商品・サービスの値上げや価格変更時に広報・PR担当者がするべきことや注意点4選
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2025.02.11

商品・サービスの値上げや価格変更時に広報・PR担当者がするべきことや注意点4選

➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、自社の商品・サービスの価格変更時にするべきことをなどについてお伝えしていきます。

特に「単に価格変更について告知するだけでいい」とお考えの広報・PR担当者は少し危険なので、ぜひ最後までご覧ください。

本記事では価格変更時にするべきことや、価格変更に関するプレリリースを作成・発信するにあたってのポイントなどに関して解説します。

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商品やサービスの価格変更時に広報・PR担当者がするべき4つのこと

それでは商品・サービスの価格変更時に広報・PR担当者がするべき主なことを紹介します。他部署社員と相談・確認しながら行うことも多いので、早めに動き出しましょう。

①:取引相手や関係各所への個別連絡

取引相手や関係各所への個別連絡をしましょう。価格変更によって大きな影響を与える可能性があるため、早めに誠実な態度で連絡することが大事です。

連絡方法は基本的にメール。以下のテンプレートで作成することをおすすめします。

  • 要件(値上げすること)がわかるメールタイトル
  • 相手の宛名
  • あいさつ(悪事ではないので謝罪は不要)
  • どの商品やサービスを何円から何円に値上げするか
  • いつ値上げするか(正確な日時)
  • 価格変更の理由や目的
  • 日頃の感謝の言葉

✅「値上げしたことを店舗や記事などで初めて知る」という状況にしないようにする

「取引相手や関係各所が、値上げしたことを店舗や記事などで初めて知る」という状況になるのは最悪であり、場合によってはそれが関係性の悪化に直結してもおかしくありません。他にも業務があるかもしれませんが、とにかく急いで個別連絡をしてください。状況によっては「詳細は後日メールにて説明させていただきます」などでも構いません。

✅重要な顧客に対してもメールなどで伝える

個人のお得意様に対しても、必要に応じてメールなどで上と同じような内容を伝えることをおすすめします。特に「少人数に対して高額商品を売る企業」の場合、購入歴のある全ユーザーに連絡してもいいかもしれません。

また、顧客の人数や企業・商品・サービスの雰囲気によっては、メールマガジンなどでライトに伝える選択肢もあります。

ただしメール(マガジン)を勝手に送りつけることは基本的にNGなので(法的に許される場合もありますがそれでも印象は悪いです)、なんらかの注文時・登録時などに、「メールマガジン送信への同意」を得ておくようにしましょう。

②:SNSや公式サイトで早めに告知する|特にSNSが重要

価格変更が正式決定したら早めにSNSや公式サイトで告知しましょう。特にSNSの活用が重要です。その理由は主に以下の通り。

  • 一般消費者の反応を直接確認でき、それを広報・PRやマーケティングなどの参考にしやすい
  • 公式サイトを見ない人でもSNS投稿なら見る可能性がある(勝手に目に入ることも)
  • ネガティブな投稿に対して直接個別対応することも可能(ただし慎重に)

ネガティブな投稿に対して例えば「貴重なご意見誠にありがとうございます。」「○○(理由)により価格改定が避けられない状況でございますが、サービスの品質を維持することに注力しますので今後とも~」などと対応することで印象が良くなるかもしれません。

✅値上げが正式決定してから告知する

SNSを使う場合に限りませんが、値上げが正式決定してから告知することを厳守してください。「値上げの告知をする」→「まとめ購入などが発生する」→「実際には値上げしない」などのことが発生すると印象が非常に悪くなるためです。

③:必要に応じて価格変更に関するプレリリースを作成・発信する

広報・PR担当者は、必要に応じて価格変更に関するプレリリースを作成・発信しましょう(詳しくは後述します)。

特に「値上げに伴い商品・サービスがグレードアップする」「値上げはするものの○年以上同じ価格を維持してきた」などプラスの要素もある場合は、プレリリースによってアピールすることには大きな意味があります。

④:早めに告知を始めて、値上げ後もしばらく告知し続ける

先ほどもお伝えした通り早めに告知を始めつつ、それを継続して、実際に値上げした後もしばらく告知をし続けましょう。そうでないと後から知った人に「ステルス値上げ」という印象を与えてしまう可能性があるからです(そういった人はゼロにはなりませんが減らすことは重要)。

また、早めに値上げ告知をして、し続けることにより、人々は「価格が変わる前のまとめ購入」「他商品との比較検討」などがしやすくなるため印象が良くなります。

具体的な告知・継続告知のコツは以下の通りです。

  • 最初の告知は大々的に行う
  • 3か月前の告知、1か月前の告知、1週間前の告知など節目の告知も比較的目立つように行う
  • それ以外の時期はSNSや公式サイトなどで控えめに告知をする

連日大きく告知し続けると「しつこい」「何か後ろめたいことがあるのだろうか」などと思われてしまう可能性があるためバランスを見ながら進めていきましょう。

価格変更についてのプレリリースの作成・発信のポイント8選|広報・PR

それでは価格変更についてのプレリリースの作成・発信のポイントをいくつか紹介していきますので、広報・PR担当者の皆さんはぜひ参考にしてください。

  • 実際に価格が変わる日を正確に書く
  • 対象商品・サービスをすべて正確に書く(多い場合はまとめたページのURLを書くなど工夫する)
  • 改定前・改定後の価格を両方書く
  • 改定率も書く(計算する必要がなくなるのでメディア関係者が助かる)
  • 税込み価格を書く
  • 飲食店ならイートイン・テイクアウト両方の価格を書くなど、「条件で価格が変わる」なら全部書く
  • 価格変更の理由、目的、背景(誰もが納得できる客観的なものを)
  • 「商品やサービスのグレードアップ」「○年同じ価格を維持してきた」などのアピールポイントがあれば書く

価格変更の理由・目的・背景を載せることは非常に重要であるため、下で個別に解説します。

価格変更の理由・目的・背景に関するポイント

価格変更の理由・目的・背景についてのポイントは以下の通りです。

  • 客観的に見て誰しも納得できる理由を書く(各種世界情勢、円安、原材料の高騰など)
  • 「だから弊社はこんなに苦労しているんです」などの内容のことは書かない
  • できるだけ短くまとめる(客観的な理由を簡潔に書けば長くならないはず)

あえて乱暴な言い方をしますが、例えば「弊社はこんなに努力した上で価格変更に至ったのです」などとアピールされても、読み手からすれば知ったことではありません。そのため淡々と「客観的な理由」だけを述べるようにしましょう。

商品・サービスの値上げや価格変更時に広報担当者がすべきことまとめ

自社の商品・サービスの価格変更がある場合、広報・PR担当者としては最低限その告知をする必要があります。最も避けるべきなのは「取引相手などが変更後にそれを知ること」なので絶対に回避してください。

そして特にグレードアップなどのポジティブな理由で価格変更をするケースでは、プレリリースを作成・発信して、そのことをアピールしてみてはいかがでしょうか。価格変更そのものは企業の印象を悪くすることかもしれませんが、効果的にフォローできるかもしれません。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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