メディア関係者に対する売り込みのチャンスができても、20分も30分も時間がもらえる事はそうそうありません。5分与えられればいい方だと思ってください。
では、その5分間をどのように使うべきなのでしょうか。
5分間では全部伝えられないのが当たり前です
まず、やってみたくなるのが「言いたい事を全部整理してから、5分間にまとめる」という事だと思います。
しかし、これはおすすめしません。
なぜなら、「平凡なネタ(と思われる可能性が高いです。現実として)」を「むりやり短時間でまとめている」からです。
ただでさえ、無難なネタを強引に短くしている。
この方法では、ネタ自体が相当強いものでないと勝負になりません。
ですから、まず「全部伝えよう」という発想を捨ててしまいましょう。
言いたいことを4分の1だけ伝えましょう
とりあえず「伝えたい内容」は全部まとめてみてください。その中から4分の1だけ、「前半部分」を中心に抜き出してみます。
そして、その「4分の1の内容」を伝えて切り上げると、
「もっと話を聞きたい」と思ってもらえて、相手から連絡が来る可能性が出ます。
そのメディア関係者と話した当日か次の日くらいに、「ありがとうございました」と挨拶のメールを送信すると思いますが、そのメールに、さらに4分の1だけ情報を載せてください。
すると相手は居ても立っても居られず、「そのネタについて詳しく聞かせてください!」と言ってくるかもしれません。
イメージは「連続ドラマ」です。毎回「次回が気になるように、かつそれなりにまとまるように」話を終わらせますよね。
◎「自社のことをほとんど伝えない」のもアリです
時間が長い場合は、さすがに実践が難しいかもしれませんが、「いっそ自社のことをほぼ言わない」という手法もあります。
例えばこのように話を進めていきます。
1:自社のビジネスの紹介←ここで自社の話題は終わります
2:次にくるトレンドを語る←他社の動きを交えて話すと説得力が出ます
3:そういうトレンドになっている理由を話す←数的データを交えましょう
4:某芸能人も注目しているそうです←なんでも良いので話題の人物を出してみましょう
5:他社の商品・サービスを2~3個紹介する←「2」で出した商品の具体説明
ここまで来たら、
「なお、弊社は別の視点からの取り組みとして~」などと口に出したところで、話を打ち切ります。時間が余っている場合でも、「次の方がいるので~」などと言えば大丈夫です。
これで、4分の1だけ伝える方式と同じ理屈で、相手からコンタクトを取ってくるかもしれません。
◎「雑談は嫌がられる」という考え方は間違いです
前項を見て多くの方が「そんな雑談ばかりして嫌がられないの?」と感じたと思います。
ですが、大丈夫です。むしろ雑談は好まれます。
なぜならメディア関係者の多くが「雑談の中にこそ、掘り出し物のネタが眠っている」と考えているからです。「『オーソドックスなPR』が面白いネタである事などない」とさえ思っている記者さえ存在するようです。
記者は常に「誰も知らないこと(=ニュース)」を求めていますからね。
*関連リンク:ニュースをメディアに送って記事化する戦略とは?
魅力的な雑談を作るコツ5選
ただ、もちろんお友達と話すわけではないので、どんな雑談でも良いというわけではありません。
魅力的な雑談を作るコツをいくつか紹介していきますね。
「この分野の話題なら何でも知っている人」という印象を持ってもらえるように頑張りましょう。
○1:「昔」の話題は極力避ける
例えば、「過去にもタピオカがブームになったことがありますが、その頃と違って今のタピオカブームにはインスタグラムが関係しています」
など、「今」と繋がりがある場合は、「昔」のことをある程度持ち出しても構いません。ですが、昔のタピオカブームの詳細について延々語るようだと、いよいよ話が脱線します。
○2:「数的データ」を持ち出す
「タピオカが中高年の間でも劇的なブームになっています」よりも、「タピオカが中高年の~います。特に30~40代男性でタピオカミルクティーを飲んでいる人は、5年前の200倍以上になっているんですよ」
など、具体的な数値があったほうが話が面白くなりますよね。(※タピオカの話は架空です)
ただ、いきなり具体的なデータを持ち出すと、相手が引くかもしれないので、最初にざっくりと「めちゃくちゃ流行っています」と導入して、「具体的には~~パーセント」と、細かい話をしていくのがおすすめです。
○3:「そうなっている理由」が欲しい
「タピオカミルクティーがブームになっています。あるアンケートでは、『間食にちょうどいいから』という回答が一番多いんですよね」など「理由」の部分もできれば話しましょう。意外性のある理由だとなおグッドです。
○4:「予想」をしましょう
「『間食タピオカブーム』がキテいるわけですよね。で、毎年変わり種のファンタが発売されているじゃないですか。次は『タピオカ入りファンタ』がトレンドになると思いますよ」
など、多少強引でも良いので「予想」を入れることをおすすめします。なぜなら、新聞記事でもテレビ番組でも、「~~○○となる事が予想される」「○○となるでしょう」などの文章・ナレーターは案外多いからです。
○5:とにかく自社の話は出さない
「似た取り組みを自社もしておりまして~」「ただ、自社の動きは少し違いまして~」などと言ってしまうと、一気に「雑談っぽさ」が薄れます。
「結局、宣伝したくて、無駄話をしていたのか。小賢しい……」と思われてもおかしくありません。
「今は雑談!」と決めたら、自社の話題は一切出さないくらいに徹底するほうが効果的です。