広報担当者あるある!「取材はあるのにテレビに露出できない!」を解決する5つのチェックポイント
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2025.05.28

広報担当者あるある!「取材はあるのにテレビに露出できない!」を解決する5つのチェックポイント

➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、「取材はあってもテレビ進出できない」を解決するためのチェックポイントなどについてお伝えしていきます。

特に「取材をしてもらえて大喜びしていたものの結局テレビに出られなかった」と悔しい経験をしたことがある広報・PR担当者におすすめの内容となっています。

本記事では、取材があってもテレビ進出できない理由、そして取材をテレビ進出につなげるためのチェックポイントなどに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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取材があってもテレビ進出できない理由の一つに「感覚のズレ」がある

取材があってもテレビ進出できない理由の一つに「感覚のズレ」があります。具体的にいうと「広報・PR担当者がテレビ関係者に見せたいこと」と、「テレビ関係者が欲しいもの(視聴者に見せたいもの)」のズレです。

また、広報・PR担当者の中には「実は見せたいこともきちんとはまとまっていない」という状態に留まっている人も少なくありません。そして広報・PR担当者は「テレビのプロ」ではないので、意図的に修正しようとしないと直ることはまずありません。

そこで今回はこの感覚のズレを埋めて、取材後のテレビ進出率を上げるためのチェックポイントを紹介していきます。チェックポイントの内容をまとめて、取材が決まった段階ですぐにテレビ関係者に内容を伝えましょう。

その他、取材があってもテレビ進出できない主な理由は?

その他にも、以下のような取材があってもテレビ進出できない理由があるので注意してください。

  • ○○の映像を撮影できますと言ったが、当日不備があって思うようにできなかった
  • ○○の撮影ができますと言ったものの、言うことが大げさでテレビ関係者の期待を下回った
  • 当日までに「ぜひ良い取材をお願いします!」などと失礼なことを言った

当然ながら「できます」と言った以上は、言ったことができる必要がありますので、安請け合いや誇張は厳禁です。また、言われなくてもプロなら良い取材はしてくれるので、「良い取材をお願いします!」などもNG。そうではなく「よろしくお願いいたします」など、無難なあいさつにしましょう。

広報・PRでテレビ取材対応を成功させるための5つのチェックポイント

それではテレビ取材対応を成功させるためのチェックポイントをいくつか紹介していきます。
上でもお伝えしましたがチェックポイントの内容を整理し、取材をしてくれるテレビ関係者にすぐに知らせましょう(もしくは連絡が取れる別の関係者に伝達を頼む)。

これら全部を自信を持って埋めることができないと、取材があってもテレビ進出できない、そもそも取材の話が消えてしまうなどがあり得るので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。

チェックポイント①:ネタが視聴者(ターゲット)に与えるメリット

テレビに限りませんが、発信するネタが視聴者にメリットを与えるものではないと、メディア採用されない可能性が高いです。

自社にとっては「自社をアピールできる」、「商品・サービスを多くの人に見せることができる」などのメリットが確実にあると思います。しかし、それとは全く別物ですので、違った視点からネタを見直してみてください。

視聴者のメリットとしては例えば以下のものがあります。

  • 役に立つ商品やサービスなどの良い情報を知ることができる
  • 連休に遊びに行くスポット、食べに行くお店の候補が増える
  • 一時的な「楽しさ」「癒し」などプラスの感情を得ることができる

チェックポイント②:メリットによって視聴者の「悩み」や「困り事」をどう解決できるか

メリットによって、視聴者の「悩み」や「困り事」がどのように解決できるのか・軽減できるのかをまとめましょう。情報発信でよくあるミスとして、「役立つ商品があります!」というアピールだけに留まって、具体的にどのような「変化」を与えてくれるのかを言わないというものがあるので、広報・PR担当者としては気を付けなくてはなりません。

具体的には例えば以下の通り。

  • 商品によって「皿洗いが面倒」という悩みを解決できる
  • サービスによって「子どもを幼稚園に迎えに行く時間を確保しにくい」という悩みが解決する
  • 遊びやイベントの提案によって、「休日にすることがない」という悩みの「解決方法の候補」を提示できる

なお一般企業の場合、チェックポイント1で挙げた「単純な楽しさや癒しの提供」だけでテレビ進出するのは難しいかもしれません。ですが動物ネタなど安定感のあるネタなら叶う可能性があります。また、全国ネットではなく、「地方の面白いネタ・癒しネタ」などであれば採用率が上がる傾向にあります。

チェックポイント③:ネタに「動き」など「映像」にできるところはあるか

テレビはもちろん「映像」のメディアですので、ネタに「動き」がある部分が必須です。どれほど人々に与えるメリットが大きかったり、メリットによって得られる変化がかなりのものであったりしても「動き」がなければテレビ進出は困難です(基本的に他メディアを検討するべき)。

一方、「動き」がきちんとある場合は、たとえ新聞や雑誌へプレスリリースを送っても採用されにくいとしても、テレビであれば採用されるかもしれません。それほど「動き」は重要です。

✅「動き」が少ないネタをどうしてもテレビ関係者に送りたい場合は?

繰り返しになりますが「動き」が少ないネタをテレビ関係者に送るのはおすすめできません。

しかしどうしてもそのネタでテレビ進出を狙いたい場合は、例えば適度にドラマ性のある利用者のインタビュー、開発者インタビューなど「人」にフォーカスすれば、その人の動作・声によって自然と動きを作ることができます。また、淡々と情報を発信するよりも「人」を押し出した方が、視聴者からの共感を得られる可能性が高いです。

とはいえ、それ以外の部分の「楽しさ」「面白さ」「驚き」「学び」などのある動きの方がウケやすいことは確かなので、「人」をアピールする難易度が高い傾向にあることは覚えておきましょう。

チェックポイント④:映像の「この部分が特に面白い」と言える部分は?理由は?

単に「映像」を確保できるだけでなく、「面白い(驚きがある、感動がある、学びがある、考えさせられるなど)映像」でなければなりません。そして「なぜ面白いのか」の理由や根拠まで、論理的に説明できる必要があります。

例えば「○○(製品)が完成する瞬間には感動がある」というのは、その製品に思い入れがある自社社員でないと感動しないかもしれません。そのため一例として、「製造の特に□□の過程の各パーツの動きが少し不気味で面白く、それでいて職人技も光るので感動がある」など、「誰でも納得できる理由」の方を強調することが大事です。

✅YouTubeなどで類似する動画の再生数が多い・コメント数が多いなども根拠になる

近年ではYouTubeやTikTokなどの動画を参考に、もしくは引用して使うテレビ番組も少なくありません。そのため例えば「自社のYouTubeチャンネルの類似動画の再生数・コメント数が多いので、テレビで流しても良い反応を得られるはずです」などと主張するのもいいでしょう。

より説得力があるのは「自社のYouTubeチャンネルで~」ですが、自社でチャンネルを持っていなければ「○○○という動画が話題になっていまして」など他人の動画でも構いません。

なお「動画の人気」という意味では再生数に目が向くかもしれませんが、「どれくらい心が動くか」をより正確に知ることができるのは、「再生数あたりのコメント数」です(心が動いたからこそコメントを残したくなる)。そのため最も目立つ再生数だけでなくコメント数もチェックすることをおすすめします。

チェックポイント⑤:ネタを理解するために専門知識が必要か、必要ならそれは何か

専門知識がなくてもネタを理解できるに越したことはないので、プレスリリースなどを作成する段階で排除できるのであればそうしましょう。簡単な言葉に置き換えたり、(不要なら)専門的な解説そのものを省いたりします。

ただ、どうしても専門知識が必要である場合は、それが具体的になんなのか可能な限り簡単に説明しましょう。

✅「専門知識の説明」そのものを面白くする手もある

簡単ではありませんが「専門知識の説明・専門的な説明」そのものを面白くする手もあります。

例えば「○○という用語は、実は日常的な□□という言葉と△△という言葉の組み合わせなのです」とするなど。また、「○○技術は、実は誰でもできる△△の応用です」など。どちらも「実は日常的なもの」という方向性で面白くしようとしています。

ただ、これらの方法を提案してもテレビ関係者が採用するかはわかりませんし、そもそも面白くないと判断する可能性もあります。そのため、やはり理解するための専門知識を不要にして、専門的な説明もなくすのが無難といえます。

テレビに露出できない!を解決する厳選チェックポイント(まとめ)

広報・PR担当者側の感覚とテレビ関係者側の感覚はズレやすいものであり、もちろん広報・PR担当者側が修正しなければなりません。そのためのチェックポイントを紹介しましたので、可能な限り具体的に・詳細に埋めて、テレビ関係者に伝えることができる状態にしましょう。

意外な落とし穴ですが、チェックポイントを埋めるだけでテレビ関係者に連絡しない(できない)まま取材当日を迎えてしまうというケースもあります。そのためできるだけ密にコミュニケーションを取って、これに限らず必要なことは最速で伝えましょう。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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