避けて通れぬ記者さんとの会食費の話|自腹は嫌だ!という広報担当必見
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2020.02.15

避けて通れぬ記者さんとの会食費の話|自腹は嫌だ!という広報担当必見

大企業の場合は、メディア関係者などとの会食費用が「100%会社持ち」になるケースが多いです。
ですが、ベンチャー企業はもちろん、中小企業であっても「100%広報担当者持ち」となっているところが少なくありません。

記者やディレクターとの会食は仕事の一環ですよね。
ですから、どんな企業の広報担当者であっても「自腹は避けたい!」というのが本音。

では、どうすれば会食費用を会社に出してもらう事ができるのでしょうか。

*関連リンク:これだけは必ず知っておきたい!広報部門の5つの役割と必須スキル

 

会食費用を「会社持ち」にする方法は主に2つ

「会社がお金を出すのが道理でしょう!」などとゴリ押ししても意味がありません。
理屈で攻めましょう。

○1:「実はコストパフォーマンスが良いこと」を力説する

例えば「新聞広告」を出すとすると、掲載規模によりますが数千万円の出費になってもおかしくありません。
ですが、「メディア関係者との会食」であれば数万円で事足りるはずです。
何回か会ってある程度フランクな関係性になれば数千円で抑えることも可能なはずです。

  • 新聞広告→費用:数千万円/効果:全国への宣伝
  • 会食→費用:数千円~数万円/効果:メディア関係者との繋がりができる

とすれば「会食のコストパフォーマンス」はかなり良いはずです。

ただ、率直に言って「新聞広告より、会食のほうが劇的に費用対効果が高い」と断言するのは難しいので、そこは「熱意」で社長などを説得してください。
「私にかかれば会食は大きな効果を生む機会になります!」などですね。

○2:「メディア関係者との会食」の目的を改めて伝える

さすがに、会食のことを「ほとんど遊びのようなものだろう」と考える社長はいないはずです。
ですが、「メディア関係者との繋がりを保つだけに、半ば仕方なくやっているのでしょう?」と思っている人はいるかもしれません。

そうではないと示すためにも「○○社の○○記者との会食を通じて、我が社のあの分野の記事掲載に繋げたい」などと、具体的に「目的」を伝えましょう。また、「○○新聞のあのコーナーに載せるために動いています」などと言うのもアリです。

そして、実際に「会食が記事掲載に繋がった実績」があればそれも知らせておきましょう。説得力が格段に上がります。

 

会食費用は広報担当者が出すべき……ではない!|割り勘のススメ

そもそも「広報が会食費用を出す」などという決まりはありませんよね。

「でも出さないと……」という考えを持ってしまっている方に伝えたいことがいくつかあります。

○1:接待を禁じているメディアも存在します

新聞社により違いますが、「贔屓してしまう可能性があるから」という理由で企業接待を受けることをNGとしているメディアが少なくありません。
そのため、奢ろうとすると断固拒否される場合があります。そういったメディアでも割り勘であればまず大丈夫です。

逆に「業界の内外の色々なネタをくれる敏腕広報」だった場合、メディア側が頼ってきて奢ろうとしてくるケースが、ごく稀にあります。
それについても「フェアでいるため」に断ったほうが良いでしょう。

○2:「広報担当」と「メディア」に上下関係はないはずです

「そんな綺麗事を言っても、現実的にはメディアの立場が上だよ」と言われると、私もそれを強く否定することはできません。
ただ、「対等な立場でいよう」という意識は必要です。
そうでなければ、メディアに良いように利用されてしまうだけです。
ですから、会食費用は割り勘にする事を推奨します。

○3:「会費制」が便利です

一番楽なのは「会費制」にしてしまうことです。「メディア関係者と広報担当が数名ずつ参加して、それぞれが同じ額を出す」という事ですね。

「広報が何人か来る!?これはチャンスだ!」という気持ちで出席する記者も増えます。
また、たくさん人が来ることで「勉強」「仕事」の雰囲気が強くなるため、「飲んで食べるだけ」で終わることがなくなります。

こういった「会」を、多い場合は週に2~3回開催している記者もいるそうです。

*関連記事:プレスリリースを完全マスター!【保存版】

 

広報担当が動くと他の部署のためにもなる

「本当は経費で落ちそうなのに」「なんでこのお金を私が出すんだろう」などという気持ちが、仕事へのモチベーションを下げる恐れがあります。
また、「どうせ自腹になるんだから、(仕事と関係なく)できるだけ楽しもう」という考えに陥る可能性も。

そのため、長い目で見れば「仕事のためのお金は経費」という風に徹底したほうが自社のためになります。ですから、まずは広報担当から「社長!これはぜひ経費に!」と動き出しましょう。

そうすることで、他の社員が動きやすくなって→広報担当の株が上がり→自社社員への取材などがしやすくなる、という流れができる可能性がありますよね。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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