PR戦略の一環で広報が音声配信を始めるメリットと手順5ステップ
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2025.01.20

PR戦略の一環で広報が音声配信を始めるメリットと手順5ステップ

記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、音声配信を始めるまでのステップなどについてお伝えしていきます。

「テキスト以外のコンテンツも作りたいものの、動画はハードルが高い」とお考えの広報・PR担当者は、音声配信に挑戦してみてはいかがでしょうか。

本記事では、広報・PRで音声配信サービスを利用するメリット、始めるまでのステップ、ファンを増やすためのポイントなどに関して解説します。

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広報・PRで音声配信サービスを利用するメリット5つ

広報・PRで音声配信サービスを利用することには主に以下のメリットがあります。

  • 話し手の人柄が伝わる、親しみやすい
  • 動画コンテンツに比べて始めやすい(動画のような編集は不要)
  • 微妙なニュアンスや気持ちを伝えられるので誤解が生じにくい
  • まだ「音声配信」というだけでも新鮮味を感じてもらえる可能性がある時代
  • 社内で業務時間中に流して「ながら聞き」してもらうことも可能

「始めやすく、伝わりやすい・触れてもらいやすい」のが音声配信サービスの魅力といえるでしょう。

音声配信をするまでの流れ5ステップ

それでは広報・PRの一環として音声配信をするまでの流れをいくつかステップ分けして解説していきます。動画コンテンツに比べて始めやすいことは確かですが、「ただ話すだけ」ではないのでぜひ参考にしてください。

①:配信の目的とターゲット層を決める

通常の広報・PR活動と同じく、配信の目的とターゲット層を決めることが大事です。

目的としては「商品・サービスの売上を伸ばしたい」「就活者に聞かせて応募者数を増やしたい」などもあれば、「社内で流して社員同士で親しみを持ってほしい」「広報・PR部署の役割や重要性を知ってほしい」など様々です(実際には数値も用いてもっと具体的に決めるべきです)。

ターゲット層としては、まず社外か社内か。社外なら例えば「就活者」「自社のファン」「自社に多少興味がある人」などがあるでしょう。また、社内でも「全社員」「一部の部署の社員」「若年層」など、たとえ社員に聞かせるとしてもターゲットについてよく考えることが大事です。

②:配信内容を決める

配信の目的とターゲット層を決めているはずなので、それに合わせて配信内容を決めましょう。例えば以下のように考えます。

  • 採用広報:就活生や転職活動者に役立つ情報にする。ある程度真剣に聞いてくれるはずなので「濃い」内容でもいい
  • 社内報の代わりとして:社員インタビュー、広報・PR活動の紹介など。「ながら聞き」も多いのでライトな内容にする
  • 商品・サービスの紹介:ユーザーの声を紹介、商品の使い方の紹介、商品・サービスに込めた想いなど

特に3番目の商品・サービスに込めた「想い」など、気持ちを伝えるためには音声配信が役立ちます。文章だけでは伝えにくい・解釈が分かれそうな内容でも、感情をこめれば誤解が生じにくいです。

③:配信方法(配信サービス)を選ぶ

配信方法(配信サービス)ですが、まずあまりにもマイナーな配信サービスを選ぶとそれだけでリスナー数が下がる可能性が高いので気を付けてください。配信方法には主に2種類あるので、合いそうな方から具体的に個別のサービスを選定していただければと思います。

  • ポットキャスト:音声をアップロードすると、様々なポッドキャストアプリに配信されるため聞かれやすい
  • 独立配信:スマートフォンで収録可能でそのまま配信・視聴できる。ポットキャストとは異なりアプリがないと聞くことができない

また、ターゲットによっては「ながら再生」や「倍速視聴」などもできた方がいいかもしれません。必要に応じて各種サービスの機能もチェックしましょう。

④:配信者、配信スケジュールなどを決める

配信者や配信スケジュールなどを決めます。それぞれ分けて解説しましょう。

✅配信者について

基本的には「広報・PR担当者の中の誰か」になるでしょう。そして「声」「話し方」の質はどうしてもある問題なので、リスナーが最も聞いてくれそうな声の持ち主に任せることをおすすめします。

アウトソーシングでナレーターを雇ったり、音声読み上げ・音声加工アプリを使ったりする方法もありますがコストがかかりますし、「本人ではなくなる=親しみを持ちにくくなる可能性がある」のでメリット・デメリットのバランスを見て決めることが大事です。

✅配信スケジュールについて

以下のような考え方があります。極端な例を挙げましょう。

  • 毎日配信:習慣にして親しんでもらえる可能性。内容が濃すぎない方がいい。配信者側の負担が大きい
  • 2週間に1回:習慣になりにくい。濃い内容によってファンを増やすべき。時間的負担は少なくても「コンテンツを練り上げるアイデア的負担」は少なくない

他にも「誰がターゲットか」「伝えたい内容がどれくらいあるか」などを考慮して、配信スケジュールを決めましょう。特に社外の一般人に聞いてもらう場合は、曜日や時間帯を固定した方が習慣にしてもらいやすくなるためおすすめです。

⑤:収録か生配信か

配信者やスケジュールが決まったら収録か生配信をしましょう。収録と生配信それぞれの主な特徴は以下の通りです。

  • 収録:何度でもリテイクできる。聞き返しやすい。「単純情報」を伝えることに向いている。スケジューリングしやすい
  • 生配信:リテイク不可。ただしミスもリスナーに許容されやすい。臨場感がありファンが付きやすい。「気持ち」「ニュアンス」も伝えたい場合に向いている。スケジューリングしにくい

広報・PRで音声配信サービスへのファンを増やすための3つのポイント

続いては広報・PRで音声配信サービスへのファンを増やすためのポイントを3つ紹介します。ここでいう「ファンを増やす」とは、「目的の達成に直結するターゲット層のファンを増やす」という意味なので意識してください。

①:リスナーに対して反応することを常に意識する

特に生配信の場合、リスナーに対して直接反応することが大事です。例えば以下の通りです。

  • 最初に「聞こえているでしょうか」などと呼びかける
  • 機能からコメントを拾って答える
  • 収録配信でも必要に応じて「リスナーからの質問メール」などに答える

音声配信でも「聞いている人の存在」を意識して、「話したいことを話すだけ」で終わらせないようにしましょう。

②:リスナーの反応やリクエストによって次回以降の配信内容を調整する

また、リスナーの反応やリクエストによって次回以降の配信内容を調整することも大事です。ただし「1人だけの意見であり、他のリスナーは無反応」などもあり得るので、すべてのリクエストなどに安易に応じないようにしましょう。

✅リスナーを大事にすることで少数でも濃いファンができる

「そもそも多数が聞くわからない音声配信を頑張る必要はあるのだろうか」という疑問も浮かぶかもしれませんし、実際のところ有名でもない企業の音声配信を大勢が聞く可能性は低いはずです。

ただ、少数のリスナーを大事してこそ「濃いファン」が増えやすいです。そしてその濃いファンは注文、購入、登録など、こちらの「目的」に直結する行動をしてくれるかもしれません。

そのため特に「少数に高い商品を買ってもらう」というビジネスモデルの企業には、音声配信サービスが効果的である場合が少なくないのです。

③:配信時間などを告知する

毎回SNSなどで配信時間を告知しましょう。それだけでもファンとの接点が増えますし、特に生配信の場合はリスナーも多くなることでしょう。

また、収録配信の場合も「○日□時に□□音声を配信予定です」などと告知するべきです。

さらに社内配信についても、社内サイトやウェブ社内報などで告知することをおすすめします。

✅基本的に生配信の音声は後から聞けるようにする(アーカイブを残す)

基本的に生配信の音声は後から聞けるようにしましょう。その方が当然聞いてくれる人が増えます。

また、濃いファンの場合、「アーカイブが残らないから大変」→「聞き逃した!」→「なぜアーカイブを残さないのだろう……」と気持ちが反転して、一気に離れていく可能性があります。

広報担当者が音声配信を始めるメリットと手順まとめ

音声配信サービスには様々なメリットがありますし始めることも意外と難しくないので、広報・PR担当者の皆さんは活動の選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

ただ、他の広報・PR活動と同じくターゲッティングは重要ですし、特有の業務・労力も増えます。そのため「どれくらいのペースで配信するか」ということは慎重に決めましょう。「楽しそう」「良さそう」だけでハイペースにするとパンクする恐れがあるので注意が必要です。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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