企業側は何を考えてユーチューバーに企業案件の依頼をしているのか6選
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2022.02.28

企業側は何を考えてユーチューバーに企業案件の依頼をしているのか6選

YOUTUBE 企業案件

企業側はどのような部分に魅力を感じて、ユーチューバーに対して企業案件の依頼を出しているのでしょうか。それが分かればユーチューバー側としては、そのニーズを満たすように動けばいいということになりますね。今回は6つのポイントにまとめてみました。

 

安く宣伝したい

ユーチューバーのチャンネル登録者数に応じた費用相場は以下の通りです。

・5000~15万人程度:1~30万円

・15~50万人程度:30~100万円

・50~150万人程度:100~300万円

つまり「チャンネル登録者数×2円」ほどが相場ということですね。ユーチューバー側の視点としては「かなり高い」かもしれません。しかし、テレビコマーシャルのコストが1回15秒で100万円前後ですから、企業側としては「とても安い」です。

ただ、企業側からすれば、テレビコマーシャルに比べると「水物感」が強いことも確かです。「やっぱりテレビコマーシャルじゃないとダメだったのか」と思われないように、質の高い企業案件動画を投稿しなければなりません。

 

そのユーチューバーのファンに宣伝したい

テレビコマーシャルやテレビ番組上の案件は、基本的に「誰彼構わず見せる」ということになりますよね。ですがユーチューブの企業案件に関しては、「そのユーチューバーのファンだけに見せる」ことになります。つまり、例えば「若者をターゲットにしたダイエット系のユーチューブチャンネル」には、「10~20代向けのダイエットサプリ」などの企業案件依頼が来やすいという事ですね。

ですから企業案件が欲しいのであれば、チャンネルの専門性を高めることが重要です。(企業案件関連に限らず、ユーチューバーとして活動していく上ではほぼ必須ですが)

 

SNS上で話題になってほしい

・ユーチューバー自身にツイッターやインスタグラムなどでも宣伝してほしい

・ユーチューバーのファンにSNS上で拡散してほしい

など、企業は「拡散」というプラスアルファを求めています。ユーチューバー側はそれを満たしてあげたいですね。

 

少ない工程で宣伝したい

多くの企業が「ユーチューバーに丸投げして宣伝したい」と考えています。実際、基本的に動画撮影・編集・投稿などは全てユーチューバー側が行います。また、サムネイル・BGM・説明文などもユーチューバーの技術・センスで決めることになります。そのためユーチューバー側は「どうすればよりよい宣伝になるのか」を考え、実行しなければなりません。ただ、いくら「丸投げしたい」とはいえ、

・商品やサービスの特徴

・アピールポイント

くらいは教えてもらえます。ですが、これも知らせてくれないのであればユーチューバー側から聞き出す必要があります。

 

長期間宣伝したい

ユーチューブの性質上、企業案件動画であっても削除しない(されない)限りは永遠にチャンネルに残り続けることになります。これもテレビコマーシャルやユーチューブ広告にはないメリットと言えますね。一例として100万円で依頼を出したとしても、3年間動画が残るのであれば、月額の広告費は3万円を切ります。ただしこれは、「月日が過ぎても同じように再生され続ける」という前提での計算です。実際にはどれほど人気のあるユーチューバーでも、「再生されるピークは最初の4~5日」であるという事を覚えておきましょう。とはいえ有名なチャンネルであれば、過去の動画も順調に伸び続けます。

 

今後人気ユーチューバーになってほしい

中には「この先、人気が出そうなユーチューバーに企業案件を出しておく」という戦略を採用する企業もあります。例えば、「登録者数5万人のうちに安く案件動画を出してもらい、その後登録者数50万人になってくれればラッキー」ということですね。この辺りは難しい部分ですが、

・高頻度で動画を投稿する

・専門性を高める

などのことをしていけば企業側に「このチャンネルなら!」と思ってもらえる可能性が上がります。

 

・ユーチューバーが企業案件を受ける際の注意点

最後に補足として、ユーチューバー視点で注意点をお伝えします。

 

(1)「企業案件を受けられる環境」にしておく

意外なことに「結局、どこから企業案件の依頼が出せるの?」と分かりにくい状態になっているユーチューバーチャンネルが少なくありません。SNS上、ユーチューブチャンネル上など、露出するありとあらゆる場所に「お仕事のご依頼は○○までお願いします」などと明記しておきましょう。

 

(2)依頼が来たからといって安易に飛びつかない

特に初依頼の場合はすぐに引き受けたくなるかもしれません。ですが最低限、以下の事を確認してから依頼を受けるかどうか慎重に判断しましょう。自分のチャンネルのイメージに合うかを見極める必要があります。タイアップについてよく理解していない企業から、ユーチューブチャンネルのイメージに全く合わない依頼が来る可能性もあります。また、「チャンネルのブランディング」を損なう事がないかどうかも吟味しましょう。もちろん完璧にチャンネルの「色」にマッチするケースは珍しいですが、そこは金銭面などと相談し、メリット・デメリットのどちらが大きいかを判断してください。

 

(3)ユーチューバー側のスケジュールが合うか

いかに魅力的な企業案件でも、スケジュールが合わなければ対応できません。「急げば間に合う」くらいであっても受けないことをおすすめします。クオリティーの低い動画を作成してしまうと企業からの信頼性が下がりますし、視聴者からも「案件動画なのにこんなものを投稿するのか……」と思われて、後々まで響く恐れがあります。

 

(4)信頼できる企業や商品(サービス)であるか

よくユーチューブ動画をご覧になっている人であればご存じだと思いますが、「ユーチューバーが紹介した商品・サービスに致命的な問題があり、ユーチューバー側が謝罪動画を出す」という事例が少なくありません。これについてそのユーチューバーのファンからは「企業側の責任であって、ユーチューバーは悪くない!」という声が出ることもありますが、「一定以上に濃いファン」以外はそう思ってくれません。率直に言って「お金に目がくらんで変な商品を紹介したんだろう!」と捉えられてしまう可能性が高いです。

ですから商品やサービスの信頼性はもちろん、企業自体の信用性もチェックしてください。具体的な例を挙げますと2021年11月に、とある登録者90万人程度の人気ユーチューバーが、怪しいFX自動売買の企業案件動画を投稿して炎上しました。比較的好感度の高いユーチューバーでしたが信用性が大きく落ち、回復に至っていません。

 

(5)契約書をきちんと作る

特に「企業・ユーチューバーともに小規模」という場合に多いですが、契約書を作成しない、作成しても内容が曖昧というケースがあります。最低限、以下の内容が盛り込まれた契約書を作りましょう。業務内容についての条項に関して、単純に「宣伝動画を作る」という業務だけで済む場合もあれば、

・企業が主催するイベントに出演する

・他の媒体(企業ブログなど)の取材に応じる

・ユーチューバーのSNSアカウント上でも宣伝する

などの業務契約をするケースもあります。特にSNS上での宣伝については、「言われなくてもやってあげるべき」部類の仕事ではありますが、可能な限りきちんと契約しましょう。

 

・報酬金額についての条項
「定額式」であれば話は単純ですが、例えば「チャンネル登録者数×2円を支払う」のであれば、「いつの時点でのチャンネル登録者数を基準にするか」を書面できちんと決めておかなければなりません。その他、「動画概要欄のURL上から購入に至った場合に限り追加報酬を出す」などの報酬形式もあります。いずれにせよ曖昧な部分が一切なくなるようにしましょう。

 

・動画の公開期間についての条項
よくあるのが、動画を数か月間(数年間)必ず公開する、期間終了後も動画を公開し続けるように努力するが、公開をやめても責任はないものとするというものです。例えば、「公開期間中に、本業に集中したくなりユーチューブをやめる」というのは基本的に通用しません。

 

・不可抗力についての条項
つまりは「不測の事態があっても、原則としてユーチューバー側は責任を負いません」というものです。特に「ユーチューブのAIの誤判定によるチャンネルBAN」はよく発生しています。ですから、「チャンネル停止・凍結があっても責任を負わない」という記載だけは確実にさせてもらいましょう。

 

・イメージ保持についての条項

つまりは「商品・サービスのイメージを悪くしないこと」ということですね。「イメージを悪くする」の定義が難しいところですが一般的なユーチューバーの場合は、SNSで暴言を言わない(そういったイメージ戦略をしているケースを除く)、詐欺などをはじめとする犯罪行為をしない(疑いを持たれるレベルでも厳しい)、商品やサービスのイメージを損ねる行為をしない、などが求められます。「テレビコマーシャルに出る芸能人」とは違い、清廉潔白であることは要求されません。ただ、企業によっては、「今後○か月(○年間)はチャンネルのジャンルを変えず、投稿頻度も守ってください」などと求めてくる可能性もあります。

 

(6)企業案件動画ばかり出さない

当分考えなくていいことですが、企業案件動画ばかり出していると視聴者からのイメージが悪くなる可能性があります。別の言い方をすれば、「企業案件動画であってもできる限り面白いものにしないと、視聴者から愛想をつかされやすい」ということですね。