも当然NGです。
感情を込めた上での話し方のポイントをいくつか紹介していきます。

○1:「だんだんゆっくり」を意識する

今回解説しているシチュエーションに限らず、
「話していると徐々にテンポが速くなる」という人が少なくありません。

ですから、
「だんだんゆっくりにしていく」というくらいの意識でちょうど良いです。

○2:「だんだん大きく(小さく)」も意識する

「1」と似ていますが、話しているとだんだん声が小さくなる人もいます。
ですから、徐々に声を大きくしていきましょう。

ただ、筆者の経験上、だんだん声が大きくなる方も2~3割いるという印象です。
自分が喋っているところを録画・録音するなどして、自分がどちらのタイプに該当するのかを把握しておくことを推奨します。

○3:目を見る必要はあるが……

相手の目を見て話すことは非常に大事です。

ですが、少し想像してみてください。
「情熱的に話している人が、ずっと自分の目を見つめてくる」としたらどうでしょうか。
ちょっと怖くなりますよね。

ですから、
「相手の首元や資料などを見ながら、たまに目を見る」
という話し方をするのがおすすめです。

例えば「~という事なのです」など、一区切りつくところで目を見るようにすると全体が引き締まります。

また、複数人を相手にする場合は、ずっと同じ人の目を見ることのないようにしましょう。

○4:専門用語・カタカナ言葉を避ける

できるだけ専門用語・カタカナ言葉を使わないようにしましょう。
「メディア関係者は博学」という印象があるかもしれませんが、自分の関わっている分野以外には疎い人も少なくありません。

「少しくらいは専門用語を使わなくては甘く見られる」と感じるかもしれませんが、そう思ってしまうのは当人だけ。
むしろ「簡単な言葉だけで分かりやすく話せる人」のほうが賢いと感じてもらえます。

○5:話しているときの表情に注意

筆者は中学~高校生くらいのときによく「話は割と面白いのに、顔が怖い」と言われていました。

これと同じく、話すときの表情が硬い広報担当者が少なくありません。
「硬い」だけならまだしも、怒っているように見える人さえいるくらいです。特に表情が乏しい人が情熱的に話していると、怒りを抑えているように見える場合があります。

とはいえ、ずっとニコニコしている必要はありません。
「基本的に口角を上げて、ピンポイントで笑う」という程度で十分です。

○6:「例え話」は入れない

普段の雑談であれば全く問題ありませんが、メディア関係者にPRする場合は「例え話」を入れないようにしましょう。
本題から微妙に外れる可能性が高いですし、はっきり言って時間の無駄にしかなりません。

*参考リンク:言葉をプレスリリースに込めるコツや方法は?


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事