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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、「企業ネタ」を広報・PRネタにすることのメリットなどについてお伝えしていきます。
特に「新商品・新サービス情報以外のプレスリリースをほぼ書いてこなかった」「商品・サービス関連の発信しかしてこなかった」という広報・PR担当者は、企業ネタに目を向けると道が開けるかもしれません。
本記事では、「企業ネタ」を発信するメリット、そして企業ネタに盛り込むべきポイントなどに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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新商品・新サービス以外の「企業ネタ」を発信する広報・PR上のメリット5選
広報・PRネタの王道は新商品・新サービス情報かもしれません。ですが実は新商品・新サービス以外の「企業ネタ」を発信することにもメリットがあります。
メリット①:幅広い層に興味を持ってもらいやすい
新商品・新サービス情報の場合、そのジャンルに関心がある人でないと相手にしてくれない可能性が高いです。一方、例えば「我が社は朝礼で合唱をしています」などのユニークな情報であれば、多くの人が少なからず「え、面白い」と思ってくれることでしょう。
メリット②:「商売っ気」の少ない情報なので親しまれやすい
新商品・新サービス情報の場合、どうしても「売りたい」というスタンスが前面に出やすいです。それを抑えて情報発信するのが広報・PR担当者の腕の見せ所ではありますが、限界はあります。
ですが単なる「少し面白い企業ネタ」であれば、商売っ気が少ないので親しまれやすいです。そもそも企業が発信しているネタとさえ思わず、気軽に拡散してくれるかもしれません。
メリット③:自然な拡散が期待できる
上で触れていますが「商売っ気が少なく親しまれやすい」「少し面白い」となると、SNS上などで自然な拡散が期待できます。例えば「朝礼で合唱をする会社があるらしくて、しかも月1回部署対抗でガチのコンクールやってるらしいよ!」ともなれば、思わず拡散したくなる人は少なくないはずです。
そして興味を持った人の中には、企業そのものや商品・サービスにまでたどり着いて関心を持ってくれる人もいることでしょう。つまり売上などにつながるということですし、さらにその中にはリピーターにまでなってくれる人もいる可能性があります。
メリット④:どの会社にもユニークな部分(ネタ)はある
どの会社にもユニークな部分、つまりネタがあるので「発信ネタ」を作りやすいというメリットがあります。
「自社に変わった部分などない」と感じるかもしれませんが、特に長年勤めていると感覚がマヒして「本当は変わっているのに、普通に受け入れてしまっている」ような要素があるかもしれません。
そのためまずは自社の取り組み、福利厚生の内容、既存の商品・サービス(既存のものにネタが隠れている可能性がある)、各社員の個性などを調べてみることをおすすめします。
メリット⑤:新商品・新サービス以外の「企業ネタ」を好むメディアは少なくない
実際に新商品・新サービス以外の「企業ネタ」を好むメディアも少なくありません。
いわゆる「媒体研究」をきちんと行い、自社の企業ネタと合いそうなメディアにプレスリリースなどを送れば、新聞や雑誌などで露出できる可能性さえあります(ライトなウェブメディアであればさらにハードルが下がる)。
✅メディア関係者と良好な関係性を築くことができれば「その後」につながる可能性も
また、企業ネタを採用してくれたメディア関係者と良好な関係性を築くことができれば、それ以降のプレスリリースも見てもらいやすくなるかもしれません。
同じく企業ネタであれば再度採用される可能性が上がるのはもちろんのこと、新商品・新サービス関連の情報でも採用されやすくなる場合があります。
このようにメディア関係者と継続的な関係性を作ることには大きな意味があります。その都度様々なメディア関係者にあたっていくだけではなく、「お得意様」のようなメディア関係者を何人も作っていくことが理想です。
✅「報道の連鎖」があり得る
また、企業ネタであってもメディア掲載実績を増やすことができれば「メディアで取り上げられた実績があること自体」を武器にして、プレスリリースなどを作ることが可能となります。
「一度どこかのメディアで露出したネタを、別のメディアが取り上げることはないのでは」と感じるかもしれません。しかしそれは裏を返せば「取り上げる価値があると最低限保証されている」ということなので、ネタの切り口を変えれば複数のメディアで露出できる可能性があります(報道の連鎖)。
ちなみに「実績がない」「読者・視聴者にウケる保証がない」などの理由で、「斬新すぎるネタ」を嫌うメディアさえあると言われています。一番無難にウケるのは「ある程度の斬新さがありつつも、実は過去にもあったネタ」とも。
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広報・PRの「企業ネタ」に入れるべきポイント5選
それでは広報・PRの「企業ネタ」に入れるべきポイントをいくつか紹介していきます。このポイントを抑えるために自社の関係者にヒアリングをしたり、自社の情報を改めてリサーチしたりしましょう。
企業ネタ自体のノリは基本的に軽いものになると思いますが、だからといって雑に作っていいものではありません。
ポイント①:ユニークな取り組みや福利厚生などの基本情報
まずはネタの基本情報が必要です。変わった取り組みなら具体的に何をするのか、ユニークな福利厚生ならその詳細など。「自社のことでも詳しいことまでは知らない・誤解している」というケースは意外とあるので、油断せずに調べてまとめましょう。
なお暗黙の了解などで明確なルールや内容が決まっていない場合は、「現在の内容」を整理してまとめるしかありません。以降のポイントも「現在不明」な部分については、現状を見ながらまとめましょう。
ポイント②:なぜそれを始めたか
「このようなユニークな取り組みがあります」だけでは単に事実を発信するだけであまり面白くないので、なぜそれを始めたか、つまり理由の部分も入れましょう。
例えば社長が始めた取り組みであれば社長にインタビューするなど、発案者の話を聞きます。発案者のコメントをまとめてプレスリリースに載せてもいいですが、できれば最低でも顔写真付きで「発案者インタビュー」として書きたいところです。
ただ、現実的には始めた理由は「なんとなく」「思い付き」かもしれません。しかし、それでは当然ネタにならないので、広報・PR担当者の方から「取り組みによってどのような変化があると考えたのでしょうか?」、「何か不満があってこの福利厚生を導入したのでしょうか?」などと聞きましょう。質問形式であれば無理なく答えてくれることでしょう。
ポイント③:これからの展望
取り組みや福利厚生などについて、これからの展望も書きます。
「社員のためになっているのでこれからも継続します」でもいいですし、「さらにパワーアップします」、「希望する地元住民が参加できるようにしたいです」など、前向きな内容であればなんでも構いません。
ちなみに「そろそろやめようと思っています……」という場合はさすがにネガティブすぎるので、そもそも広報・PRネタとして扱うべきではありません。
ポイント④:社員の声
取り組みや福利厚生などに対する社員の声を載せます。多くの社員に聞くことで「アンケート調査」のようにまとめるのもいいですし、何名かの社員をピックアップしてヒアリングするのもいいでしょう。ただ、何名かの社員を選ぶ場合は、できるだけ性別や年代が偏らないようにすることをおすすめします。
社員の声を載せないと、発信ネタを見た人に「本当に社員のためになっているのだろうか」「社長の自己満足では?」「アットホームのように見えてむしろブラック気味なのでは?」などと思われかねないので気を付けてください。
ポイント⑤:写真や動画
特に「取り組み」の場合は、写真や動画といったビジュアル素材をプレスリリースなどにふんだんに盛り込みましょう。これがあるとないとでは「臨場感」と「伝わりやすさ」が大きく変わってしまいます。
そして特にSNSで発信するのであれば写真や動画をメインにし、テキストは1行~数行程度に抑えてもいいくらいです。率直に言ってほとんどのSNSユーザーは文章をまともに読んでくれません(フォローしているアカウントではなく、おすすめなどで偶然流れてきたアカウントの投稿である場合はなおさら)。
ただ、テキストを短くする代わりに、自社サイトの詳細ページや自社のYouTubeチャンネルへのURLも貼るなどしましょう。興味を持った人がクリック・タップするだけで、さらに詳しい情報を得られるようにするためです。
「企業ネタ」を広報・PRネタにするメリットまとめ
新商品・新サービス以外にも「発信ネタ」や「プレスリリースネタ」はあるので、一度自社の現状をすべて見直してみることをおすすめします。「これは普通」と感じている事柄の中にも、他の人から見ればユニークで面白いポイントがあるかもしれません。
ただ、ネタにするにあたって「こんな面白いことをしています!」だけで終わらせないようにしましょう。それだけでは「単なる事実」であって楽しくないので、今回紹介したような内容を盛り込んで、きちんと「広報・PRネタ」に昇華してください。
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