広報PR活動でペルソナ設定する方法と3つのコツやメリット!ポイントは濃く深く
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2025.01.17

広報PR活動でペルソナ設定する方法と3つのコツやメリット!ポイントは濃く深く

記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、広報・PR活動においてペルソナ設定をすることのメリットなどについてお伝えします。

「ペルソナ設定自体よく知らない」という方から、「ペルソナ設定でつまづいている」という方にまで幅広くおすすめできる内容となっています。

本記事ではペルソナ設定の概要、ペルソナ設定のメリット、そしてペルソナ設定に関する注意点やポイントなどに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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広報・PRにおけるペルソナとは?|ターゲットとの違いは?

広報・PRにおけるペルソナとは基本的に「発信を届けたい架空の人物」のことを指します。例えば「企業公式サイトやSNSでの発信を届けたい人物」などが該当します。

また、広報・PRでは例えば「新聞に情報を売り込む」→「新聞記事として発信してもらう」という流れが発生しますが、この際も「最終的に誰に届けたいか」を最初から意識しつつ、新聞にアプローチすることが大事です。

ターゲットとの違いは?

広報・PRにおけるターゲットとは「発信を届けたい属性の人々」のことを指すので、ペルソナに比べると大まかです。例えば以下のような違いになります。

  • ターゲット:30代の既婚女性
  • ペルソナ:37歳女性、共働きで保険営業職の12年目、結婚9年目。子どもは3歳の男児が1人。趣味は~、悩みは~、関心事は~

ペルソナに関しては上の例よりもさらに詳しく設定することが多いです。

広報・PR活動でペルソナ設定をすることの3つのメリット

それでは広報・PR活動においてペルソナ設定をすることのメリットをいくつか紹介していきます。「ターゲット設定までで十分では?」と感じるかもしれませんが、ターゲット設定だけでは生まれにくいメリットもあります。

メリット①チーム内でターゲット像がブレにくくなる

ペルソナ設定をすることでチーム内でターゲット像がブレにくくなります。一例として「30代の既婚女性」だけでは幅広いため、(最初はチーム内で一律のイメージがあったとしても)社員によって徐々にブレていく恐れがあります。

ブレてしまえば広報・PR活動の内容も当然ブレる可能性がありますし、チーム内において揉める必要がない部分で揉める恐れも。

広報・PR担当者が1人しかいなくてもペルソナ設定には意味がある

広報・PR担当者が1人しかいない場合でもペルソナ設定には意味があります。なぜなら他部署社員や外部のメディア関係者などに、「ペルソナ設定をしたこの架空の人物にアプローチしたい」などと説明することで、すぐにイメージを共有できるためです。

メリット②「伝えたい情報は何か」だけでなく「求められている情報は何か」を考える習慣が付く

特に経験の浅い広報・PR担当者にありがちなのが、「自分たちが伝えたい情報」ばかり考えて、「求められている情報は何か」にまで目が向かないというミスです。

例えば広報・PR担当者側としては「商品開発の苦労をぜひ伝えたい!(開発部が頑張ってきた姿を知っているから)」と考えていても、多くの人は「商品の特徴を知りたい(開発者のことにはほぼ興味がない)」という意識かもしれません。

ですがペルソナ設定をしていれば、「このペルソナが求める情報は何か」を常に考えることになるので、独りよがりではなくなります。

メリット③効果的な広報・PR活動がしやすくなる

ペルソナ設定をすることで効果的な広報・PR活動がしやすくなります。例えば「このペルソナが求めている情報は?」「好きそうな発信方法は?」「何に心を動かされる?」などと具体的に考え抜くことができるためです。

一方、ターゲット設定しかしていない場合、例えば「30代女性といっても幅広い……」「どのような発信方法でも届く気がする……」「心が動かされるものも多そう」などとぼんやりしてしまい、結果的に広報・PR活動がしにくくなり、活動の効果も低くなる可能性が高いです。

「ペルソナと完全に合致する人物にしか刺さらない」←これは間違いです

「ペルソナ設定をすると、それと完全に合致する人物にしか広報・PR活動が刺さらなくなるのでは?」と感じるかもしれませんが、そのようなことはありません。なぜなら「そのペルソナに近い人」には刺さるからです。

例えば「ある女性社員が、別の女性社員に向けて書いた感謝の手紙」があり手紙が公開された場合、「相手女性社員に近い境遇の人物」には刺さりますし、境遇の共通点はあまりなくても「わかる……」などのジワジワした感情が湧いてくるかもしれません。理屈としてはこれに近いです。

「ある程度あいまいにペルソナ設定をした方が広く刺さりそう……」と欲張ると結果的に失敗しやすいです。広報・PRの基本は「広く浅く」ではなく、「濃く狭く」であることを覚えておきましょう。

広報・PR活動でペルソナ設定をする場合の4つの注意点

続いては広報・PR活動でペルソナ設定をするにあたっての注意点やポイントをいくつか紹介していきます。精度の高い・意味のあるペルソナ設定をするには意外と手間がかかりますので、覚悟をして臨みましょう。

注意点①都合のいいペルソナ設定をしない

初歩的なミスとして「都合のいいペルソナ設定をする」というものがあります。

例えば「20~30代女性向け化粧品の情報発信」をするとして、「20~30代で化粧品に興味がある女性の多くがInstagramをしているに違いない」などと無根拠に思い込むことなどが該当します。この思い込みには「元々Instagramに力を入れているし、Instagramを見てもらえると楽だな……」などの打算がある可能性が高いです。

真剣にペルソナ設定をするほど「都合の悪いデータ」も出てきやすいものですが、それも踏まえて設定しないと意味がありません。

注意点②正確にデータ収集をしながらペルソナ設定をする

「①」からさらに踏み込んだ話ですが、正確にデータ収集をしながらペルソナ設定をする必要があります。例えば「20~30代女性の多くがInstagramをしているとは限らない」と考えるだけでは不足しており、そこから「ではどのSNSの利用者が多いのか」と厳密にデータを集める必要があるのです。

そのためには例えば「人口動態調査のデータ」や「総務省統計局のデータ」など偏りにくく母数が多いものを利用するのがおすすめです。求めているデータがなければ、広報・PR担当者が主導してアンケート調査を行うなどの努力も欠かせません。

逆に「10名の女性社員に聞く」などのやり方では母数が少ないので基本的にNGです。とにかく楽なやり方に流れないようにしましょう。

✅「偏り」が必要になる場面も稀にある

「偏り」という表現がふさわしいかは微妙ですが、それに近いものが必要になる場面も稀にあります。

例えば「Instagram限定で情報を流す」なら、「Instagram上の口コミ」や「Instagramのユーザー層」などを細かく・狭く調べることが大事です。ここで「ちなみにX(Twitter)は……」などと調べてもほぼ意味がなく、場合によっては大きなノイズになるので気を付けましょう。

注意点③性格、悩み、ストレス源、趣味など内面も含めてペルソナ設定をする

性格、悩み、ストレス源、趣味などの内面も含めてペルソナ設定をすることが大事です。

なぜなら「発信する情報で受け取った人の心を動かす」→「目的に沿うアクションをさせる」ということが必要であるため。結局のところ心・気持ちを動かすことができなければ、人を動かすことはできません。

例えば「高品質な化粧品なのだな」と客観的な判断をさせることができても、「私の悩みを解決してくれそうだから欲しい!」「ストレスもなくなりそう!」くらいにまでは思わせないと、購入してくれない可能性が高いです。

注意点④定期的にペルソナ設定を見直して、更新していく

定期的にペルソナ設定を見直して、更新していくことも大事です。なぜなら世の中のトレンド、風潮、法律・ルールなどは徐々に変わっていくものだからです。

例えば、2020年の人のSNSの向き合い方の傾向と2030年の傾向は大きく変化しているかもしれません。食料品の値段がさらに全体的に上がって、消費傾向が変わっている可能性もあります。

特に自社が関わっている業界の変化については常に目を向けていきましょう。

広報PR活動でペルソナ設定する方法(まとめ)

ペルソナ設定をするには労力がかかりますが、広報・PR活動がしやすくなる・活動の効果が出やすくなるなど大きなメリットが得られますので、ぜひチャレンジしてみてください。

ただし一度ペルソナ設定をしたらそれで終わりではありません。世の中の流れによって設定するべきペルソナは変化するものですので、定期的に見直すことが大事です。ただ、この見直しの作業も意外と楽しめるかもしれませんので前向きに考えましょう。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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