首位奪還達成した「宇都宮の餃子」そのPR方法とは!?
コラム
女性視点×PR
2023.02.27

首位奪還達成した「宇都宮の餃子」そのPR方法とは!?

餃子の都として有名な栃木県宇都宮市が餃子消費量日本一を3年ぶりに浜松市から奪還!
番組や新聞などでも話題になった、宇都宮の「ギョーザ購入額日本一奪還」のニュース。
その陰には、静岡県浜松市に首位を奪われた3年前にスタートしたPR活動に奪還達成の秘密がありました。

その裏側にあるマーケティングや広報戦略について。
中小企業オーナーでも役に立つ情報です。

そもそも、なぜ宇都宮市は餃子で有名なのか?

宇都宮にギョーザ店が多い理由は、旧陸軍第14師団が駐屯していた歴史と関わりがあるとされています。
同師団は旧満洲にわたり、戦後復員した元軍人が現地で覚えたギョーザを広めました。また、栃木県内はニラの生産量が多いことや、夏暑く冬寒い海なし県の気候からスタミナがつくギョーザを好んだともいわれています。

では、宇都宮の餃子が首位奪還達成したPR方法を見ていきましょう。

「ギョーザ日本一奪回運動」の取り組み

商工関係者らが立ち上げた「奪還推進委員会」は、誇りを傷つけられて鼻が折れた「宮の天狗様」というキャラクターを制作しPR活動を展開。タレントの「奪還アイドル」就任や、市のマスコットキャラクター「ミヤリー」による“ギョーザダンス”、販促物を制作してのスーパーへの消費拡大の呼び掛けなどを実施しました。

中でもマスコットキャラクターにダンスを踊らせるという斬新な発想は、当時初の挑戦であり話題をよびました。

このように意外性を生み出すことで、世間の注目度は一気に高まります。

■「最後の“一皿”お願いします」街頭での選挙活動

さらに衆院選のタイミングで、宮の天狗様とミヤリーによるギョーザの選挙活動を市内で展開。選挙カーで市内を周り、街頭演説も行いました。

世間が興味を引いていることに着目して、その事柄に焦点をあてることで戦略的PRの方法が見出されます。
その他にもポスターや街頭の大型ビジョンで宇都宮市民に対して餃子消費の拡大を訴えてきました。

■「ギョーザ日本一奪還を」宇都宮で決起集会開催!

続いて、日本一の奪還に向けて、商工・観光関係者は、「宇都宮市餃子消費量日本一奪還推進委員会」を結成。
市内約100の企業や団体関係者に呼び掛け、事実上の決起集会になるキックオフパーティーを開きました。今回の日本一奪還はこうした官民一体となった、餃子の街としての誇りをかけた努力と餃子消費の結晶と言えますね。

まとめ 行動こそが結果の原点

結果として、地道にあの手この手で取り組んできた2年間の努力が実を結んだといえる事例です。

PRとはこういった、ひとつひとつの小さな積み重ねが大きな結果を得られることがほとんどです。日々考え、行動し、実行していくことが大切ですね。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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