企業のボランティア活動に関するプレスリリース作成・配信のポイント5選
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2025.09.12

企業のボランティア活動に関するプレスリリース作成・配信のポイント5選

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、ボランティア活動に関するプレスリリース作成・配信のポイントなどに関して解説していきます。

「商品・サービス関連と違って直接利益につながらないのにプレスリリースを作成する必要があるのか」と感じるかもしれませんが、企業方針やボランティア活動の方針によって作った方がいい場合もあります。

そこで本記事では広報・PR担当者の方々に向けて、ボランティア活動のプレスリリース作成・配信するメリット、さらに作成・配信のポイントなどについてお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

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ボランティア活動に関するプレスリリースを作成・配信する広報・PR上のメリット3つ

それではボランティア活動に関するプレスリリースを作成・配信することの主なメリットを紹介しますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。

「利益につながらないのでプレスリリースを作るほどではない」と感じるかもしれませんが、企業の方針や全体的な目的によっては作成した方がいい場合もあります。

メリット①:企業のイメージアップにつながる

プレスリリースを作成・配信することで「ボランティア活動をしている企業」という認識が広がり、企業のイメージアップにつながります。「ボランティア活動をしていることをわざわざアピールするのはわざとらしい」と感じる一般消費者もいるかもしれませんが、全体としてはごくわずかなはずなので問題はありません。適切な内容のプレスリリースであれば、そういった人の比率はさらに下がることでしょう。

✅元々「ボランティア活動をしている企業」と知られている場合もプレスリリース配信を要検討

また、元々「ボランティア活動をしている企業」と世間にある程度認識されている場合もプレスリリース配信を検討することをおすすめします。ある日いきなり「実はボランティア活動をしている企業」という認識がさらに広がることで、企業のイメージを一気に良くすることができるかもしれないためです。

メリット②:自社社員にもボランティアについて伝えることができる

全社員のうちどのくらいの社員がボランティア活動を行っているかもによりますが、プレスリリース配信によって、さらに「我が社もボランティア活動をしている」という認識を広げることができます(ただしプレスリリース配信はしないとしても普段から社内で広めて、参加しない社員にも知らせることは大事)。

また、ボランティア活動に参加している社員でさえ、自社がボランティアに参加している理由、ボランティアを通じて実現したいこと・世間に与えたいこと、そして各種体制などは知らない可能性があります。よってプレスリリースにはそういった社員に詳細を知らせる役目もあります。

そのため単にプレスリリースを作成・配信するだけでなく、社員にきちんと読むように働きかけることも大事です。社内ネットワークに投稿するなどして、一人でも多くの社員が読むように工夫することをおすすめします。

メリット③:ボランティア活動に参加する人が増える

プレスリリースを読んだ自社社員だけでなく、配信されているプレスリリースを目にした一般の方の中からもボランティア活動に参加する人が増えるかもしれません。

企業として「ボランティア活動はイメージアップのためにやっている」というのが本音かもしれませんが、それでも世のため人のためになりたいという純粋な気持ちも含まれているはず。となるとボランティア活動の参加者が増加することも嬉しいはずです。

また、特に(どこかが主催しているものに参加するのではなく)自社でボランティア活動を主催している場合は、参加者の多さが世間的な評価につながる側面もあります。そのため遠回りですが、「企業の認知度とイメージアップ」→「商品やサービスも注目される」などの具体的な利益につながる可能性も。

さらに自社に対して投資してくれる人が増える、メディア関係者からボランティア活動のみならず注目してもらえるようになるなどのメリットもある程度は期待できます。

ボランティア活動に関するプレスリリース作成・配信のポイント5つ

続いてはボランティア活動に関するプレスリリースを作成・配信するにあたってのポイントをいくつか紹介していきます。

ポイント①:基本的に商品やサービスの紹介につなげない

基本的に自社商品・サービスの紹介につなげないようにしましょう。プレスリリースを読んだ人に「結局商品やサービスにお金を出してほしいだけか」と思われる可能性が高いです。そもそも「ボランティア活動=見返りを求めない活動」と捉えている人が大半なので、あらゆるプレスリリースの書き方の中でもかなり印象の悪い部類といえるでしょう。

それでも商品やサービスに関連付けるのであれば、ボランティア活動のために直接的に自社の商品・サービスを活用した場合のみにしましょう。そしてこのケースでも、例えば「弊社商品の○○を使用し~」など淡々と名前を出す程度にしておくことをおすすめします。

✅商品・サービスをアピールしたいなら別にプレスリリースを作成・配信するべき

商品・サービスをアピールしたいのであれば、ボランティア活動に関するものとは別にプレスリリースを作成・配信すればいいだけです。

その商品・サービスをなんらかの形でボランティア活動に活用している場合も、あくまで「商品・サービス」を軸にしつつ、「ボランティア活動にも役立っており~」などと書けば嫌味なく商品・サービスもボランティア活動も扱うことができます。

ポイント②:ボランティア活動の概要をわかりやすく、可能なら数字も使って書く

ボランティア活動の概要をわかりやすく、できれば数字も使って記載することが大事です(どのような内容のプレスリリースにも言えることです)。主に書くべき内容は以下の通り。

  • 企業名、あればボランティア活動時の団体名も
  • 主催者なのか参加者なのか書く
  • 活動内容(ゴミ拾い、地域活動のサポート、交通安全活動、など端的に)
  • 参加の目的
  • 日時
  • 参加人数

他にも記載するべきことがあればもちろん加えて構いません。

✅「参加者」の立場なら「主催者」の許可を得た上でプレスリリースを書く

ボランティア活動の「参加者」の立場の場合は、「主催者」の許可を得てからプレスリリースを書きましょう。

また、単に許可を取るだけでなく「書いてはいけないこと」についても確認してください。すでに少し触れていますが、ボランティア活動は「イメージ」も大事であり、プレスリリースの内容によってはそれが損なわれる恐れもあるためです。

万全を期すなら、プレスリリースができあがった段階でさらに主催者にチェックしてもらうことをおすすめします。

ポイント③:ボランティア活動への参加方法や(あれば)支援方法も書く

プレスリリースを読んで興味を持った人がそのまま参加できるように、ボランティア活動への参加方法も書きましょう。また、なんらかの方法で外部から支援できるのであればその方法も明記してください。

この「支援」ですが物質支援や寄付などをわかりやすいものだけでなく、SNSでの拡散、家族・友人・知人などにボランティア活動について話す、日頃からできること(節電、ゴミ削減など)をするなど、日常的なものも簡単に記載するといいでしょう。

親しみが出ますし、実際に世の中のためにもなります。また、こういった内容も書いておかないとせっかくプレスリリースを読んでもらえても「やっぱり自分には関係がない」と思われてしまう可能性が高いです。

ポイント④:ボランティアを主催・参加した理由などのストーリーを書く

読み手の共感を呼ぶためには単純な情報を書くだけでなく、ボランティアを主催・参加した理由などハートの部分にウエイトを置いたストーリーを記載することも大事です。具体的に入れるべき内容は主に以下の通り。

  • 主催・参加しようと思った理由を具体的に
  • ボランティア活動によって解決したい社会問題
  • 具体的にどのような人を助けたいか
  • ボランティア活動を通じて思ったこと
  • ボランティア活動に取り組む中で苦労したこと
  • ボランティア活動に関する今後の展望(継続したい、規模を大きくしたいなど)

プレスリリースのストーリーでは「取り組む中でこういった苦労があった」などを書くのも重要です。ただ、ボランティア活動のプレスリリースでそれすると「現状に対する強い批判(露骨に言えば政府批判、非参加者批判)」というトーンになりかねないので気を付けてください。「他者批判」は印象が悪いです。

ポイント⑤:画像や動画などのビジュアル素材を載せる

商品やサービスなどのプレスリリースでも重要ですが、ボランティア活動のものに関しても画像や動画などのビジュアル素材を多めに載せましょう。これによって「得体の知れなさ」がなくなりますし、見た人が現場をイメージしやすくなり、親近感が出ます。実際にビジュアル素材をきっかけに参加を検討し始める人もいるはずです。

ただ、あらゆるものに言えますが肖像権に注意してください。人の顔が映るなら必ずその人の許可を取る、もしくは顔が映らない写真・動画(後ろ姿)にするなど。また、例えばゴミ拾いなら集まったゴミ袋の写真を載せるなど、あまり人物に頼りすぎないようにする手もあります。

そしてボランティア活動の様子を動画におさめている場合は、プレスリリースにそのURLを載せましょう。ただし性質上「作業の様子の長回し」になりやすいので、後から解説の音声を入れたり、カットしたりすることをおすすめします。現場の様子や参加者のひたむきな姿勢が伝わればいいので、長時間である必要はありません。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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