PR活動のターゲット設定でよくある間違いと顧客起点のメディア設定3つのミスを解説
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2025.04.12

PR活動のターゲット設定でよくある間違いと顧客起点のメディア設定3つのミスを解説

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、広報・PR活動のターゲット設定でよくあるミスなどに関して解説します。

特に「あまりターゲット設定をしっかり詰めたことがない」、「それよりも早くプレスリリース作成などをするべきでは?」と考えることが多い方は、ターゲット設定について見直すべきかもしれません。

本記事では広報・PRのターゲット設定でよくあるミス、そしてターゲット設定の重要性などについてお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

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広報・PR活動のターゲット設定でよくあるミス3選

それでは広報・PR活動のターゲット設定でよくあるミスをいくつか紹介していきます。ここでいうターゲット設定とは「誰に向けて発信するか」の設定のこと。この部分で間違えると、土台がしっかりしないままで発信することになるため気を付けなくてはなりません。

よくあるミス①:メディア掲載だけを目的して、その先の読者・視聴者が見えていない

メディア掲載を狙う気持ちが強いあまり「とにかくメディア露出さえすればいい」と考えて、「そのメディアで露出すると、どのような層の読者・視聴者に発信するのか」までは見えていないというミスをする広報・PR担当者が少なくありません。

メディアとしても「このメディアの本来のターゲットに情報を届けたい」と健全に考えているので、「とにかく載せてください」と媚びたようなプレスリリースなどは好まないものです。

そのため広報・PRでは、「情報を発信したい相手は誰か」→「それができるメディアは何か」→「そのメディアにプレスリリースなどを送る」という流れを基本にすることをおすすめします。

✅「メディア掲載」を主目的にする選択肢もないわけではない

ただしメディア掲載を主目的にする選択肢もないわけではありません。メディア掲載数が多いとそれだけ注目度が上がりやすいことは確かですし、「これほど多くメディア露出しています」ということ自体が、メディア・メディア関係者へのアピールポイントにもなるためです。実際、大量のメディア掲載を経て、徐々に大手メディアでのスライドへと露出していくことができるケースもあります。

ただ、大きな声ではいえませんが掲載されることがプラスに働くメディアばかりではありません。中には「強力な固定ファンがいるものの、多くの人からの印象は悪い」というメディアもあるので、「掲載数の積み重ね」と「掲載による企業イメージへの影響」のバランスを見た上で、そのメディアにアプローチするかどうかを決めましょう。

よくあるミス②:メディア選定に問題はなくても、記者選定で間違っている

いわゆる「媒体研究」を重ねて、適切なメディアを選定し、そのメディアが求めていそうな情報をまとめたプレスリリースを送ったとします。この場合、相手メディアから良い反応が得られそうなものですが、これでもまだ的外れになってしまうことがあります。

それは「記者選定」が間違っているというパターンです。例えば新聞の場合、様々な記者が1つの新聞を作っていますから、「その新聞にはおおよそ合っていても、送った記者には合っていない情報だった」という事態になる可能性が低くはありません。

そのためメディア選定をした後は、「どのコーナーに載りたいか選ぶ」→「そのコーナーを手掛けた記者を突き止める(記事の署名を見るなど)」→「その記者にプレスリリースを送る」といった流れを基本にすることをおすすめします。

✅コーナー選定が先になるケースもある

ちなみに「新聞や記事の特定のコーナーの方を先に知る」→「後から媒体名を知る」という流れになっても構いません。「媒体名」「コーナー名」「記者名(連絡先も)」の各要素がわかれば基本的に問題はないのです。

よくあるミス③:ターゲット決定後、つい「もう少し層を広げて……」と意識してしまう

広報・PRやマーケティングでは、原則としてターゲットをある程度狭く設定して「狭く深く」を意識してプレスリリースや発信ネタを作るのが鉄則です。そうでなくターゲットをむやみに広くすると、「広くウケようとする」→「広い分、内容が浅くなる」となって、結果的に誰にも刺さらないプレスリリース・発信ネタになってしまう可能性が高いです。いわゆる「広く浅く」ですね。

だからこそターゲット設定の時点で気を付けるべきなのですが、きちんと設定できてもプレスリリース作成などをしているうちに、徐々に広く浅くなっていくケースが少なくないので注意してください。

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ターゲット設定はプレスリリースなどの質を大きく左右する

プレスリリースの質を大きく左右するのは、実は「ターゲット設定」や「情報収集」などの事前準備であることが多いです。これらがきちんとできている場合、極端にいえば「後は書くだけ」などの大きく失敗することは少ないといえます。そのため「一刻も早くプレスリリースを書き始めたい」などと焦らず、まずは下準備に力を入れることをおすすめします。

予算次第ではプレスリリース作成をアウトソーシングする手もある

予算次第ではプレスリリース作成をアウトソーシングする選択肢もあります。例えば「ターゲット設定」と「情報収集」をしたら後は外注するなど。上でお伝えした通り、プレスリリースで重要なのは下準備であるとも言えるので「作成」のステップは誰かに任せて、自社のリソースは他に回すことも検討してみてはいかがでしょうか。

PR活動のターゲット設定は後方における最初かつ重要な一歩目です

「メディア掲載さえすればいい」と考えて、その先にいる読者や視聴者の存在が頭から抜け落ちるケースが少なくありませんので、広報・PR担当者の皆さんは気を付けてください。「まさかそんなことをするはずがない」と感じるかもしれませんが、特になかなかメディア露出できない場合はあり得ます。

さらに、「きちんとターゲット設定をしても徐々に少しずつ広げてしまう」というケースもあります。これを防ぐためにもプレスリリースを書き進めながら「飛躍していないか」「ズレていないか」などたびたび確認することをおすすめします。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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