混同されやすい「プロデューサー」と「ディレクター」の違いについて解説します。
また、「広報担当はどちらとの繋がりを重視すべきか」という点に関してもお伝えしていきます。
*記事を書いた人:「めざましテレビ」「王様のブランチ」元放送作家
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プロデューサーとディレクターの仕事内容
番組によっても異なりますが、だいたいの傾向を紹介します。
また、ここでは「報道番組である」と仮定して解説します(広報担当にとって大事な番組形式であるため)。
○プロデューサー
・予算管理
・スタッフの割り振り
・ギャラ交渉
・企画決め
など、「番組の全体的な枠組み」を決めるのがプロデューサーの主な仕事です。
○ディレクター
・企画をさらに詰めて考える
・現場での取材や収録
・編集
・テロップ作成
など、「プロデューサーのコンセプトを実現する」のがディレクターの主な仕事です。
また、主に「映像作り」をする人員を「ディレクター」、主に取材をする人員のことを「報道記者」と、分けて呼ぶことが多いです。
○プロデューサーとディレクターの違いまとめ
・プロデューサー:全体の指揮官
・ディレクター:現場で仕事をする
簡単にまとめるとこのような差があると言えます。
「プロデューサーのほうが偉いのかな」と感じたかもしれませんが、実際その通りです。基本的にディレクターとして何年も経験を積んだ人が、プロデューサーに出世することになります。
広報担当者にとってより大事なのはディレクター?プロデューサー?
結論から言いますが、広報担当者にとってより大事なのはディレクターです。
なぜなら、「取材をする人」だからです。広報としてネタやプレリリースを作ったらディレクターに持ち込むべきです。
また、先ほどもお伝えした通り、プロデューサーの立場は強いですから、プロデューサーにネタやプレリリースを見せるのは難しいという事もあります。
とはいえ、プロデューサーの権力は絶大です。私は放送作家兼脚本家として長いことメディアの第一線にいましたが、プロデューサーがこの企画を来週やろう、といえば基本誰も逆らえません。
知り合うことができるのであれば、それに越したことはありません。良いネタやプレリリースを提供すれば、ディレクターに働きかけてくれる可能性もあります。
ディレクターとアシスタントディレクター(AD)の違い
続いて「ディレクター」と「アシスタントディレクター(AD)」の違いを紹介します。
文字通り、立場としては「ディレクター」が上ですが、具体的な仕事内容などに差はあるのでしょうか。
なお、これについても番組によって異なるので、おおよその目安でしかないと考えてください。
○ディレクター
「番組のだいたいの流れを決める」のがプロデューサーなら、「番組の流れを決める」のがディレクターです。
台本を作ったり編集をしたりするのがメインです。
○アシスタントディレクター
簡単に言うと、「『ディレクターの仕事』以外の仕事全部」です。
プロデューサーやディレクターの希望に沿えるように取材先を決めたり、ロケ地を選んだりします。
率直に言って、「ディレクターの仕事はこれ、アシスタントディレクターの仕事はこれ」と明確に説明するのは困難です。
「ディレクターがリーダーで、アシスタントディレクターが部下」というくらいに考えておいたほうが分かりやすいです。
●広報担当者にとって大事なのはディレクター?アシスタントディレクター?
これについては、「どちらも等しく大事」というのが結論です。
ディレクターのほうが権力が強いことは確かです。しかし、アシスタントディレクターにも発言権はありますし、面白いネタであれば採用されます。
また、そもそも広報担当者側からは、ディレクターなのかアシスタントディレクターなのかを見分けられない場合もあります。
それに、新人のアシスタントディレクターであっても、数年後には大物ディレクターやプロデューサーに成長しているかもしれません。ですから、「アシスタントディレクターだからどうでもいい」などと考えずに、繋がりを作っておくべきです。