価格変更のプレリリースに含めるべき5つの要素とメディアに採用されるコツ
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2025.02.12

価格変更のプレリリースに含めるべき5つの要素とメディアに採用されるコツ

➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、価格変更のプレリリースに含めるべき5つの要素などについてお伝えします。

特に「商品・サービスの価格が変わるもののネガティブな話ばかりではないので、対外的なアピールがしたい」という広報・PR担当者におすすめの内容となっています。

本記事では、価格変更に関するプレリリースを作成・発信するメリット、プレリリースに入れるべき要素、メディア採用されやすいプレリリースを書くためのポイントなどに関して解説しますのでぜひ参考にしてください。

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広報・PRの一環として価格変更に関するプレリリースを作成・発信するメリット3つ

まずは広報・PR活動の一つとして、価格変更についてのプレリリースを作成・発信することの主なメリットを紹介します。

メリット①:「値上げしたことを隠す意思はない」と示すことができる

あえてプレリリースを作成・発信し、それがメディア掲載につながれば「値上げしたことを隠す意思はありません」と示すことができます。

SNSや公式サイトなどで値上げについて告知した場合でも、例えば「ステルス値上げだ!」などと拡散される可能性があるので、こういった広報・PR施策でフォローすることも選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

メリット②:商品・サービスがグレードアップするならそれをアピールできる

詳しくは後述しますが、値上げに伴って商品・サービスがグレードアップする場合はプレリリースからそれをアピールすることには大きな意味があります。

メリット③:その他、企業の取り組みや理念などに注目してもらえる可能性がある

こちらも詳しくは後述しますが、「値上げした(する)」という事実をきっかけに、値上げとは直接関係がない企業の取り組みや理念などに注目してもらえる可能性があります。

価格変更のプレリリースに入れるべき5つの要素|広報・PR

それでは価格変更に関するプレリリースに入れるべき要素をいくつか紹介していきます。単に価格を紹介するだけでなく、他にも色々と含めるべきことがあります。

①:価格変更日

重要なことなのでプレリリースの冒頭で伝えましょう。すでに世間に流通している商品、利用されているサービスの値段がいつ上がるか知らせることは欠かせません。

例えば「株式会社○○は○月○日(○)より一部商品の価格変更を実施します」など。

②:価格変更する商品やサービス名

価格変更する商品やサービス名を全部載せます。どれか特定の商品・サービスの価格変更をする場合はそれだけ書けばいいですが、複数の場合はわかりやすくリストアップするなどの工夫をしましょう。

対象の商品・サービスが多すぎるのであればプレリリースでは主な商品・サービスの価格変更のみを書き、その後に全リストを書いたページにアクセスできるURLを載せるなどするのもいいでしょう。

また、企業として扱っている全商品・全サービスを一律値上げする場合も、品目はそれぞれ個別にリストアップしたいところです。例えば「特定商品の知名度のみ高い」というケースでは、その商品も含めて「全商品を~」などと書いてしまうと、フックがなくなりもったいないためです。

③:変更前と変更後の価格・価格改定率

プレリリースには変更前と変更後の価格を両方書きます。また価格改定率(○%アップなど)も載せる方が親切です。また、元の価格が高い場合、価格改定率を書いた方が「大幅な値上げ感」を抑えることができます(例:数万円値上げしても、率で言えば数%など)。

✅細かな表記について

基本的に税込み価格のみを書きます。税抜き価格も一緒に載せるとかえってわかりにくくなるのでやめましょう。プレリリースの最初の方に「本プレリリースはすべて税込み表記です」などと書いておくと親切です。

飲食店の場合はイートイン・テイクアウトのどちらの価格も書きます。その他、シチュエーションによって変わる価格があれば両方書いておくのがセオリーです。

④:価格変更の理由や背景

価格変更の理由や背景まで伝えないと「ただ値上げをしただけ」と思われて、イメージが悪くなる可能性が高いです。そのため例えば、以下のような多くの人が納得できるような理由・背景を挙げることをおすすめします。

  • 世界情勢の影響(できるだけ具体的に)
  • 円安によるエネルギー費や原材料費の高騰
  • 対象商品やサービスのグレードアップのため

あまり専門的な理由を挙げても納得を得にくいので気を付けてください(ただし専門雑誌や専門新聞に対してプレリリースを送る場合は専門的な内容の方がかえって受け入れられるかもしれません)。

✅「グレードアップのための自然な値上げ」と思ってもらえるのが理想

「グレードアップのための自然な値上げ」と思ってもらうのが理想です。そのためにも価格を上げる理由や、「価格を上げることで商品やサービスがどのように変わるか(良くなるか)」を必ず書きましょう。

ただ、実際には「グレードアップはほぼできるただ値上げをするだけ」というケースも多いはず。その場合は、「商品やサービスの維持のためにどうしても必要な値上げ」という理解が得られるようにしましょう。そのためには妙な言い訳をしたり取り繕ったりしないことが大事です。

⑤:価格変更に関する問い合わせ先

プレリリースを読んだメディア関係者がアプローチしてくる可能性があるので、価格変更に関する問い合わせ先も書きましょう(電話番号とメールアドレス)。

なお必要に応じて「一般消費者用の問い合わせ先」と「メディア関係者用の問い合わせ先」を分けて準備してください。

メディア採用されやすい価格変更に関するプレリリースを作る4つのポイント

続いてはメディア採用されやすい、価格変更に関するプレリリースを作るためのポイントを4つ紹介します。「価格変更」という企業によってはネガティブになりやすい要素だからこそ、プレリリースを作るなら気を付けなければなりません。

ポイント①:価格変更の理由や背景は客観的な内容にする

先ほどもお伝えした通り、エネルギー費や原材料費の高騰、各種世界状況の影響など、「誰にとっても納得できる理由・背景」であれば問題はありません。

一方、例えば「だから弊社はこれほど大変な状況にあるのです!」と伝えるような内容にするのはNG。率直に言って他の人からすれば「知ったことではない」ので納得が得られません。

また、実際によく見かけることですが、「内容量もアップしたのでお得です(実際に内容量もアップしているものの1グラムあたりの価格は上がっている)」などの、「言い訳」のようなことを書くのも好ましくありません。一般消費者にもすぐにバレます。

そして「誰にとっても納得できる理由・背景を、詳細かつわかりやすく」という意識で書くと、長文にはならないはずです。文章が長くなってきたら「どこかに無駄がある・言い訳になり始めている」と疑いましょう。

ポイント②:【小技】可能なら「○年ぶりの価格変更」「値上げ後も1000円台」などの表現を使う

小さなテクニックですが、可能であれば「○年ぶりの価格変更」「値上げ後も1000円台」などの表現を使うことで企業努力が伝わりやすくなります。ポイントは「○年間価格変更をせずに努力してきました」「値上げ後も1000円台に保つために苦心して~」などの押し付けがましい表現を使わないことです。

ポイント③:商品やサービスがどのように変化するのか書く

値上げに伴って商品やサービスの内容が変化する場合はそれも詳しく書きましょう。

グレードアップする場合は、そのために行ってきた研究や工夫なども載せることをおすすめします。本当に「グレードアップのための研究・工夫」なのであれば押し付けがましくならず、むしろイメージが良くなりやすいです。

✅変化しない、マイナス方向に変化する場合も正直に書く

商品やサービスの内容が変化しない、もしくはマイナス方向に変化する場合もプレリリースにはそのことを正直に書きましょう。

ただ、そもそもそういったケースではプレリリースまで作成せず、既存のお客様や取引先への告知などに留める方がいいかもしれません。

ポイント④:企業の代表や商品・サービス担当者のコメントを載せる

同じような説明であっても、企業の代表や商品・サービス担当者のコメントという形で載せる方がメディア関係者からの反応が良くなりやすいです(記事にする際の参考になる)。また、他にも主に以下のメリットがあります。

  • 「企業としての一貫性がある・連携が取れている」と思ってもらいやすい
  • 取引相手や投資家などからの印象も良くなる
  • 社員がなんらかのルートでコメントを読めば、経営方針や理念の周知につながる
  • 値上げとは直接関係のない部分(経営戦略など)でも企業が注目してもらえる可能性が上がる

企業が価格変更する際の広報活動の注意点やコツまとめ

商品・サービスの価格変更は企業にとってマイナス要素になりやすいですが、広報・PRのやり方によってはプラスの印象を与えることもできるので、広報・PR担当者の腕の見せ所といえます。

特に価格変更をするにあたって商品・サービスがグレードアップする場合は、プレリリースの作成・発信もして、メディア関係者や世間に対して広くアピールしていくことをおすすめします。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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