一勝九敗の意味とは?価値ある1勝だからこそ、ひとつの成功に深みが生まれる
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2020.12.26

一勝九敗の意味とは?価値ある1勝だからこそ、ひとつの成功に深みが生まれる

「一勝九敗」(新潮社)はファーストリテイリング社長の柳井正氏の書籍名です。

ユニクロを擁し、今やカジュアルウェアでは盤石の地位を誇る同社も、かつては失敗の連続だったわけです。この考え方は、広報PRでコンサルティングをする上で、私がもっとも影響を受けたやり方・ノウハウです。

ぜひ、皆さんも参考になさってみてください。

 

一勝九敗だからこそ、ひとつの成功に深みがある

まだ山口県の紳士向け洋品店チェーン、小郡商事だった時代には、婦人服に挑戦し、早々に失敗しました。

婦人服は流行が速い上、アイテム数が多くて、在庫リスクも大きいので、それまでの紳士服のノウハウが通用しなかったのです。

90年代になってカジュアルウェアに完全に舵を切った時代にも、スポーツウェア専門の「スポクロ」、ファミリーカジュアル専門の「ファミクロ」などの業態の店を出しましたが、これが全く採算に乗らず、すぐに撤退しています。

今では一大ブランドとなっているユニクロも、84年の1号店出店から90年頃までの時代は、人気のない(あるいは他店売れ残って戻ってきた)ナショナルブランドの商品を現金で引き取り、それを安値で売るという「安かろう悪かろう」の商売でした。それを十数年かけて先鋭的なSPA(製造小売り)に進化させていったのでした。

 

過去の失敗からの学びの累積が、失敗のダメージを最小限にする

柳井氏の特筆される点は、失敗は早期に見切って(失敗の被害を小さくして)、行けると感じたビジネスを徹底的に伸ばしていく(成功を大きなものにしていく)ことと言えるでしょう。

その結果、仮に数だけ数えれば一勝九敗であっても、トータルとしては大成功になるというわけです。
その中で、過去の失敗からの学びの累積が、失敗のダメージを最小限にするノウハウなどに結びついたということは想像に難しくありません。

これは実のところ、日本のビジネスパーソンや企業が苦手としているところでもあります。

さっさと見切るべき案件をずるずると続けてしまい、損失を大きくしてしまったり、必要な経営資源や時間を浪費してしまいがちです。その一方で、時間や経営資源を投入すべきものに投入しきれないといったことがあります。

「選択と集中」という言葉が繰り返し語られるようになってから久しいですが、それをまだまだ正しく実現できている人や組織は少ないといえるでしょう。これは経営レベルでも、個々人の問題解決のレベルでもそうといえます。

たとえば不確実性の高い新規事業や新しい手法の試験的施行などであれば、「撤退基準」(損切りライン)などをあらかじめ定めておいて、より効率的に経営資源を配分し、問題解決を全体最適させることも必要なことと言えるでしょう。

 

一勝九敗とは過去の失敗から学び失敗のダメージを最小限にするノウハウ

一勝九敗の価値は、過去の失敗からの学びの累積によって失敗のダメージを最小限にするノウハウなどにあります。

見切るべき案件を、きっぱりと見切り損失を少なくしたり、時間や経営資源を投入すべきものに投入するといった当たり前のことをできるかどうかといったことも、その一勝をつかめるかといったことにかかってきます。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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