広報活動で自社サービスの認知度を上げる5つのメリットと方法コツ4選
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2024.12.17

広報活動で自社サービスの認知度を上げる5つのメリットと方法コツ4選

この記事では、広報・PR活動で認知度を上げることのメリットやそのための方法などについてお伝えしていきます。

「認知度とはそもそも何?」「認知度を高める方法を知りたい」という方に特におすすめの内容となっています。

本記事では広報・PR分野における「知名度」と「認知度」の違い、認知度をアップさせることのメリット、そして認知度を上げるための方法やポイントなどに関して解説しますのでぜひ参考にしてください。

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広報・PR分野における「知名度」と「認知度」の意味の違いとは?

「知名度」も「認知度」もよく使われる言葉ですが、特に広報・PR分野では以下のように使い分けられる場合が多いです。ここでは「商品」の知名度と認知度を例に取ります。

  • 知名度:どのくらい「商品の名前だけ知られている」か
  • 認知度:どのくらい「商品の内容まで知られている」か

特に問題になるのが「知名度(名前)は高くても、認知度(内容)は低い」という状態であり、そのままでは広報・PR活動の総合的な目的である「売上アップ」が果たしにくいかもしれません。

広報・PR活動で上げたい2種類の認知度とそれぞれの特徴

続いて広報・PR活動で上げたい2タイプの認知度とそれぞれの特徴について簡単に解説します。

①:企業そのものの認知度

企業そのものの認知度が上がれば、例えば「この企業の新商品なら買いたい」「迷ったらこの企業の商品にしておこう」と考えてくれる人が増えるため非常に価値があります。具体的には「ユニクロ」と聞けばほとんどの人がある程度信頼できるのは、企業そのものの認知度が高いからです(他にも理由はありそうですが)。

ただ、企業そのものの認知度は長期的な広報・PR活動によってジワジワと上がっていくものです。

また、「グラフの直線」的に上がっていくものでもなく、「どこかのタイミングで上がることを繰り返す」ようになる場合が多いため、すぐに成果が出なくても継続していくことが大事です。広報・PR担当者としては大げさでなく定年退職までずっと続けていくべき取り組みですね。

②:商品やサービスの認知度

商品やサービスの認知度は、企業自体の認知度よりも短期間でわかりやすく上げやすいです。

広報・PR活動によって商品・サービスの認知度を上げるなら、例えば「開発段階で担当部署から『ターゲット層』などのヒアリングをする」→「そのターゲット層に届くような広報・PR活動をする」ということになるでしょう。

そして企業自体の認知度とは異なり、商品・サービスの認知度向上のための取り組みは、基本的にどこかの段階でやめるべきである場合が多いです。

例えば「売り切った」「世間に定着した」「販売が終わった」などのタイミングでやめて、次の広報・PR活動に取り組むのが現実的です。究極の理想は「全商品・サービスの認知度アップ活動をし続けること」かもしれませんが、リソースは有限なので不可能ですよね。

広報・PR活動で認知度を上げることのメリット5つ

すでに少し触れていますが、広報・PR活動によって認知度を上げていくことの主なメリットを改めて解説していきます。

①:信頼性が上がる

認知度が上がって「この企業の商品は信頼できる」と思ってもらえれば売上などがアップすることでしょう。

また、企業ではなく「商品の認知度」についても売上向上が期待できます。さらにシリーズ系などの商品の場合、商品の認知度が上がることで、「前のあの商品と同じシリーズなら信頼できる」と思ってもらえる可能性もあります。

②:他企業から信頼される

「業界内・特定分野内の認知度」という考え方もあり、これが上がると業務提携などの機会が生まれるかもしれません。また、業務提携とまでいかなくても「合同イベント」などを開催できるケースもあります。

③:メディア露出しやすくなる

特に企業自体の認知度が上がると、「プレリリースをメディア関係者に送る」→「あの企業の情報なら読者ウケもいいと判断される」→「採用されメディア露出できる」という流れが生まれやすくなります。

そしてメディア露出がさらに認知度を高め、さらなるメディア露出を生むという連鎖も期待できます。

ちなみにメディア関係者が相手の場合、企業そのものの認知度が低いとしても、いくつかの商品・サービスの認知度がある程度高ければ「この商品・サービスの情報も面白い記事になるかもしれない」などと思ってくれるケースが少なくありません。

④:結果的に広告費などのコストを減らせる

認知度が上がればSNSで話題になる、メディア側から取材をしてくれる、そもそも信頼して購入してくれる人が多いなどの状態になります。すると広告などをあまり打たなくても一定の売上が期待できるため、結果的に広告宣伝費などのコストを減らしやすくなります。

✅広告の施策は目先の数字にとらわれず慎重に行う

広告を流すことで「直近の売上アップ」など短期的な効果が期待できますが、長期的な効果(つまり企業自体の認知度アップ)などはあまり望めません。そして新しい商品・サービスがあると、また広告を打つことになるかもしれません。

また、きちんと戦略を練った上で広告施策をしないとコストパフォーマンスが極めて悪くなる可能性もあるため注意が必要です。

短期的な効果を求める広告を流すことが絶対に悪手というわけではありませんが、「長期的にはどのような意味があるのか」もきちんと考えた上で実行しましょう。

⑤:採用活動にも好影響が出る

認知度が上がる、つまり企業や商品の内容について知っている人が増えれば「共感して就職を望む人材」も増えます。さらに企業に関して深く理解している人の募集が多くなるため、ミスマッチも減ります(面接段階での離脱、早期離職が減るなど)。

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広報・PRで認知度をアップさせるためのポイント4つ

それでは広報・PR活動によって認知度を上げるためのポイントや方法などについてお伝えしていきます。「認知度を上げる」という、ともすれば抽象的になりやすいミッションだからこそ戦略を練って取り組む必要があります。

①:なぜ認知度を上げたいのか。目的を考える

まず、なぜ認知度を上げたいのか、つまり目的を考えることが大事です。

例えば、企業の認知度を上げたい・ブランドイメージをアップさせたいという場合は、企業公式サイトでのブログ投稿、SNS活動などに長期的に取り組むなど。

ダイレクトに売上を上げたいなら、商品・サービスに関するプレリリースをメディアに積極的に送ってメディア露出を目指す、戦略を練った上で広告を流すなどです。

このように具体的にすることで「○○がしたい。」「では何をするべきか」を考えやすくなります。

②:自社ならではの強み(競合他社と差別化できる部分)を明らかにする

認知度を上げるためには「自社ならではの強み」を打ち出して、競合他社との差別化を図ることが大事です。逆に「ありふれた特徴」をアピールしても、人々に「あえてこの企業を選ぶ必要がない」と判断されて、すぐに忘れられてしまいます。

③:そのためには競合や市場の調査分析が必要

②の時点で「自社の強みはこれかもしれない」と大まかにでもあたりをつけておくと、次のステップに進みやすくなります。

さて競合他社との差別化を図るためには、競合や市場の調査をする必要があります。具体的には以下の4ステップで進めてみてはいかがでしょうか。

✅ステップ①:「自社と競合が誰にどのような価値を提供しているか」を分析する

「まず自社と競合が誰にどのような価値を提供しているのか」を分析します。すると「自社と競合の違い」が見えてくるはずです。

✅ステップ②:主に自社だけが提供している価値、まだあまり提供されていない価値を分析

「自社と競合の違い」が見えるとともに、「主に自社だけが提供している価値」や「まだ市場にあまり提供されていない価値」も見えてくるはずです。

✅ステップ③:「競合が少ない・弱いフィールド」を見つけて乗り込む

例えば「この価値は主に自社だけが提供していると判明」→「その価値を提供していることをアピールして差別化を図る」など。

さらには「この価値はまだ市場にあまり提供されていないと判明」→「自社の関係部署と相談しつつ、その価値の提供を強化していくと決める」→「その価値の提供を強化していくとアピールして差別化を図る」など。

簡単に言うと「我が社だったらこれができます!」もしくは「我が社のこれをさらに強化していきます!」アピールしていくということですね。

✅④:差別化などの方針に沿って広報・PR活動をしていく

③までで見えてきた「自社の競合他社との差別化の方針」に沿って広報・PR活動をしていきましょう。例えばプレリリース作成・発信、企業ブログ投稿、SNSアカウント運営、広告配信など。

どのような広報・PR活動をしていくとしても、「誰に届けたい情報なのか」「その人にどう思ってほしいのか・どのようなアクションをしてほしいのか」を常に考え、それに沿うような実践をすることが大事です。

広報活動で自社サービスの認知度を上げる方法(まとめ)

「短期的な効果を期待しての、商品・サービスの知名度を上げる広報・PR活動」をすることも大事ですが、それだけでなく「長期的な効果を期待しての、企業としての知名度を上げる広報・PR活動」をすることも重要です。

どちらかだけ行えばいいわけではありませんし、両方の効果が期待できる行動もありますので、バランスを考えながら活動していくことをおすすめします。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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