広報担当のためのSNS運用の基本!SNS活用の心得と3つのメリット
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2025.01.16

広報担当のためのSNS運用の基本!SNS活用の心得と3つのメリット

記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、SNSの「中の人運用」のメリットなどについてお伝えしていきます。

「企業のSNSアカウントがあるものの活用できていない」という場合、中の人運用に目を向けると道が開けるかもしれません。

本記事では広報・PR担当者の方に向けて、SNSの「中の人運用」の概要、メリット、実践のポイント、そしてデメリットや注意点などに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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SNSの「中の人運用」とは?

まず、企業SNSや広報・PR用SNSなどの運用担当者のことを、一般的に「中の人」などと言います。

そして「中の人運用」とは、「中の人」のキャラクター性を目立たせるような運用方針のことです(中の人運用は本記事の造語)。

どの程度キャラクター性を出すか、どのようなキャラクターにするかはその企業、そのアカウント次第ですが、うまく行えばメリットが大きくなるかもしれません。

広報・PRにおいてSNSの中の人運用をする3つのメリット

それでは広報・PR活動の一環として、SNSの中の人運用をすることの主なメリットを紹介します。これらのメリットが得られるように逆算して運用することが大事です。

①:他との差別化ができる

多くの企業アカウントは商品・サービス、イベント関連の情報発信がメインとなっています。そのため一般人から見れば、率直にいって「どれもほぼ同じ」という認識になるので、フォロワー数なども増えにくいです。実際に「惰性」で運用している企業アカウントも少なくありません。

だからこそ中の人運用で「キャラ立ち」をするだけでも他との差別化ができ、フォロワー数増加、ファン数増加、登録・注文・購入などの増加につながる可能性があります。

②:人々が、自社や商品・サービスに触れる機会が増える

広報・PR担当者は、誰しも「知ってもらいさえすれば、きっとこの商品・サービスを買う人が増えるはずなのに」と一度は感じたことがあるはずです。

そのSNSはその「知る機会」を増やす役割を持っていますが、「中の人運用」であればより興味を持たれやすくなります。

例えば「何かわからないが面白いアカウントがある」→「企業のアカウントだったのか」→「商品の紹介をしている」→「興味が出る」といった流れです。

③:通常の方法よりもSNS運用がしやすくなる場合も

意外かもしれませんが、通常の方法よりもSNS運用がしやすくなる場合もあります。その主な理由は以下の通りです。

  • 設定したキャラクターに従うので、慣れればかえって投稿内容で悩みにくい
  • 設定したキャラクターという軸があるので、運用担当者を変更しても違和感が出にくい
  • 楽しんで投稿しやすくなるためモチベーションが上がる

3番目のモチベーションアップが意外と大きなメリットになり得ます。「楽しんでやっている」ということが人々に伝わることで、より親しみを持ってもらいやすくなるためです。

広報・P担当者がSNSの中の人運用をする上での3つのポイント

続いては広報・PR担当者がSNSの中の人運用をする上での主なポイントを紹介していきます。

個人の趣味のアカウントのように「なんとなく」運用していると企業や商品・サービスの印象が悪くなりかねないため注意が必要です。

①:まずは具体的なキャラクター設定から

まずは具体的なキャラクター設定から始めましょう。その主なポイントは以下の通りです。

  • 自社、商品・サービスのイメージに合うキャラクターにする(親しみやすい、熱血、真面目など)
  • 基本的には親しみやすさを優先(友達になりたいと思ってもらえるくらい)
  • 架空の「性格」などを文章でまとめておく

直接的に商品・サービスなどをマーケティングするわけではないため、それほど厳格にキャラクター設定をする必要はありません。

また、企業によってはあまりフランクにしたくない場合もあると思いますが、その場合は「真面目ながらも少しユーモアがある」など現実にいそうな性格を参考にすることをおすすめします。

②:どこまで「ダメな要素」を見せるかを決める

実在の人間と同じで、ある程度「ダメな要素」を見せた方が親しみを持たれやすい傾向にあります。ただ、そのダメな要素のレベルも様々なので、自社や商品・サービスの雰囲気やターゲットに合わせて調整しましょう。

例えば以下のようなレベルがあります(もちろんレベルに関する感覚は人それぞれです)。

  • 中の人のプライベートのミスを具体的に投稿(高レベル):「○○イベントに忘れ物をしました」など
  • 中の人の仕事上のミスを具体的に投稿(中レベル):「コピーの枚数を間違えました」など
  • ちょっとした愚痴(低レベル):「暑い日が続きますね」「○○(人気のドラマ)が終わってしまいましたね……」など

③:「人々への誠実さ」を常に軸にする

「人々への誠実さ」を常に意識することも大事です。

企業アカウントである以上は、フォロワーを増やしたり利益につなげたりする必要があるものの、それに偏ったり、ユーザーを少しでも騙そうとしたりすれば、すぐに見透かされるものです。

ただ、「常に誠実であろうとすること」はアカウント運用の一つの方針にもなるため、徹底すれば投稿内容などで迷いにくくなるはずです。

広報・PRにおけるSNSの中の人運用の注意点・デメリット4つ

続いては広報・PRにおけるSNSの中の人運用の注意点やデメリットについて解説していきます。やり方を間違えると最悪の場合炎上しますし、そこまでいかなくても「通常の運用の方がいい」という結果になりかねないので気を付けてください。

①:投稿ペースが不安定というだけで信頼性を失う可能性がある

「中の人」というキャラクターがいるからこそ、投稿ペースが不安定になるだけで信頼性を失う可能性があります。いきなり投稿数が激減するとマイナスイメージにつながるのは当然として、ハイペースになりすぎても「何かあったのだろうか」と不審がられかねません。

そのため例えば「毎日1~3投稿まで+ただしリプライへの返信はOK」「新商品・新サービスの発売間近は1日○回まで」などある程度投稿ペースを決めておくことをおすすめします。

②:自我を出すと一気に信頼性が落ちかねない

運用者本人(≠中の人)が自我を出すと一気に信頼性が落ちかねないので気を付けてください。

「なんとなく嫌だな」でフォローを外されるだけならまだしも、最悪の場合大炎上して企業のイメージが大幅に落ちることになります。「NGな投稿」が誰かに見つかればアカウントのフォロワー数とはほぼ無関係に燃え広がることになるので覚えておきましょう。

「自我を出すなどしない」と感じると思います。ですが特にフォロワー数が伸びたり、「面白い」と言われたりすると、徐々に増長して「アカウントがすごい」→「運用している私がすごい」という感覚になり、おかしな投稿をするようになる可能性があるので注意が必要です。

③:「自分とは別人格」という意識で完全に切り離して運営しないと危うい

「中の人運用」をするとしても、「中の人のキャラクター性」と「運用者本人の性格」が完全に違うことはまずありません。

ですがあえて「自分とは別人格」という意識で運用しないと、上で触れたように自我が暴走したり、中の人のキャラクター性がブレたりする可能性があるので注意が必要です。

理想は「たとえ運用担当者が変わっても、中の人のキャラクター性が全く変わらないこと」ですが、人格の切り離しができてないと、こうはならないはずです。

✅「創作」のつもりで投稿文を作成するのがおすすめ

人格を切り離すためにも「創作」のつもりで投稿文を作成することをおすすめします。

極端にいえば小説を書くような意識であり、例えば「株式会社○○の新商品情報」というタイトルの小説、「株式会社○○の一社員のダメなところ」というタイトルの小説を書くようなイメージ。これなら運用者本人の人格と混ざることはないはずです。

④:投稿の前に他人のチェックを入れる必要がある|「企業の文章」という自覚を持つ

例えば「一社員のダメなところのアピール」などライトな内容の投稿であっても、投稿前に必ず1人以上の他人のチェックを入れましょう。そうでないと思わぬ理由でマイナスイメージ、ブランディング崩壊につながる可能性があります。

一例として、以下のような投稿は状況によっては問題があるかもしれません。

  • 「風が強い日ですね」:どこかで台風の被害が発生している場合は不謹慎と受け取られる可能性がある
  • 「社員の男らしい姿に~」:ジェンダー的理由で問題視される可能性がある
  • 「コピーの枚数を間違えた」:資源の無駄遣いなどと言われかねない(間違えたので裏側を○○に使いました、などとフォローする)

なんでも「不謹慎」と考えると投稿ができなくなりかねませんが、「ダメなところアピール」など、どうしてもする必要のある投稿でない場合は、あえてリスクを取る意味はないかもしれません。

広報担当が必ず知るべきSNS運用の基本(まとめ)

SNSの「中の人運用」によって意外なほど大きなメリットが得られる可能性があるので、広報・PR担当者の皆さんは検討してみてはいかがでしょうか。フォロワー数が少ないアカウントでも、いわゆる「バズり」があれば一気に注目度が上がるかもしれません。

ただし炎上、イメージダウン、ブランディング崩壊などのリスクもあるので、「しょせんSNSだから」と甘く見ず、「企業が公に示す文章」という自覚をもって運用しましょう。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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