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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレリリースの文体や書き方に関するポイントなどについてお伝えしていきます。
特に「SNSなどプライベートで書く文章とそれほど違わない意識でプレリリース作成をしていた」という広報・PR担当者は、今すぐ改めることをおすすめします。
そこで本記事では、プレリリースでおすすめの文体・書き方のポイント、プレリリースなどを作成するにあたっての心構えなどについて解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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プレリリースでおすすめの文体・書き方のポイント9つ
それではプレリリースでおすすめの文体や書き方のポイントをいくつか紹介していきます。特に重要なことに絞りましたので、ぜひこれらすべてに注意してください。
①:基本的に「ですます調」+適度に体言止め
プレリリースの文体としては基本的に「ですます調」をおすすめします。メディア関係者などの読者に柔らかい印象を与えて、「親しみやすい」と感じてもらいやすくなるためです。
逆に「だ、である調」では同じ内容でも上から目線・突き放す印象になる傾向になるためおすすめしません。大学や研究機関などになんらかの連絡を入れる場合は、「だ、である調」が良いように思えるかもしれませんが、論文を提出するわけではないので、やはり「ですます調」が無難です。
そして基本は「ですます調」ですが、たまに体言止めを使ってリズムを良くするのはOKです。例えば、やや長い文章になった場合の「○○は□月□日発売。」「○○と判明」など。また、「です~です~です」など、3回以上同じ語尾が続いてしまいそうな際に体言止めを入れて回避するテクニックもあります。
②:1文は80~120字以内。できれば60字以内
すぐに効果が出るテクニックとして、1文(。がつくまで)を80~120字以内、できれば60字以内にするというものがあります。特にこれまでこの部分への意識がなかった場合、1文を適切に区切るだけでプレリリースなどが大幅に読みやすくなるためおすすめです。
どうしても120字以内に区切りにくい場合は、①で触れた体言止めを使うと切りやすくなります。また、「情報の羅列」によって1文が長くなっているのであれば、箇条書きで並べるとスッキリします。目安として3つ以上の並列の情報があるケースでは、箇条書きも検討しましょう。
③:主語と述語を明確にする|主語を省かない、1文に主語と述語を複数入れない
プレリリースをはじめとする、「相手に情報を伝えるための文章」では基本的にあまり主語を省かないようにしましょう。表現力が重要な小説などとは異なりますから、書いている側が「しつこい」と思っても主語を省くべきではありません。
また、主語と述語はワンセットにして1文を終わらせ、1文に複数の主語・述語を入れないように心がけると読みやすくなります。
例えば「弊社は、□□効果が期待でき△△大学の教授が認めた○○成分が含まれたサプリメントを発売します」ではわかりにくいので、「弊社はサプリメントを発売します。」「このサプリメントには○○成分が含まれています。」「この成分は△△大学の教授が認めたものです。」くらいに分解するといいでしょう。
✅ただし神経質なレベルでこたわる必要はありません
ただし神経質なレベルでこだわる必要はありません。
できるだけ読みやすくするべきではありますが、「読み返してみて自分でおかしいと感じるレベル」「文章表現として間違っているレベル」でなければ、主語・述語関連については直さなくても構いません。
あまりここに時間を取られないようにしましょう。
④:結論を先に書く
プレリリースをはじめとする「対メディア関係者の文書」に関しては、結論を先に書く構成にすることをおすすめします。メディア関係者は多忙であり、あまり隅から隅まで文章を読まず、すぐに要点を知りたがる傾向にあるためです。
プレリリースにはいくつか「結論(らしきものも含む)」が出てくると思いますが、それぞれ「結論」→「説明」、「結論」→「説明」という流れで進めていきましょう。そしてバランスを見ながら「再結論」として再度結論を書きます。
⑤:誤字脱字を極力ゼロにする
プレリリースなどに絶対に誤字脱字があってはいけないわけではないものの、一つでもあると読む側の士気が下がることは確かです。また、頻繁に誤字脱字が出てくると、「真面目に作成していない」と判断されて、以降は読まれなくなってもおかしくありません。
そのためWordの構成閲覧機能、スペルと文法チェック機能などを利用して誤字脱字のチェックをすることをおすすめします。ただ、これらの機能が完全に誤字脱字を拾い切れるわけではないため、人間によるダブルチェック(本人と他の誰か)も必須です。
⑥:漢字とひらがなのバランス
プレリリースに限らず誰かに見せるための文章は「漢字:ひらがな=7:3」くらいにすると、全体のバランスが取れて読みやすくなるとされています。
ただ、これも絶対的なものではありませんし、漢字とひらがなのバランスが悪いこと自体は「ミス」ではないのでそこまで気にする必要はありません。そのため目を通してみて、「漢字が続きすぎる部分」「ひらがなが続きすぎる部分」があれば文章を入れ替えて調整する程度で構いません。
✅表記揺れは避ける
漢字とひらがなのバランスを取りたいからといって「表記揺れ」はさせないようにしましょう。
例えば、どこかの部分では「全て」と書いて、他の部分では「すべて」と書くなどです。プレリリースは基本的にそれほど長い文書ではないため、表記揺れがあると意外と気になるものです。
⑦:並列の表現に注意する
例えば、「○○効果が期待できるビタミンA、ビタミンB、ビタミンCが含まれるサプリメント」などと書いたとします。この場合、「○○効果が期待できる」のがビタミンAのみなのか、それともビタミンBにもビタミンCにも期待できるのか判断ができません。
文章を作成する側は内容を理解しているかもしれませんが、読む側としては本当に困りますし、苛立つ部分ですので気を付けてください。特に例えば「ビタミンBに○○効果が期待できるかどうか」が取材するかどうかの決め手になる場合、メディア関係者はとても困ります。
修正するとしたら、例えば「ビタミンA、ビタミンB、ビタミンCを配合。」「このうちビタミンAには○○が期待できます」など。さらには「○○効果が期待できる3種類の成分、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC」を配合など。箇条書きを駆使して誤解が出ないようにするのもいいでしょう。
⑧:専門用語の使い方に気を付ける
基本的にプレリリースなどにおいて難しい専門用語は使わないようにしましょう。やむをえず使うとしても注釈を入れるなどしてフォローします。そうでないと読む側のメディア関係者などが理解できず、それだけでメディア採用の可能性が下がるかもしれません。
ただ、専門雑誌・新聞など専門性の高いメディアに対して送るプレリリースの場合、むしろある程度専門用語を使う方が内容がわかりやすくなる可能性があります。ですが、専門用語を使っても印象が良くなるわけではないので、無理に入れないようにしてください。
いずれにしても「読者は誰か」「その読者にとって読みやすい・理解しやすいか」を重視してプレリリースを作成しましょう。
⑨:1段落3~4行までにする
1段落3~4行までにして適度に段落分けをしましょう。実際に読んでみるとわかりますが、段落分けのない・少ない文書は非常に読みにくいです。
また、逆に「1行以内での段落分け」が続くのも読みにくいので、自然な範囲で文字を足して2行にしたり、表現を工夫して1段落にまとめるなどしましょう。
「極めないまでも、こだわる」のスタンスで読みやすいプレリリースを作成しましょう
ここまでプレリリースなどの文体や書き方のポイントについて解説しましたが、意外と困るのが「どれくらいこだわるのか」という部分だと思います。
これについてはすでに少し触れていますが、「他の業務に響くほど時間と労力を費やしてチェックする必要はない」「ただし公的文書なので、可能な限りこだわる必要はある」ということになります。
一つひとつのミスや読みにくい部分は、基本的に致命的なものではありませんが、それが重なれば「やる気がない」「情報を正確に伝えようという意識がない」などと判断される恐れがあるので気を付けてください。
適切なプレリリースの文体や書き方のポイントまとめ
プレリリースなどの文体・書き方のポイントについてお伝えしました。広報・PR担当者の皆さんは今回紹介した内容などに気を配りつつ、プレリリースを作成することをおすすめします。
ただ、他の業務に支障が出るほどにチェック作業などに没頭するべきではありません。「できる範囲でこだわる」という意識で臨みましょう。人によっては文章チェックは楽しい作業なので、のめり込まないように注意してください。
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