一工夫で新しい市場を開拓
コラム
経営戦略×PR
2019.02.20

一工夫で新しい市場を開拓

本日のコラムは中堅アパレルのマッシュスタイルラボが立ち上げた部屋着ブランド「ジェラードピケ」についてお話したいと思います。

10月3日(金)日経MJ新聞 7面 『ブランドVIEWS』より

この「ジェラードピケ」は2008年秋に立ち上げた部屋着ブランドで、部屋着という位置づけながらファッション性が高い点が大きな特徴であるとのこと。

立ち上げの経緯を追っていくと、現ジェラードピケ事業部長が、立ち上げ前に担当していた装飾性のあるキャミソールなど肌着類ブランド「スナイデル」では、肌着類への消費者の注目度が想像以上に高く、「かわいい部屋着も出して欲しい」という要望が数多くありました。

しかし、潜在的な需要はある反面、当時装飾性のあるパジャマやスウェットなどは少なく、急な来客にも対応できる「パジャマ以上お出かけ未満」の服が無いことに着目した同事業部長は、バスローブやかわいい柄の部屋着のシーンが多い海外ドラマからヒントを得て、すぐに社長に直談判。ブランドの立ち上げが決定しました。

家族や友人との「絆」を意識する「おうち消費」ブームも追い風となり、女性たちの注目度は急上昇。ブランド立ち上げから半年足らずで店に行列ができたとのこと。節約志向に見合った価格設定や、男性や子供向け、潜在類と商品を拡充しクリスマス等のギフト需要にあった商品展開で順調に需要を取り込み、今後は雑貨や家具事業での展開も視野に入れているとのこと。

この記事を見ると、飽和状態の市場にもちょっとした一工夫で既存の商品では掘り起こせなかった需要を上手く開拓した後がうかがえます。

もちろん「絆」や「おうち消費」のブームに乗った所や、商品の質(この場合はデザイン性・素材)と節約志向に見合った価格設定(上下揃えても1万円前後)もこの商品を広く世に広めた理由といえるでしょう。

このような情報は、以前のブログで書かせて貰ったストーリー性を上手く反映しており、広報活動において最もメディアアプローチのしやすい『宝』といえます。

モノが溢れて飽和状態の現代においても、既存商品で顧客のニーズを満たせない場合は新たな隙間需要が生まれる余地があります。そこに着目してから開発までのストーリーを、世に広められるかどうかは、まさに広報担当者の腕の見せ所といえるのではないでしょうか。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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