➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール
この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、新聞記者にアプローチするタイミングに関するポイントなどについてお伝えしていきます。
「新聞記者は忙しそうでいつアプローチしていいかわからない」「とにかく恐れ多い」とお悩みの広報・PR担当者におすすめの内容です。
本記事では新聞記者へのアプローチの基本スタンス、そしてアプローチするタイミングについてのポイントなどに関して解説します。
➡人気記事:PR会社一覧!おすすめランキングとカオスマップ
広報・PR担当者が取るべき新聞記者へのアプローチの基本スタンスとは?
広報・PR担当者の中には「新聞記者に対してどれくらいの気安さ・硬さでアプローチしていいかわからない」「いつアプローチしていいかわからない」という方もいると思いますので、それぞれ解説していきます。
精神面については最低限の礼儀・マナーを守ればOK
新聞記者だからといって萎縮する必要はなく、一般的なビジネスマナーと礼儀を守っていればそれで問題はありません。そもそも広報・PR担当者は情報提供をしてあげる、新聞記者はそれを記者にしてあげる立場なので「対等」です。
また、なんらかの失礼やマナー違反をしたとしても誠心誠意謝罪をすればいいだけです。もちろん最初から誠意は必要ですが、「絶対に間違いはできない」などと縮こまることはありません。これも一般的なビジネスにおける人間関係と同じですね。
アプローチのタイミングにもそこまで気を遣う必要はない。ただし配慮するメリットは大きい
新聞記者へのアプローチのタイミングについてもあまり気を遣う必要はありません。なぜならメールなどを使えば基本的にいつでも連絡はできますし、相手の負担にはなりにくいからです。
ただしタイミングに関して配慮できている方が、相手に「こちらのことをよく理解している」と思われて良好な関係性を構築しやすくなる場合があります。
また、メールと違って電話や面談などは都合のつくタイミングでしかできませんし、忙しければメールなども埋もれる可能性があります。さらに「今さら連絡をもらっても記事にできない」というケースもあり得るため、タイミングに気を遣うに越したことはありません。
新聞記者へのアプローチタイミングのポイント5選
それでは広報・PR担当者が知っておくべき、新聞記者へのアプローチタイミングのポイントをいくつか紹介していきます。「1日の中でのタイミング」の話もあれば、もう少し長期スパンでのタイミングの話題もありますので、それぞれご確認ください。
ポイント①:1日の中でのタイミングについて
日本新聞協会における「降版協定」によって、新聞の紙面の最終確定時間が定められています。それぞれ以下の通りです。
- 全国紙の夕刊の最終版:13時30分
- 全国紙の朝刊の最終版:1時30分
- 専門紙などの最終版:17時30分
厳密にこの時間で確定するわけではありませんが覚えておいて損はありません。上記の最終確定時間の直後は新聞記者としてもリラックスできるタイミングですし、デスクにいる場合が多いので、狙って連絡してみるといいでしょう。
✅狙った日付の新聞に掲載されたいなら日程の余裕をもってアプローチする
ただし狙った日付の新聞に掲載されたい場合は、日程の余裕をもってアプローチしましょう。確かに「送ったプレリリースが、その日のうちに記事になる」というケースもないわけではありませんが、そこまでスムーズには進まない場合が多いです。
そのため掲載してほしい日付の少なくとも2週間前にはプレリリースを送っておくことをおすすめします。また、その新聞記者と面識がなく関係性が構築できていない場合は、1か月前くらいに送るといいでしょう。
ポイント②:大型連休(ゴールデンウイーク、お盆、年末年始など)について
特にお盆や年末年始などの大型連休は、新聞社へのプレリリース配信が少なくなります(企業も休みのため)。そのため新聞記者は、大型連休に入る前に「準備」としてプレリリースなどを使って積極的に情報収集をしたり、記事作成構想を練ったりする場合が多いです。
広報・PR担当者はそれを踏まえてアプローチすると普段よりも採用されやすくなります。ただし、いざ大型連休に入ってしまうとメディア側の対応もクローズする可能性があるので、遅くとも連休開始の3日前、できれば1~2週間前にはプレリリース配信などを済ませましょう。
✅新聞記者も土日祝日がお休みである場合が多い
新聞記者が非常に多忙な傾向にあることは確かですが、それでも土日祝日はお休みである場合が多いです。そのため例えば「狙い目に違いない」などと考えて、土日にプレリリースなどを送ることはあまりおすすめしません。
ポイント③:選挙の時期について
特に選挙の時期の新聞記者は、取材対応などで忙しくなる傾向にあります。
プレリリースなどを送ったところで反応されない可能性がありますし、新聞記者としても「ぜひ取材はしたいものの、今取材をしても記事にできないかもしれない」ということで、見送られてしまう恐れが。
なお選挙以外でも、国際的な会議、オリンピックなど大規模なイベントがある場合は同じことが起きる傾向にあるので、世の中の流れには常に目を光らせておきましょう。娯楽の多様化などもあって例えば「オリンピックのことは全く知らない」という方もいるかもしれませんが、広報・PR担当者がそれでは困ります。
ポイント④:上場企業の決算発表時期について
上場企業の決算発表時期も選挙やオリンピックなどと同じく、プレリリースに反応できない、本当はしたい取材も見送るなどのことが増えるので注意が必要です。
特に決算発表については、選挙やオリンピックとは異なり「イベント感」が薄いので、見落とさないように気を付けなくてはなりません。
ポイント⑤:自社の新商品・新サービスのリリースに関連して
ポイント④までとは毛色を変えて、自社の新商品・新サービスについて新聞に掲載してほしいものとしましょう。
実際に各種新聞を研究するとわかりますが、「自社の商品・サービスに関する記事作成をしてくれそうなコーナー・特集」はそれほど多いわけではありません。また、そういったコーナー・特集があるとしても例えば週1回決まった曜日、もしくは隔週などでしか掲載されない場合が多いです。
そのため「新商品・新サービスの情報は喉から手が出るほど欲しいに違いない」などと考えて、動き出しを遅くしないように注意してください。遅くても新商品・新サービスの発売の2週間前、できれば2~3か月前にはアプローチを始めましょう。
✅「明らかに遅すぎるタイミング」でアプローチするのは印象が悪い
新商品・新サービスのことに限りませんが、「明らかに遅すぎるタイミング」でアプローチするのは印象が悪いので気を付けてください。
これまで面識のない新聞記者が相手であれば「なぜこのような時期に……」でスルーされて終わりですが、すでに関係性がある相手の場合「なぜこのような時期に」「意外と常識がないのだろうか」と思われて、その後の付き合いに影響が出てもおかしくありません。
関係性のある新聞記者には「都合のいい時期・時間帯」を聞くのがおすすめ
「タイミング」の話をしてきましたが、関係性のある新聞記者に対しては「都合のいい時期・時間帯」について直接聞いてしまうことをおすすめします。聞いてくれた方が助かると考える記者が多いですし、「こちらの都合を聞いてくるのだから、配慮がある人なのだろう」と好意的に捉えてくれるかもしれません。
ただ、「予定は未定」なので記者もすべてを正確に答えられるわけではありませんし、予定通りに進まないケースも多々あります。そのためやはりここまで説明してきた「タイミング」のことは常に意識しながら、新聞記者にアプローチすることをおすすめします。
広報PR担当者が新聞記者にアプローチするポイントまとめ
新聞記者と広報・PR担当者は対等な関係なので過剰に気を遣う必要はありません。ですが今回紹介したようなことを意識しておくと、相手からの印象が良くなりますし、現実として記事掲載を勝ち取りやすくなる場合もあります。
そしてできれば「一度メールなどでやり取りできた段階」くらいには、相手の都合のいい時期・時間帯について質問してしまうことをおすすめします。その方が新聞記者側としてもすっきりすることが多いようです。
➡関連記事:PR業界とは?広告とPRの違いや将来性を解説