広報担当者が知るべきX(Twitter)のDM対応の注意点とポイント5選
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2025.03.23

広報担当者が知るべきX(Twitter)のDM対応の注意点とポイント5選

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、X(Twitter)のDMへの企業アカウントの対応に関するポイントなどについてお伝えしていきます。

特に「いきなりDMがきて対応に困った経験がある」、「Xのアカウントを作ったのでDMの対応を知りたい」という広報・PR担当者におすすめの内容となっています。

本記事では、XのDMの概要、XのDMへの対応についてのポイント、そして対応に関するテクニックなどについてお話ししますので、ぜひ参考にしてください。

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X(Twitter)のDMとは?

X(Twitter)のDMは、特定のアカウントに対してのみクローズドなメッセージを送る機能です。Xにおける通常の投稿は基本的に「多くの人に見てもらう気軽な投稿」ですが、DMは「そのアカウントにだけ送りたいメッセージ」なので、意味合いが大きく異なります。

また、Xの通常の投稿文字数の上限は140文字ですが、DMの場合は1万字までとなっているため、実質的にはほぼ好きなだけ書けると言っていいでしょう。

特に企業アカウントに対してDMを送るユーザーは、真剣な気持ちが強い場合が多いため注意が必要です。

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XのDMへの企業アカウントの対応に関するポイント5選

それではXのDMへの企業アカウントの対応に関するポイントをいくつか紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。通常のリプライやリポストとは違った対応も必要なので注意が必要です。

ポイント①:対応のルールを明文化しておく

DMに限りませんがXでの投稿や各種対応のルールを明文化して、可能な限り「感覚」に頼ることがない環境を作っておきましょう。

DMへの対応についてですが、基本的には「その場で最低限回答しつつ、カスタマーサポートを紹介」ということになるでしょう。DMで延々やり取りを続けるとヒートアップする可能性があるためです。

また、「質問」ではなく「意見」「クレーム」などの場合も、「ご意見ありがとうございます」と答えつつ、カスタマーサポートを紹介するのがおすすめです。「ご意見はきちんと受け取りました」という態度はきちんと示すのがポイント。

ポイント②:スパム的なDMでも定型文を返す

スパム的なDMが送られてくる場合もありますが、ツールで送っているのか、人間が送っているのかは判断しにくいので、定型文を返しておくことをおすすめします(ただし意味不明な文字の羅列のなどの場合はさすがに無視でOKです)。

「お問い合わせありがとうございます。」「詳細はカスタマーサポートでお答えいたしますので~」などで十分です。

ポイント③:一言目はお礼にする

上でも少し触れていますが、どのようなDMに対しても一言目は「ご意見がありがとうございます」「ご報告ありがとうございます」など、お礼のあいさつにしておくことが大事です。

これならクレームなどのネガティブな内容であっても「こちらが怒っている感」がなくなりますし、多少なりとも相手も落ち着いてくれるかもしれません。

ポイント④:やり取りを長引かせずカスタマーサポートを紹介する|一旦預かる

すでに少し触れていますが、基本的にはやり取りを長引かせずにカスタマーサポートを紹介することが大事です。質問の内容があまり難しくなく、その場で答えられそうに見えても、いざやり取りを始めると終わらせ方が見えなくなる可能性があるため注意が必要です。

そして定型文的に「カスタマーサポートはこちら~」とするのではなく、例えば「専門的な判断が必要であるため、大変申し訳ございませんが今すぐお答えできない状況でございます」など、なぜカスタマーサポートの案内するのかの理由もきちんと添えることをおすすめします。

ポイント⑤:DMが公開される可能性もあると理解しておく

XのDMのやり取りそのものはクローズドですが、相手ユーザーがスクリーンショットを保存して、それをX上などで広く公開してしまう可能性があることを理解しておきましょう。細心の注意を払ってやり取りをしないと炎上につながる恐れがあります。

✅やり取りの「悪質な切り取り」がある場合はリポストなどで対応する

DMのやり取りの「悪質な切り取りスクリーンショット」によって企業側が悪く見えてしまう場合は、リポストなどで毅然とした対応を取ることをおすすめします。

具体的には「こちらはDMのやり取りの一部を切り取ったものです。」「正しくは○○(やり取りの要約)というやり取りが行われており~」などと訂正します。こちらもスクリーンショットを取ってそれを貼ってもいいのですが、攻撃性が強く見える可能性があるため、まずはやめておいた方がいいでしょう。

広報担当者によるXのDMへの企業アカウントへの対応テクニック3選

続いてはXのDMへの企業アカウントへの対応テクニックを3つ紹介しますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。

テクニック①:長文のDMはAIで要約してから読むと楽

XのDMの上限は1万字ですので、かなりの長文DMが届くケースもあります。その場合はまずAIを使って要約してから読むといいかもしれません。文章をChatGPTなどに貼り付けて「内容を要約してください」などと指示を出すだけでOKです。

ただ、あくまで要約して内容を頭に入れておくと全体を読みやすくなるというだけです。要約だけを読んで、返信などをするのはやめましょう。全文を読まないと、微妙なニュアンスや相手の感情を読み違える可能性があります。それにAIによる要約が絶対に的外れな出力にならないとは言い切れません。

テクニック②:どのようなDMも社内で共有・管理しておく

どのような内容のDMでも社内で共有・管理しておくことをおすすめします(社内チャットなどにコピーを貼るなど)。社内全体が難しくても最低限広報・PR部署では共有・管理しておくといいでしょう。

これによって、似たようなDMが届いた場合に、過去のやり取りを参考にしてスムーズに返信できるようになります。また、「DMの意見=真剣さが強いユーザーの貴重な声」と捉えて、別の広報・PR活動やマーケティングに活かすこともできます。

テクニック③:必要に応じてDMの情報を整理して、関係部署の責任者に伝える

上で「社内で共有・管理」の話をしましたが、特に重要な情報・意見・クレームなどについては正式に関係部署の責任者に、「このようなDMがありました」と少し硬い雰囲気で伝えることをおすすめします。DMの内容によっては要約して伝えるのもいいでしょう。

この際「しょせんXのDM程度で……」という態度になる人もいるかもしれませんが、その場合は「わざわざDMを送る人はこれから顧客になる可能性がある(もしくはすでに顧客)」など、DMに真剣に対応することの大切さを論理的に伝えることをおすすめします。

広報担当者が知るべきX(Twitter)のDM対応の注意点まとめ

Xの企業公式アカウントに対して真剣な内容のDMが届く場合もあるので、広報・PR担当者の皆さんはまず、DMを開放(受け付ける設定)しておくことが大事です。そして一つひとつのDMに対してテンプレート的な対応をせず、きちんと反応しましょう。

特に重要なのは「スクリーンショットで広く公開される可能性があると理解すること」、そして「慌てて返信せずに、内容によっては一旦預かること」です。送ったDMは基本的に削除できないので、油断せずに取り組みましょう。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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