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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、広報・PR活動のターゲット設定でよくあるミスなどに関して解説します。
特に「あまりターゲット設定をしっかり詰めたことがない」、「それよりも早くプレスリリース作成などをするべきでは?」と考えることが多い方は、ターゲット設定について見直すべきかもしれません。
本記事では広報・PRのターゲット設定でよくあるミス、そしてターゲット設定の重要性などについてお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
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広報・PR活動のターゲット設定でよくあるミス3選
それでは広報・PR活動のターゲット設定でよくあるミスをいくつか紹介していきます。ここでいうターゲット設定とは「誰に向けて発信するか」の設定のこと。この部分で間違えると、土台がしっかりしないままで発信することになるため気を付けなくてはなりません。
よくあるミス①:メディア掲載だけを目的して、その先の読者・視聴者が見えていない
メディア掲載を狙う気持ちが強いあまり「とにかくメディア露出さえすればいい」と考えて、「そのメディアで露出すると、どのような層の読者・視聴者に発信するのか」までは見えていないというミスをする広報・PR担当者が少なくありません。
メディアとしても「このメディアの本来のターゲットに情報を届けたい」と健全に考えているので、「とにかく載せてください」と媚びたようなプレスリリースなどは好まないものです。
そのため広報・PRでは、「情報を発信したい相手は誰か」→「それができるメディアは何か」→「そのメディアにプレスリリースなどを送る」という流れを基本にすることをおすすめします。
✅「メディア掲載」を主目的にする選択肢もないわけではない
ただしメディア掲載を主目的にする選択肢もないわけではありません。メディア掲載数が多いとそれだけ注目度が上がりやすいことは確かですし、「これほど多くメディア露出しています」ということ自体が、メディア・メディア関係者へのアピールポイントにもなるためです。実際、大量のメディア掲載を経て、徐々に大手メディアでのスライドへと露出していくことができるケースもあります。
ただ、大きな声ではいえませんが掲載されることがプラスに働くメディアばかりではありません。中には「強力な固定ファンがいるものの、多くの人からの印象は悪い」というメディアもあるので、「掲載数の積み重ね」と「掲載による企業イメージへの影響」のバランスを見た上で、そのメディアにアプローチするかどうかを決めましょう。
よくあるミス②:メディア選定に問題はなくても、記者選定で間違っている
いわゆる「媒体研究」を重ねて、適切なメディアを選定し、そのメディアが求めていそうな情報をまとめたプレスリリースを送ったとします。この場合、相手メディアから良い反応が得られそうなものですが、これでもまだ的外れになってしまうことがあります。
それは「記者選定」が間違っているというパターンです。例えば新聞の場合、様々な記者が1つの新聞を作っていますから、「その新聞にはおおよそ合っていても、送った記者には合っていない情報だった」という事態になる可能性が低くはありません。
そのためメディア選定をした後は、「どのコーナーに載りたいか選ぶ」→「そのコーナーを手掛けた記者を突き止める(記事の署名を見るなど)」→「その記者にプレスリリースを送る」といった流れを基本にすることをおすすめします。
✅コーナー選定が先になるケースもある
ちなみに「新聞や記事の特定のコーナーの方を先に知る」→「後から媒体名を知る」という流れになっても構いません。「媒体名」「コーナー名」「記者名(連絡先も)」の各要素がわかれば基本的に問題はないのです。
よくあるミス③:ターゲット決定後、つい「もう少し層を広げて……」と意識してしまう
広報・PRやマーケティングでは、原則としてターゲットをある程度狭く設定して「狭く深く」を意識してプレスリリースや発信ネタを作るのが鉄則です。そうでなくターゲットをむやみに広くすると、「広くウケようとする」→「広い分、内容が浅くなる」となって、結果的に誰にも刺さらないプレスリリース・発信ネタになってしまう可能性が高いです。いわゆる「広く浅く」ですね。
だからこそターゲット設定の時点で気を付けるべきなのですが、きちんと設定できてもプレスリリース作成などをしているうちに、徐々に広く浅くなっていくケースが少なくないので注意してください。
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ターゲット設定はプレスリリースなどの質を大きく左右する
プレスリリースの質を大きく左右するのは、実は「ターゲット設定」や「情報収集」などの事前準備であることが多いです。これらがきちんとできている場合、極端にいえば「後は書くだけ」などの大きく失敗することは少ないといえます。そのため「一刻も早くプレスリリースを書き始めたい」などと焦らず、まずは下準備に力を入れることをおすすめします。
予算次第ではプレスリリース作成をアウトソーシングする手もある
予算次第ではプレスリリース作成をアウトソーシングする選択肢もあります。例えば「ターゲット設定」と「情報収集」をしたら後は外注するなど。上でお伝えした通り、プレスリリースで重要なのは下準備であるとも言えるので「作成」のステップは誰かに任せて、自社のリソースは他に回すことも検討してみてはいかがでしょうか。
PR活動のターゲット設定は後方における最初かつ重要な一歩目です
「メディア掲載さえすればいい」と考えて、その先にいる読者や視聴者の存在が頭から抜け落ちるケースが少なくありませんので、広報・PR担当者の皆さんは気を付けてください。「まさかそんなことをするはずがない」と感じるかもしれませんが、特になかなかメディア露出できない場合はあり得ます。
さらに、「きちんとターゲット設定をしても徐々に少しずつ広げてしまう」というケースもあります。これを防ぐためにもプレスリリースを書き進めながら「飛躍していないか」「ズレていないか」などたびたび確認することをおすすめします。
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