広報・PR部署の主な業務8種類とは?種類分けをするメリットも解説
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2025.09.02

広報・PR部署の主な業務8種類とは?種類分けをするメリットも解説

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、広報・PR部署の主な業務を種類分けして解説していきます。

特に「広報・PR業務が多すぎてどこから手を付けていいのかわからない」という方や、「業務のバリエーションが多すぎて混乱しやすい」とお悩みの広報・PR担当者におすすめの内容となっています。

本記事では広報・PR業務の種類分けをするべき理由の説明と、主な業務の種類分け解説をしますのでぜひ参考にしてください。

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広報・PR業務は種類分けして捉えるとわかりやすくなる

「広報・PR部署の仕事」と聞いて、「やることがありすぎて困惑しそう」と感じる人は少なくないと思います。また、実際に日々困惑しながら業務をこなしている方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では広報・PR部署の主な業務を種類分けして解説していきます。そして一つひとつ分けて業務を捉え直せば、全体像が見えるようになってこれまでよりも高効率で仕事ができるようになるかもしれません。

広報・PR部署の社員が多い企業の場合は、業務ごとに担当者を決めて役割をハッキリさせるのもいいでしょう。

広報・PR部署が行う主な業務の種類8つ

それでは広報・PR部署が行う主な業務をいくつか紹介していきますのでご確認ください。中には定義が難しいものもありますが、「おおよそこういった業務がある」と理解しておくことには大いに意味があります。

①:プレスリリース関連

プレスリリースとは、企業が発信したい情報を記載した資料のこと。メディア関係者に直接送って掲載や報道を狙ったり、PR TIMESなどのオンライン上のプラットフォームや自社サイトで公開したりします。

これだけ聞くと楽に思えるかもしれませんが実際には、情報収集、企画立案、テーマ・素材選定、反響が大きくなるように・読みやすくなるように原稿作成をする、反響が大きくなるタイミングで配信する、などの要素があるためそれほど簡単ではありません。

②:SNS関連

10年ほど前と比べてもさらに「企業のSNS活用」が重要な時代になりました。企業の情報を短くまとめて発信する、プレスリリースや自社サイトの情報を整理して拡散を狙ったりする、ユーザーとダイレクトにコミュニケーションを取るなど、できることは多いです。

気軽な業務に感じるかもしれませんが、実際にはデータや反響を重視して発信内容を考え、その発信の効果を測定し、どんどんPDCAサイクルを回していかなければならないため、片手間ではできません。

③:オウンドメディア関連

企業公式ウェブサイトなど自社で持っているサイトやページのことを「オウンドメディア」と言います。企業によってはSNSよりも優先順位を低くしているかもしれませんが、それでも企画・取材・執筆まで気を抜かず取り組み、きちんと広報・PR効果を狙うことが大事です。

必要に応じて自社のSNSアカウントと連携を取るべきなので、SNS担当とオウンドメディア担当でわかれている場合はコミュニケーションを密にしましょう。同じ社員が担当している場合でも両者で発信内容に矛盾がないようにしたり、ユーザーが簡単に行き来したりできるようにするなど気を配るべき部分は多いです。

④:データ分析関連

あらゆる広報・PR活動において、施策を行うだけでなく、その効果を明確に評価する(効果検証)ことが大事です。そして分析結果をベースにして、広報・PR施策の内容をブラッシュアップしたり方向性を整えたりして、常により良い施策をしていくのが理想です。

例えば「伝わる文章の書き方」「メディア関係者とのコミュニケーション術」などとは違う領域のノウハウが必要なので、場合によっては広報・PR部署以外の社員にも協力してもらうことになるかもしれません。

⑤:イベント、セミナーなど各種取り組み関連

メディア関係者や一般消費者をターゲットするイベント、セミナーなどの各種取り組みの企画・運営も、広報・PR担当者が行っている企業が多いです。これも「最近流行っているから」「楽しいから」などではなく、「誰にどのように動いてほしいか」を、データなどをもとにロジカルに考えて動く必要があります。

さらにプレスリリース関連担当やSNS関連担当とも連携して、イベントやセミナーの情報を発信したり、相乗効果による自社の認知度を狙ったり、売上アップにつなげたりする工夫が必要です。

どのくらいの頻度でイベント・セミナーを行うか、どの程度の規模で実施するかなどは企業によって全く異なりますが、時間も労力もかかるので可能な限り「担当者」を明確に作りたいところです。

⑥:社内広報関連

社内情報共有の緻密化・円滑化、(主に他部署同士の)コミュニケーション促進など、社内の環境をより良いものにしていくのも基本的には広報・PR部署の仕事です。極端に言えば「社員同士なのだから勝手に仲良くなってくれないと」と感じるかもしれませんが、違う部署同士・違う人間同士なので、そうはいかない場合が多いです。

また。特に規模の大きい企業の場合、「あの部署の業務内容は全く知らない」という社員も出てくるかもしれませんが、それでは「自社の特定領域のことを全く知らない」ことに他ならないので業務に支障が出てもおかしくありません。

よって、社内報の発行による情報共有、チャットツールを使った社内コミュニケーション促進、社内イベントの企画・立ち上げなどにも力を入れたいところです。「対外部の広報」に比べて効果が見えにくい傾向にあるものの、徐々に企業としての「土台」が強くなっていきます。

⑦:経営広報関連

「経営広報」とは、経営方針、企業理念、企業の存在意義・ミッションなどを社外・社内に発信していくタイプの広報・PR活動のこと。具体的には代表者インタビュー、上層部のメッセージ発信などの企画を立案したり、経営に直接関わるような長期的な広報戦略を練ったりしていきます。

どこまでを「通常の広報・PR発信」として、どこからを「経営関連の発信」とするかは難しいところですが、人員的に余裕がある企業の中には明確に担当者を設けているところが少なくありません。

⑧:リスクマネジメント関連

例えばSNS、匿名掲示板、ニュースサイトなどをこまめにチェックして、企業のマイナスイメージや実際の不利益につながるような投稿があれば、それをすぐに検知。そして炎上までつながらないように対応するのも広報・PR部署の役割の一つです。

本当に大きく炎上してしまった場合でも、社内の連携を主導しつつ早めに公式声明を出すなどして、炎上が広がらないようにします。さらに、炎上時の各ステークホルダーへの説明対応なども行いたいところです。

「これも広報・PR部署の仕事なのだろうか」と感じるかもしれませんが、まず「基本的に他にふさわしい部署がない」という企業が大半なのではないでしょうか。また、広報・PR部署は「どうすれば伝わるか」を常に考える部署でもあるので、トラブルをおさめるための発信も得意であるはずです。

✅ここに災害対策・対応も含まれる

通常のリスクマネジメントとは違いますが、広報・PR部署が災害対策・対応も任されるケースが少なくありません(他部署とも連携するのは当然として)。

具体的には、災害が発生した際にどのようなタイミングでステークホルダーに発信をして、その発信内容をどのようなものにするかなどを決めておきます。そして、その後の対応・アクションの流れなどもできる限り想定しておきましょう。

そうそう「実践」があるものではありませんが(あってほしくありませんが)、「災害はいつか必ず起きる」という前提で備えるのが災害対策のポイントです。その上で、「何も起こらないからリソースが無駄になっている」ではなく、「リソースが無駄になって良かった」くらいに捉えるのが健全なのではないでしょうか。

PR部署の主な業務を知って戦略性を上げていこう(まとめ)

広報・PR部署の業務は多岐に渡るため、そもそも企業によっては物理的にすべてはこなせないはずです。だからこそ今回紹介した業務の種類を意識し、自社の方針や状況に合わせて優先順位を付けつつ業務を進めていくことをおすすめします。

逆に広報・PR部署の人員が多くて余裕がある場合は、全業務について「担当者」をさらに決めてメリハリを付けるのもいいでしょう。ただ、各業務担当が独立してしまうのではなく、常に連携して取り組んでいくことも大事です。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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