観光インバウンド向けPRの具体的な方法!集客につながるインバウンドPRを考える
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2026.01.26

観光インバウンド向けPRの具体的な方法!集客につながるインバウンドPRを考える

社会が少子高齢化し人口減少の時代が到来し、企業はもちろんのこと各地方自治体も海外市場の開拓が求められるようになりました。そんな中、注目を集めているのが訪日観光(インバウンド)需要です。知名度やリソースの有無にかかわらず、海外向けの広報活動や情報発信に成功し、海外からの誘客に成功した自治体や企業のプロジェクト事例も多く見られます。

インバウンドツーリズムは、ここ数年メディアなどでも話題になっており、日本はオリンピックやラグビーワールドカップなど様々なスポーツの世界大会の開催地として注目され、訪日外国人観光客は年々増えています。2018年には3,000万人を超え、コロナ禍で一時の落ち込みはあったものの、ここ最近は順調に数字が伸びており、政府は今後も訪日外国人観光客の増加を見込み、2030年までには6,000万人を目標に掲げています。

たくさんの外国人が訪日し国内での消費を大きく伸ばしてくれると、地域の活性化や雇用機会が増えるなどの効果があります。そのためには、インバウンド訪日外国人へのプロモーションや地域の取り組みが必要となります。その取り組みが観光インバウンド向けのIRということになります。

観光インバウンド向けのIR、それは一言で言って日本の魅力を広く海外に向けて発信することです。その手段としては、海外向けのプレスリリースやネットによる情報発信がありますが、いずれにしても内容を分かりやすく、また、その国の言語で読めるようにしなければなりません。今回は観光インバウンドにおけるIRの基本的なノウハウを4つの視点からご紹介してみたいと思います。

① 日本の観光資源を世界に発信する

日本の伝統工芸品(着物や織物、焼き物など)、名産品や銘菓、温泉、神社、寺、旅館、アミューズメントパーク、パワースポット、聖地巡礼など、外国人が興味を持ちそうな魅力的な観光スポットを取り上げ、情報発信します。

例えば、「千年のロマンと癒しの旅」をキャッチフレーズに観光振興に力を入れている大分県豊後高田市は、同市の名所の一つ、昭和30年台の街並みを再現した「昭和の町」の魅力をWebサイトと海外向けニュースリリースで伝えています。「昭和の町」は映画やテレビドラマのロケ地としても有名になりました。「昭和の町」は映画「ナミヤ雑貨店の奇蹟」のロケ地にもなり、リリースの中では、作品の中に登場する「恋叶ロード」などの名所が紹介されています。 また、中国語にも対応した豊後高田市の観光公式サイトへのリンクも紹介されています。

また、山形県の出羽三山(月山、羽黒山、湯殿山)は、古くから古修験道の行場として知られ、「擬死再生(ぎしさいせい・一度死んで再びよみがえること)」をはたす霊山として人々から信仰されています。山形県がこの出羽三山のPR動画をアップした結果、出羽三山は海外から熱い注目を浴びることになりました。

② 外国人観光客と同じ目線で記事を構成する

地域のお祭りや街フェス、商店街の恒例行事、青果市や魚市、登山やハイキング、相撲や歌舞伎の観賞など体験型の観光コースは関連記事をそのまま記載するだけでなく、まず自らが体験し、「自分が〇〇人だったら」という外国人観光客の目線で記事を構成することが大事です。

この例としては、カナダ出身のブラッドさんに熊野のプロモーションを任せることにした一般社団法人田辺市熊野ツーリズムビューローの事例があります。同ビュ-ロー設立メンバーの一人であるブラッドさんはカナダ人という視点からに熊野のプロモーションを担い、2004年にユネスコ世界遺産に登録された熊野古道のうち、田辺市街から熊野本宮大社を目指す「中辺路(なかへち)」ルートを「紀伊山地の霊場と参詣道」としてプロモーションしています。

民宿や旅館で英語でのコミュニケーションが難しかったり、日本人が書いた英文は外国人に分かりにくいということもあり、外国人自らが記事を書いたり、英語が話せなくても意思疎通できるようなツールの使用、宗教上の戒律の分類分けなど、外国人がスムースにコミュニケーションできるような記事を構成したいものです。

③ 外国人インフルエンサーを起用する

実際に日本を訪れ、楽しい体験をした外国人インフルエンサーとコラボして情報発信を行います。自分たちと同じ外国人の体験記ということで情報に信憑性、安心感、納得感が生まれ、訪日しようというモチベーションを心理的に高めてくれます。

外国人インフルエンサーはYouTubeやTwitterを使って、自国のユーザーに母国語で語りかけてくれます。言うまでもなく、現地に住んでいる人が母国語で海外の情報を得ると、かなり理解度と説得力が増します。

インドネシア出身のトップインスタグラマー、Stellaさんは日本各地のインスタ映えスポットを巡り、美しい写真で訪日旅行の魅力をビジュアルで世界中に発信しています。また、アメリカ人ユーチューバーが投稿した動画「広島の現在と過去」は140万回以上再生され、日本の歴史を広く世界に発信。結果として、多くの外国人の訪日に大きな効果をもたらしました。

④ 外国からの取材を積極的に受け入れる

今や、日本に対する海外からの関心は日に日に増しています。城や神社・仏閣、名産品や和食などだけでなく、おもてなしやアニメカルチャー、そして歴史など日本の精神的なもの、考え方などを知りたいという要望も結構あります。それらは単に実物を見たりパンフレットを眺めるだけではなかなか理解できません。ここは、どんどん海外からの取材を受け入れて、日本文化の研究家や専門家とそして通訳を同席させ、外国人ジャーナリストの口から自国に日本の魅力を発信してもらうのがベターです。
ただ、海外から多くの取材を受けるためには、外国人ジャーナリストの興味を引くようなインパクトのあるプレスリリースやYouTube、SNSなどが必要となってくるので、結局、前述の①~③までの行程をしっかりとやっておかなければなりません。

低くなった海外配信の壁

今、海外向けのプレスリリース配信数は伸びています。 例えば、2003年の「ビジット・ジャパン」から始まった日本のインバウンド対策は今、オールジャパンで取り組む重要案件となっています。観光で訪れる訪日外国人が右肩上がりに増加している中、外務省のホームページによると、現在、在外公館ではオンライン形態を含め約1480件の 訪日観光促進に資する事業を実施しています。(令和3年度)
それに呼応するように、海外向けのプレスリリース配信数は伸びています。政府が推進するクールジャパン関連の日本の食・文化の海外PR、海外向けの製品PRや国際的な展示会の出展リリース、ゲームアプリのITサービスなど今や「海外配信は当たり前」の時代になりつつあります。

かつては、広報のスキルやマンパワー不足、予算などの理由で海外メディアへのアプローチは敷居の高い壁でした。 しかし現在は海外配信サービスなどを利用すれば、比較的簡単に海外に向けたPR活動が可能となっています。費用対効果を考えた上で、こういったサービスを積極的に使ってみるのも良いかも知れません。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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