ベンチャーや中小企業アカウントがX(Twitter)を運用し自らリポストをする4つのメリット
PR戦略とは
3分で分かる「PRの基本」
2025.03.24

ベンチャーや中小企業アカウントがX(Twitter)を運用し自らリポストをする4つのメリット

➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、企業アカウントがX(Twitter)でリポストをすることのメリットなどについてお伝えしていきます。

Xを利用している広報・PR担当者の多くは「企業のリポスト投稿」を見たことがあると思いますが、やり方によっては実際に効果的です。

そこで本記事では企業アカウントがXでリポストをすることのメリット、そしてリポストに関するポイントなどに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

➡人気記事:PR会社一覧!おすすめランキングとカオスマップ

企業公式アカウントがX(Twitter)でリポストをすることのメリット4つ

それでは企業公式アカウントがXでリポストをすることの主なメリットを紹介していきます。

気軽に行えるものの「怖い」「軽い印象が出てしまう」などとためらっている広報・PR担当者も多いと思いますが、ブランディングに合いそうであれば導入してみてはいかがでしょうか。

メリット①:ほぼ間違いなくアプローチできる

Xにおける通常の投稿は流されてしまう可能性がありますが、リポストであれば「元の投稿をした人」にはほぼ間違いなく投稿を届けることができます(それさえ流されるケースもないわけではありませんが)。

メリット②:コミュニケーションの選択肢にもなる

上でお伝えした通り「元の投稿をした人」には確実にリポストを見てもらえますので、それだけで十分とも言えます。

ただ、さらに「リポストがリポストされて、それがリポストされて、それがさらにリポストされて……」という流れで、一般ユーザーとコミュニケーションを取ることができる場合もあります。

また、このリポスト周りのやり取りは他のユーザーにも見えるので、そこから「元の投稿をした人」とは別の人とコミュニケーションできる可能性もあります。

メリット③:素早くカスタマーサポートができる

上で紹介した一般的なコミュニケーションとは別に、リポストによって素早くカスタマーサポートをすることができます。例えば、商品やサービスの使い方について困っている人がいれば、リポストですぐに答えるなど。

ユーザーからすれば問い合わせることなく、すぐにアドバイスがもらえるので、企業に対する信頼感や愛着が増します。

また、「リポストなどですぐに対応してくれる企業」という理由でイメージアップできるかもしれません。リポストの内容によっては、広報・PR担当者の想像を大きく超えて対応が絶賛されるケースもあります。

メリット④:リスクマネジメントもできる

クレームなどの「ネガティブなポスト」に対してリポストで答えることによって、悪影響が広がる前に鎮静化できるかもしれません。具体的には投稿者の不満や怒りを軽減して、次のアクションを促すなど。

リポストの投稿の基本内容としては、「必要に応じて謝罪+正式なカスタマーサポートなどへの誘導」です。リポストで直接クレームを受け止めるのではなく、「オープンなX」から「クローズドなカスタマーサポート」へと導くのがポイントです。

➡人気記事:プレスリリース書き方12のコツ【テンプレート公開】

企業公式アカウントがX(Twitter)でリポストをする場合の5つのポイント

続いては企業公式アカウントがXでリポストをする場合の主なポイントを紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。オープンな場だからこそ対応を間違えると炎上につながる可能性が低くはないため注意が必要です。

ポイント①:大前提となるXの運用ルールを決める

リポストのことに限らず、大前提となるXの運用ルールを決めておくことをおすすめします。ルールを決めておかないと「そのとき投稿する人」によってブレる可能性があります。また、一人で運営すると場合でも「気分」によって対応がおかしくなってしまうかもしれません。

決めるべきことは主に以下の通りです。

  • リポストの上限頻度(低い分には違和感はあまりありません)
  • どのような投稿をリポストするか(例:クレーム対応のみ、クレーム+カスタマーサポートのみなど)
  • リポスト時の口調をはじめとするトーン&マナー
  • 投稿前の内容チェック体制(ダブルチェック、トリプルチェックなど)

これらのことを明文化して可能な限り「感覚」に依存する部分をなくしましょう。

ポイント②:「晒し上げ」にならないようにする

主にクレーム対応でのリポストでは、いわゆる「晒し上げ」にならないようにしましょう。特にクレームの内容が「理不尽方面」の場合、柔らかい対応をしないと「さあ、この人がこんな投稿をしています!」「酷いですよね!?」と、他の人に問いかけるような雰囲気になってしまいます。

その際、企業の応援をしてくれる人もいますが、それも過激なものになる恐れがあります(企業としては嬉しくない)。もちろん、「こんな晒し上げ」をして酷いというムードになる可能性もあります。

そのため理不尽方面のクレーム対応のリポストでも、「この度はお手数をおかけしております。」「○○につきましてはカスタマーサポートで対応しており~」などと丁寧な言葉を使うことをおすすめします。そして客観的に見て元の投稿者側が悪いのであれば、「大変申し訳ございません」などと謝罪はせず、淡々とカスタマーサポートを紹介するのがポイントです。

✅クレームの内容によっては無視や厳しい対応をしてもいい

もちろん理不尽すぎるクレームの場合は無視をしても構いません。クレームというよりも単なる暴言や誹謗中傷などのケースですね(あまりにも酷ければ法的対応も検討する)。

また、「わざと間違った方法で商品を使っていることが明らか」など、クレームの内容によってはもう少し厳しい対応、例えば「使用方法が明確に間違っております。」「詳しくはカスタマーサポートへ~」などでもいいでしょう。

これでも「対応が悪い」と多少批判は集まるかもしれませんが、それ以上に「毅然とした対応」とみなされて、多くの人からの印象が良くなることでしょう。

✅どのようなリポストでも批判が集まる可能性はある。バランスを考えて運用を

どのようなリポストでも批判が集まる可能性はあるので、バランスを考えて運用しましょう。また、そもそもよほどのことがない限りリポストはしないという方針にしてももちろん構いません。

ポイント③:定型文的な対応はしない

ポイント①で「ルールを決めるべき」とお伝えしましたが、それでも定型文的な対応にはしないことが大事です。あまりにもテンプレート的なリポストが続くと、「業務的にやっている」「親しめない・愛着がわかない」などと思われてしまいます。

そのため例えば同じ「カスタマーサポートの紹介」でも、相手の投稿の内容によって多少導入を変えることをおすすめします。簡単な対処方法としては、一例として「○○で困っている」という投稿に対しては、「○○についてご迷惑をおかけしております~」で始めるなど。

さらにブランディングからズレないのであれば、感嘆符や顔文字・絵文字などをたまに使うなどもおすすめです。

ポイント④:投稿内容によっては事実確認をしてから対応する

特にネガティブな投稿の場合ですが、投稿内容によっては事実確認をしてから対応することをおすすめします。それを怠って安易にリポストすると炎上する恐れがあります。

リポストの前に具体的には主に以下の対応をしましょう。

  • 投稿内容を広報・PR部署や担当部署で共有する
  • 企業側に責任や落ち度があるのか判断する
  • 悪意のある投稿か、虚偽の投稿かの判断をする

これらのことをした上でリポストをするかしないか、通常投稿でなんらかの声明を出すかどうかなどを決めます。具体的な投稿内容についてももちろん広報・PR部署や担当部署内で相談して慎重に決定しましょう。

ポイント⑤:「巻き込みリプライ」をしない

こちらは技術的なことですが、いわゆる「巻き込みリポスト」をしないようにしましょう。Xで「メンション(@ユーザー名)」の入った投稿をリポストすると、その「@ユーザー名」の人にもリポストの通知が届きます。

この巻き込みリポストを嫌う人は多いので、リポストをする前にリポスト先をチェックしましょう。そして関係のないアカウント名があれば消してからリポストをします。

ベンチャーや中小企業アカウントはXの自社運用で差別化しよう

企業公式Xアカウントでのリポストですが、きちんと戦略を練った上で行えば、小さな労力で意外なほど大きな広報・PR効果を得られるかもしれません。そのため企業としてのブランディングに合う場合は、リポストも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

ただ、リポストは気軽にできるからこそ注意が必要です。トラブルを起こさないためにも、まずはリポスト以外のことも含めた「ルール」を決めて明文化し、それをベースにXの運用をしていくことをおすすめします。

➡関連記事:東京都のおすすめPR会社も確認!


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事