ひとり広報担当者になったら、まずPCを広報用にセットアップしよう!
PR戦略とは
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2023.04.11

ひとり広報担当者になったら、まずPCを広報用にセットアップしよう!

ひとりで広報担当者として活動することになったら、まずは広報の本質と役割、業務内容などを学習することから始めます。使っているPC環境などについてもそれなりの準備しておく必要があるからです。

そこで当記事では、広報活動を始めるに当って、準備しておきたいPCのセットアップについて3つの項目からご紹介したいと思います。

広報担当が仕事環境を整備する理由

広報環境

広報業務を円滑に遂行するために、ぜひやっておきたい準備です。広報専用のPCを持つことも、ひとつの手段です。しかし、そうすると伝票処理など全社的な業務との連携作業がやりにくくなってしまいます。

そこで、現在使っているPCに広報用のコンテンツを付加しセットアップすることをお薦めします。

広報活動が始まると、多くの問合せが来るようになりますが、そのほとんどはメールで来ることになります。問合せの窓口として、現在使っている個人用のメールアドレスを使用すると、広報関係のメールと、それ以外のメールとが混在してしまい、作業がしにくく混乱してしまう恐れがあります。相手を間違えて誤発信したりするケースも考えられ、そうしたミスは絶対に避けなければなりません。

 

広報専用のメールアドレスを用意

メディアの記者は忙しい時間を割いて問合せをしてくるケースもあります。時間的に急を要する案件もあり、そうした場合、種々雑多なメールが混在していると、大切なメールをつい見逃してしまい、せっかくのチャンスを逃してしまうことも考えられます。

こうした事態を避けるため、広報専用のメールアドレスを用意しておけば、そうした見逃しを防ぐことができ、迅速な対応が可能となります。

では、広報用のメールアドレスは、具体的にどのようなアドレスにすればいいのか、いくつかの例をあげておきます。

  • press@×××××.co.jp
  • pr@×××××.co.jp
  • news@×××××.co.jp
  • media@×××××.co.jp

などが候補として考えられます。他にも、info@やkouhou@などもありますが、いずれも相手に自社を認識してもらうために、自社のドメインで作ることが重要です。

 

広報専用のフォルダを用意

広報活動を行う際には、様々なファイル、画像、動画、図表などのデータが使用されます。これらのデータは、広報業務を続けていけばどんどん増えていき、膨大な量が蓄積されます。

中には機密性の高い情報もあるため、これらの情報は常に分類し整理しておくことが大事です。前もって広報専用のフォルダを作り、そこにデータを振り分け収納しておけば、必要な時に必要なものを迅速に取り出すことができ、業務をスピーディに且つ効果的に行うことができます。

では、どのようなフォルダを作っておけば良いのか、4つの事例をご紹介します。

事例1.会社(自社)情報フォルダ

このフォルダに入れておくべき情報は、

  • 会社の理念
  • 会社の沿革
  • 会社概要
  • 社長のプロフィール
  • 社風
  • 商品・サービス情報
  • ロゴ関連のデータ

事例2.広報情報フォルダ

このフォルダに入れておくべき情報は、

  • ネットを初めとする社会から集めた情報
  • メディア各社からの情報
  • 社内・社員からの情報

事例3.社外秘フォルダ

このフォルダに入れておくべき情報は、

  • 合併や業務提携など、発表前の会社情報
  • 新商品・新サービス情報
  • 会社運営に関する資金などの情報
  • 組織改変、人事異動などの情報

事例4.メディア関係連絡リストフォルダ

このフォルダに入れておくべき情報は、

  • メディア各社の連絡先、担当者のリスト

①の会社(自社)情報フォルダは基本的にオープンな情報となっているため、機密性が低く、誰でも閲覧できるものとして設定することができます。②~④のフォルダは①に比べ機密性が高いので、取り扱いに注意します。特に③の社外秘フォルダは、外に漏れると社会的に大きな問題になる危険性があるので、さらなる注意が必要です。

また、これらのフォルダをどこに置いて、それぞれどこまでアクセス権を広げるかに関しては、情報の共有と危機管理という相反する両方の側面を考慮して、社内のシステム管理責任者と協議のうえ決めてください。

 

ホームページの管理画面(機能)をチェック

企業のホームページは、別名コーポレートサイトとも呼ばれ、会社のフィロソフィ(理念)や事業内容、商品・サービスの情報やIR、リクルート関連の情報などが掲載されるWebサイトです。

近年は、相手の会社と新しくコンタクトを取る場合や、商談で問合せをする場合などは、必ずと言っていいほど、まず、ホームページのチェックから始めます。すなわち、ホームページは企業を知るうえで、もっともシンプルで便利なツールだと言えます。

広報活動においてのホームページの役割

ホームページは広報活動においても、プレスリリースの発信と共に、非情に大きな役割を持っています。自社の情報をよりわかりやすく知ってもらうため、自社のイメージをより良く伝えるためにも、ホームページの管理・運用は広報の重要なミッションとなるのです。

そして、ホームページに掲載される情報は、日々刻々と変化していきます。会社の情報や、商品・サービスの情報も、社会情勢を初めとする様々な要因で変わる場合があります。そんな時は、ホームページを速やかに改訂し、情報を修正する必要があります。こうしたホームページの改訂、修正作業は広報担当者が一元管理することが重要です。

商品のスペックが変わったからと言って、商品開発担当者が直接ホームページを修正したり、新しい事務所がオープンしたからと言って、総務担当者が直接ホームページに追記したりすることは、原則としてあってはならないことです。

企業PR・IRの顔であるホームページは広報が管理

ホームページにおける会社の情報は、他の全ての項目(情報)と正しい連動性を持って発信されなければなりません。相互の情報に矛盾点やブレが生じると、会社の信頼性やイメージが損なわれる結果にもなりかねません。そこで、ホームページに掲載されるべく社内各所からの情報は、一度、広報担当者が一括して管理し、項目分けして管理し、外部に伝わりやすい表現(図や写真を添えるなど)に再構成して、ベストなタイミングで発信することが必要になるのです。

急を要する内容変更や、誤表記やミスの修正・削除など、広報担当者が速やかに作業できるよう、ホームページの管理画面(機能)は必ずPCにセットアップしておくことをお薦めします。尚、ホームページの変更・修正は、事前に必ず社長や経営陣に確認を取っておくことも忘れてはいけません。

 

まとめ 広報活動をスムーズに行うために

今回は、広報活動をスムーズに行うために、事前にやっておきたいPCのセットアップについてご紹介しました。たったひとりで広報担当者になってしまったら、どうしても、広報の意義や業務行動を覚えることに集中しがちですが、それらと同様にPCを広報仕様にアップデートしておくことも大切です。

広報専用のフォルダやコンテンツをPCに取り込んでおけば、広報業務を一元管理することができるだけでなく、ファイルや資料の取り出しや整理もしやすくなり、また、次の広報担当者への引継ぎにも非情に便利です。

これらの準備は「ひとり広報」でも、十分に行うことができます。ひとりでも大丈夫!広報活動を円滑に、効果的に行うために、ぜひ、あなたのPCを広報仕様にセットアップしてみてください。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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