動画ジャンルの安易な変更がユーチューバーにとってNGな6つの理由とその対策法
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2022.08.07

動画ジャンルの安易な変更がユーチューバーにとってNGな6つの理由とその対策法

YouTube(ユーチューブ)チャンネルを運営するユーチューバーにとって「動画ジャンル選び」は非常に重要であり、ジャンル選定に成功した時点で、稼げることが8割型約束されると言っても過言ではありません。

ですから焦って動画投稿を始めず、まずはYouTubeチャンネルのジャンルのチョイスに全力を注ぎましょう。

そう聞くと「ジャンル選びに失敗したら、ジャンルを変更すればいいのでは?」と感じるかもしれませんが、それは「禁忌」と表現してもいいくらいです。その主な理由を紹介します。

*記事を書いた人:わずか2年で登録者20万人の現役ユーチューバー

*こちらも人気:1再生いくら?人気ユーチューバーが本音で解説

 

YouTubeの動画ジャンルを後から変更してはならない6つのワケ

1.シンプルに再生回数が落ちる

例えば「筋トレ専門チャンネル」が、ある日いきなり「FX系の動画」を投稿し始めたらどうなるでしょうか。

もちろん再生回数が落ちます。なぜならチャンネル登録者の大半は「筋トレ」にしか興味がなく、「FX」のことはどうでもいいと思っているからです。「いや、ヒカキンさんはどんなジャンル動画でも大量に再生されている!」と感じるかもしれません。

ですが、それは「知名度が高く、皆に愛されているヒカキンさん」だからこそ、そうなっているだけです。広い言い方をすれば、多くの人は「動画内容」ではなく、「人」に興味を持っているのですね。

逆に言えば、「知名度のない駆け出しYouTubeは、動画ジャンルにしか関心を持たれない」ということになります。また、いくらチャンネルが成長しても「キャラ売り」をしなければ、ユーチューバー自身が愛されることはありません。そして、そのキャラ売りは大抵失敗しますから挑戦しないほうがいいです。半端に投稿者が表に出ようとすると、「鬱陶しい」と思われて逆効果になる可能性さえあります。それがYouTubeの現実です。

2.視聴者(特にチャンネル登録者)からの信頼がなくなる

特に「ジャンルを絞って情報発信をするチャンネル」の場合、動画ジャンルを変更した場合に視聴者からの信頼がガタ落ちすることになります。あえて悪い言い方をしますが、「視聴者は、投稿者の事情など一切考えていない」ですから、「○○の情報を裏切った」という印象を抱かれてしまう可能性が高いです。

逆の立場で考えてみましょう。あなたが普段楽しんで観ているYouTubeチャンネルのジャンルが突然変わったらどう感じるでしょうか。恐らく「きっと何か事情があるのだろう」ではなく、「なに好き勝手やってるの?」という感想が先にくるはずです。

3.「チャンネル登録者数」と「再生回数」のバランスが悪くなる

ジャンル変更をした場合でも、よほどのことがない限りチャンネル登録者数が減ることはありません。なぜならYouTube視聴者にとって、「動画を再生しないチャンネルの登録をし続けておくこと」はほとんどデメリットにならないからです。あなたにも、「登録してはいるもののほぼ再生しないチャンネル」が1つくらいはあるのではないでしょうか。

チャンネル登録者数が減らないことは一見良いことに思えるかもしれませんが、むしろデメリットです。なぜなら、「チャンネル登録者数に対する、再生回数の割合」が下がるからです。そうなると「チャンネル自体のイメージ」がかなり悪くなりますから、良いことはありません。例えば、

・チャンネル登録者数1万人/平均再生回数5000回

・チャンネル登録者数20万人/平均再生回数1万回

のチャンネルがあるとしたらどうでしょうか。誰しも前者のほうに良い印象を抱くでしょうし、「再生してみようかな?」という気持ちになるのも前者のはずです。

4.「インプレッションのクリック率」が下がる

インプレッションのクリック率:動画のサムネイルが何らかの形で表示された回数のうち、実際に再生される割合例えば「サムネイルの表示回数100回/再生回数5回」ならインプレッションのクリック率は5パーセントですね。

そしてYouTubeのアルゴリズムは「インプレッションのクリック率が高い=良い動画」と評価して、おすすめ動画や関連動画として多く表示するようになると言われています。

さて、「もともと筋トレ専門だったチャンネルが、FX系の動画を投稿するようになった」としましょう。このとき「筋トレ動画が目当てだったチャンネル登録者」の画面にも、「同じチャンネルの動画である」という理由で、「FX系の動画」がおすすめ表示されることでしょう。

ですが単純に「興味がない」ため、ほとんど再生されませんから、インプレッションのクリック率が著しく下がることになります。

焦って「筋トレ動画」を投稿しても、「FXに興味がある視聴者」は再生してくれませんから、やはりインプレッションのクリック率は回復しません。八方塞がりですね。率直に言ってこの状況から復活するのはほぼ不可能と考えておくべきです。先述の通り、視聴者からの信頼性もガタ落ちしていますからね。

5.労力が増える

しばらく同ジャンルで動画を出し続けているとだんだん慣れてきます。また、ノウハウも蓄積されていきますから、動画作成が徐々に楽になっていきます。ですが違うジャンルの動画を出すとなると、また初期のような労力・所要時間に戻る可能性が高いです(動画編集自体の技術は上がっているでしょうから完全に戻るとは考えにくいですが)

その上、再生回数も伸びないわけですから精神的な負担もどんどん蓄積されていくことになります。最悪の場合、そのままyoutubeから離脱することになりそうですね。

6.動画のクオリティが下がる

特に「2つのジャンルの動画を並行して出し続ける」場合は、どうしても一つ一つの動画の内容が薄くなっていきます。「ジャンルを完全に切り替えて、以前のジャンルを捨てる」のであれば、内容の濃さをある程度保てるでしょうが、「もう自分にはファンがついている」という慢心があれば動画の質が下がってもおかしくありません。

 

どうしてもYouTubeのジャンル変更をしたい場合にするべきこと

チャンネルがある程度成長しているなら「サブチャンネル」を作る

特に人気ユーチューバーの中には「サブチャンネル」を持っている人が少なくありませんよね。

例えば「筋トレ専門ユーチューバーが、ゲーム実況にも手を出す」のであれば、「ゲーム実況をするサブチャンネルを作りました!良ければ観にきてください!」と促しましょう。そうすればメインチャンネルにノイズが入ることはありません。

登録者50人以下ならチャンネルを消す

チャンネルがそれほど成長していないのであれば、思い切ってチャンネル自体を削除してしまうのもアリです。目安として「感覚的にはかなり頑張っているのに、登録者がなかなか50人を超えない」という場合は検討しましょう。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事