広報担当者が知るべき雑誌へのアプローチの裏ワザ3選|本気でパブリシティ掲載を狙うために
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2025.06.04

広報担当者が知るべき雑誌へのアプローチの裏ワザ3選|本気でパブリシティ掲載を狙うために

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、雑誌へのアプローチの裏ワザなどについてお伝えしていきます。

特に「本気で雑誌掲載を狙いたいものの、どうすれば掲載されやすくなるのかがわからない」とお悩みの広報・PR担当者におすすめの内容となっています。

本記事では広報・PRの観点で知っておくべき雑誌の特徴、そして雑誌掲載を狙うための裏ワザなどに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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広報・PR担当者が知るべき「雑誌」の特徴3選

それでは広報・PR担当者が把握しておくべき「雑誌」というメディアの特徴をいくつか紹介していきます。「雑誌ならでは」のものもあるので、ぜひ参考にしてください。

特徴①:雑誌社の所在地は東京ばかり。それでも地方発信ネタも取り上げられる

まず多くの雑誌社の所在地は東京です。しかし都会のネタばかり取り上げられるかいうとそうでもなく、地方発信のネタでも採用されることが少なくありません。そのため地方所在の企業だからといって諦めず、雑誌への掲載も狙ってみることをおすすめします。

また、そもそも地方ネタを扱うことを前提として刊行し続けている雑誌も少なくありません。

特徴②:「雑誌で見た情報」に読者が触れることができることを重視する

特に雑誌というメディアは「雑誌で見た情報」に読者が触れることができることを重視します。例えばグルメ系の情報を見たら、実際に紹介された店に足を運ぶことが可能であること、紹介された品物を取り寄せて食べることができることなどですね。

また、グルメなどとは違う「こういう情報があります」などの「形がない事柄」については、「SNSやウェブサイトなどでさらに調べて、追加の情報を得ることが可能であること」を重んじる傾向にあります。

これがテレビなら例えば、地方在住の人が「都会は派手だなあ」と感じたり、逆に都会住まいの方が地方の穏やかな風景を観て癒されたりする構図も見せ方によっては成り立ちますが、雑誌ではあまり見ない流れです。

特徴③:「雑誌で見る」→「公式サイトやSNS」の流れを他メディアよりも大切にしている

上でも少し触れましたが「雑誌で見て興味を持った人」の大半は、インターネットや企業の公式SNSなどでさらに情報を得ようとします。また、「本当に正しい情報なのか」「最新の情報なのか」も確かめようとするものです。

そのため雑誌にプレスリリースを送る場合は、他のメディアでの露出を狙うケースと比べても、さらに公式ウェブサイトやSNSを充実させていなければなりません。

少なくとも雑誌と同レベルの情報・情報量は必要ですし、可能であれば「雑誌を読んだ人をさらに刺激する情報」や「雑誌を読んだ人にとってさらに学びになる情報」と追加で掲載しておきたいところです。

✅雑誌で発信される情報の「情報滞在時間」は長い

特に「紙」の雑誌は読者の手元に残る時間が長い傾向にあります。一通り読んだら、もしくは軽く目を通したらすぐに別のページにアクセスするインターネットメディアや、翌日には次のものが届く新聞などとは異なります。

そして、この「情報滞在時間」が長いことも、読者が企業公式ウェブサイトやSNSなどからさらに情報を得ようとしたり、情報の正確性を確かめようとしたりする理由の一つであるとされています。

そのため、雑誌以外でも「受け手のもとに情報が長く留まりそう」と感じるメディアにアプローチする場合は、公式ウェブサイトやSNSを充実させておくことをおすすめします。もちろん単に大量の情報を載せるだけは見にくくなるだけなので、必要な情報をきちんと整理してください。

広報・PRで雑誌にアプローチする場合の裏ワザ3選

続いては広報・PRにおいて雑誌にアプローチする場合の裏ワザをいくつか紹介していきます。単にプレスリリースを送るだけでなく、これらの工夫をしておくと採用されやすくなるのでぜひ参考にしてください。

裏ワザ①:特に食べ物、ファッション、エステ系は「公式サイトのブログ」を充実させる

情報誌の制作会社の多くは、企業や店舗の公式ブログからも特集や取材のネタを探していると言われています。

特に食べ物(食べ物の中でもスイーツ)、ファッション、エステ系はその傾向が強いとされていますので、プレスリリース送付やSNS投稿などだけでなく、公式ブログにも力を入れることをおすすめします。

では広報・PR目的でのブログのポイントをいくつか紹介します。

✅ポイント①:写真を多めに。雰囲気も伝わるように

特に食べ物やファッションなどは写真を多めにして、それだけでもどのようなものかわかるようにしましょう。また、エステ系にも当てはまりますが、店内の写真も掲載して全体の雰囲気も伝えることが大事です。

明るい雰囲気のお店が多いと思いますが、中にはリッチ、シック、スタイリッシュなどのムードのお店もあるはずですので、「とにかく明るく」と固執せずに写真を用意しましょう。

写真は非常に大事な要素なので、改めて研究をしたり、(予算があれば)プロのカメラマンに任せたりしてもいいくらいです。

✅ポイント②:文章は簡潔に。こちらも雰囲気が伝わるように

テキストは簡潔にしましょう。公式ブログにアクセスした雑誌関係者はまだ真剣に読むかもしれませんが、一般の方は「ほとんど読まない」くらいに考えておくべきといっても過言ではありません。

そのため「写真1枚につき簡単なコメントを1個」+「全体のメッセージを数行」くらいでもいいくらいです。なおテキスト(コメント)ですが、「サクサク」「しっとり」「ジュワっと」など適度に擬音を入れるとイメージしやすくなるのでおすすめです。

また、普通のプレスリリースなら2~3行ほどの改行ペースにするべきですが、公式ブログの場合は1行に1回でもいいくらいです。いずれにしても「全体の読みやすさ」も重視してバランスを取ってください。

✅ポイント③:「スマートフォンで見やすいこと」を優先する

近年ではスマートフォン・パソコンのどちらからでも閲覧しやすいサイトデザインにすることも難しくなくなりましたが、それでも両方で見やすいかどうかをきちんとチェックしてください。同じ内容でもデザイン・レイアウトが見にくければ、そのままブラウザバックされてしまいます。

また、なんらかの理由でどうしてもスマートフォンとパソコンのどちらかしか「レイアウトの最適化」ができない場合はスマートフォンを優先することをおすすめします。スマートフォンでサイト閲覧をする人が多いですし、雑誌関係者の中にも「まずはスマートフォンで確認」をする人が少なくないためです。

裏ワザ②:読者プレゼントコーナーを狙う

多くの雑誌には「読者プレゼントコーナー」があります。そして一般企業のプレスリリースでも、「採用していただいた場合には、プレゼントとして○名様に□□を提供します」と、プレゼント提供の提案を添えることができます。

これで雑誌の企画とプレスリリースのネタのタイミングの相性が良ければ、特集記事とプレゼントコーナーの両方に掲載されます。また、プレスリリースネタが「惜しい」くらいのレベルでも、プレゼント提供によって「底上げ」されて掲載に至るケースもあります。

また、まずはプレゼントコーナーへの採用から始まり、数号経過してから特集記事などに掲載してもらう場合もあります。

✅通常のプレスリリースネタそのものに価値があることが大前提

ただし通常のプレスリリースネタに価値があることが大前提ですので、「プレゼントの押し付け」にならないようにしてください。そもそも読者プレゼントコーナーへの掲載を狙う企業は多く、競争しなければならないことに変わりはありません。

裏ワザ③:プレスリリースに招待券や商品を同封・同梱する手もある

プレスリリースに招待券や商品を同封・同梱することで、雑誌関係者自ら、もしくは「雑誌関係者の知り合いのメディア関係者」が足を運んだり、連絡をくれたりするケースがあります(プレスリリースの郵送を受け付けている雑誌社は少なくない)。また、実際に商品を試してもらうことができれば、通常のプレスリリースよりも情報が鮮明になります。

これについてもプレスリリースネタそのものが面白いことが大前提ではありますが、特にどうしても雑誌に掲載されたいのであれば試してみてはいかがでしょうか。

✅高価な商品は避ける

受け取る側が困るので高価な商品を送るのは避けてください。例えばコスメグッズなら最も小さなものや試供品に留めるなど。また、招待券についても「来てくれないとそのまま損失になるタイプ」ではなく、相手が来ても来なくても損失にはならないタイプのものにしておくことが大事です。

本気でパブリシティ掲載を狙うコツまとめ

雑誌というメディアの特徴として、情報の滞在時間が長く、だからこそ公式サイトやSNSなどがチェックされやすいということがあります。そのため特に雑誌にプレスリリースを送るなどアプローチする場合は、公式サイトやSNSを整えておくことが大事です。

さらに公式ブログを充実させる、読者プレゼントコーナーを活用する、招待券や商品を送る、などの裏ワザもあります。よって広報・PR担当者の皆さんは視野を広げて、どうすれば掲載されるのか考えることが重要といえます。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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