広報やPR活動で炎上を防ぎインフルエンサーを起用する3つのメリット
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2024.12.14

広報やPR活動で炎上を防ぎインフルエンサーを起用する3つのメリット

この記事では、インフルエンサーを起用した広報・PR活動のメリットなどについてお伝えしていきます。

「広報・PR活動に行き詰まりを感じている」「何か新しい施策にチャレンジしたい」という広報・PR担当者はインフルエンサーの起用を選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。

本記事では、インフルエンサーの定義、そして広報・PR活動でインフルエンサーを起用するメリットや注意点などに関して解説します。

➡記事を書いた人:【MBA保有の現役記者】上岡正明のプロフィール

広報・PR分野におけるインフルエンサーとは?

インフルエンサーとは「世間の人の、考え方や行動に大きな影響を与える人」のことです。

有名人や特定分野の専門家などもインフルエンサーの一例ですが、特に広報・PR分野では「SNSやYouTubeチャンネルのフォロワー数や登録者数が多い人」ということになります。

フォロワー数や登録者数が1万人以下のインフルエンサーも広報・PRで起用する選択肢がある

インフルエンサーと聞くと「登録者数100万人以上」「誰もが知っている」などの連想をするかもしれません。

ですが、フォロワー数や登録者数が1万人以下のインフルエンサー(ナノインフルエンサーなどといいます)も広報・PR活動のために起用される場合があります。

確かにナノインフルエンサーが「影響を与えられる人」は少ないです。しかし少ない分「フォロワーとのつながり」が濃い傾向にあり、そのフォロワーに望んだアクション(拡散、会員登録、購入など)を取らせやすいケースが少なくありません。

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広報・PR活動にインフルエンサーを起用するメリット3つ

それでは広報・PR活動にインフルエンサーを起用することによる主なメリットを紹介していきます。言ってみれば「認知度の高い外部の人を使う」のですが、そこにどのような利点があるのか確認してみましょう。

①:ユーザー層を広げやすい

広報・PR活動にインフルエンサーを起用することで、「元々の自社のファン」や「これから自社のファンになりそうな人」だけでなく、「そのインフルエンサーのファン」にまでユーザー層を広げやすくなります。

②:ブランドイメージの構築・強化

「自社のブランドイメージ」と似ている世界観を持つインフルエンサーを起用することで、ブランドイメージをさらに強化できます。

また、特にベンチャーなどで「まだブランドイメージというほどのものがない」場合は、これから構築したいブランドイメージに合ったインフルエンサーに依頼するという手段があります。

例えば「普通のチョコレート」でもキラキラしたイメージの芸能人が宣伝すればその通りのイメージになるでしょう。一方、ダンディーな雰囲気の芸能人が食べているCMを放送すれば「意外と硬派な商品なのかもしれない」と思ってもらえる可能性があるなど。

③:インフルエンサー側からアドバイスをもらえる(ようにできる)

広報・PR活動にインフルエンサーを起用しつつ、そのインフルエンサーから商品・サービスに関するアドバイスをもらえる場合があります(もしくは最初からもらえるように頼む)。

特に「フォロワーが多く影響力が強い」「特定分野のプロ」などのインフルエンサーであればノウハウも確かでしょうから、非常に役立つアドバイスをもらえるかもしれません。

さらにインフルエンサーからのアドバイスだけでなく、例えば「インフルエンサーの紹介投稿に対しての一般フォロワーのコメント」が自社にとって参考になる場合もあります。

広報・PR活動にインフルエンサーを起用するにあたっての注意点4つ

続いては広報・PR活動にインフルエンサーを起用する場合の注意点をいくつか紹介していきます。「外部の人」だからこそ気を付けなくてはならない点もあります。

①:インフルエンサーは厳選する

例えば「人数が多いインフルエンサーなら効果が高い」「若者に人気なインフルエンサーを選ぼう」など、浅い考えで選ぶと失敗する可能性が高いです。そこでインフルエンサーを選ぶ際の主なポイントを紹介します。

✅ポイント①:ブランドイメージ

先ほどもお伝えした通り、基本的に自社に合うブランドイメージのインフルエンサーを選ぶのがセオリーです。

ただ、落とし穴として「表面的なイメージと、深い部分でのイメージが違う」という可能性があるので気を付けてください。例えば「SNSでは明るい投稿が多く陽気なキャラ」「けれど自身のYouTube配信ではシリアスに政治問題を語っている」など。

「その人のブランドイメージのどの部分を利用させてもらうか」にもよりますが、表面的なところだけでなく全体をチェックすることが大事です。

✅ポイント②:商品・サービスなどのジャンル|必須ではない

「そのインフルエンサーの得意としているジャンル」や「そのインフルエンサーの名前を聞いてファンが思い浮かべるジャンル」などと、商品・サービスなどのジャンルが合っていると、やはり広報・PR効果が高くなりやすいです。

ただ、①のブランドイメージさえ合っていればこちらは実は必須ではありません。例えばお酒のCMに出ている芸能人がお酒に詳しいかというと、そうではないはずですよね。

これについては「ブランドイメージの強化を狙うのか」「商品・サービスの情報を濃いファンに届けたいのか」「そのインフルエンサーから直接的にアドバイスが欲しいのか」など、自社が求めているものに合わせて考えてみましょう。

✅ポイント③:過去に不祥事がないか

過去に不祥事がある場合、それを多くの人が忘れていてもインフルエンサーとして起用することで「そういえばこの人、こんな問題を起こしていたよね……」と思い出されてしまう可能性が(SNSなどで情報が再拡散される恐れも)。するとブランドイメージに響くかもしれません。

もちろんそれを踏まえてそのインフルエンサーを起用する選択肢もありますが、とにかく慎重に調査することをおすすめします。

✅ポイント④:競合問題をチェック

また、人気インフルエンサーなどで複数の企業・団体などと契約している場合、いわゆる「競合問題」によって起用が難しくなるケースがあるため、きちんとチェックしましょう。

意外と「インフルエンサー側から言い出さない」→「契約を結ぶ直前に発覚する」などで時間の無駄になる場合が少なくないので気を付けてください。

さらに競合問題があっても契約できることもありますが、他企業や一般ユーザーから「あれ、あの企業の宣伝をしていなかったっけ……?」と思われてイメージが悪くなる可能性があるため注意が必要です。

②:基本的に長期起用する前提でインフルエンサーを選ぶ

インフルエンサーと長期的な関係を構築することが大事です。付き合いが長くなるほど、そのインフルエンサーに商品・サービス、そして企業自体への愛着を持ってもらうことができ、フォロワーなどの心を動かしやすくなるためです。

また、短期間でインフルエンサーを変えているとその都度選ぶ手間や、選んでから説明する労力がかかってしまうので、コスト的な意味でもあまり頻繁に変えないことをおすすめします。

少なくとも「そのインフルエンサーが問題を起こした」「目標数値に大きく届かないなど明確に失敗した」などの場合以外は、同じインフルエンサーを使い続けるべきでしょう。

③:インフルエンサーの世界観などを優先する

インフルエンサーの世界観を軽視して細かく指示をしたり、あれをしないでくださいとNGを出したりするのはおすすめしません。その主な理由は以下の通りです。

  • インフルエンサーの発信内容などが濁って、フォロワーやファンが嫌な思いをする可能性がある
  • そのインフルエンサーに嫌われて広報・PR活動などが進行しなくなる場合も
  • ・のインフルエンサーに悪い評判を広げられてしまう可能性も

一番下については契約などによって制御できますしインフルエンサー側の問題ともいえますが、他の2つに関しては、ほぼ企業側の責任です。また、そもそもインフルエンサー側からすれば「じゃあもっと相性の良いインフルエンサーを選んでください」としかなりません。

特にある程度規模の大きい企業の場合、「一緒に仕事をしたいインフルエンサー」もたくさんいるかもしれませんが、だからといって「使ってあげる」などの傲慢なマインドにならないようにしましょう。

広報やPR活動でインフルエンサーを起用するメリット(まとめ)

インフルエンサー起用によってあなたの会社の広報・PR活動に新しい風が吹くかもしれません。戦略によってはフォロワー数1万人以下のインフルエンサーを起用しても大きな効果が得られる可能性があるので検討してみてはいかがでしょうか。

ただし、あくまで「外部の人」なので特有の難しさや注意点もあります。そのため、インフルエンサーに敬意を払いつつ、「長期的に仕事をしたい人」を選ぶことがまずは重要といえます。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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