プレリリースなどをテレビ番組に使ってほしい場合、基本的にその番組のディレクターに売り込む必要があります。
しかし、実は「テレビディレクター」にも主に3種類のタイプがあります。
それぞれのタイプや趣味趣向を把握しておくことで、「売り込みの効率」を上げやすくなります。
テレビディレクターには3種類あります
それでは一つずつ紹介していきますね。
テレビディレクターだからといって難しく考えすぎないほうがむしろ理解しやすいです。
○1:制作会社に在籍するディレクター
テレビ局ではなく、制作会社に在籍しているディレクターです。
テレビディレクターの多くはこれに分類されます。
テレビ局にいる時間が長いので、広報担当としても混乱するかもしれませんが、
テレビ局側からすれば「派遣社員」もしくは「契約社員」ですので、コーナーに対する企画発言権は強いです。一方、テレビ番組の企画会議などであまり大きな発言権を持つことはありません。
○2:テレビ局に在籍するディレクター
テレビ局に在籍するディレクター、言ってみれば「正社員のディレクター」のことです。
他の業界と同じく、派遣社員よりも正社員のほうが権力が強いですから、企画会議などでも大きな発言権を持ちます。
取材先を決める権利も強いので、広報担当としてはぜひ仲良くなっておきたいところです。
ちなみに「正社員ディレクター」であれば誰でも強い権力を持っていると考えるべきですが、それはディレクター職の場合であり、下積みとしてアシスタントディレクターをしている場合は、まだその地位にないと考えた方がいいでしょう。
例えば「その道20年の制作会社に在籍するディレクター」よりも、「テレビ局に在籍する新人のディレクター(恐らくアシスタントディレクターでしょう)」のほうが発言権が強いということもザラにあります。
○3:フリーのディレクター
制作会社にもテレビ局にも在籍していないタイプのディレクターです。
もちろん、いきなりフリーのディレクターとして活動できるはずがなく、多くの人は「制作会社に在籍していた経歴があるディレクター」です。
独立して活動できている時点でかなりの能力がありますし、テレビ関係者にも信頼されています。通常であれば行われるはずの企画会議を通さず、プロデューサーが「フリーディレクターの○○さんの企画だし、取材をしようと思う」といきなり決まることさえあります。
また、プロデューサーと「月○本特集を作る」などと約束していることが多く、ネタ探しにも熱心です。
そのため、少なくとも「ベンチャー企業の広報?無視無視!」などという態度を取られることはまずありません。ちゃんとしたプレリリースを作れば無碍にはされません。
それから、フリーディレクターはいくつかのテレビ局で仕事をしている可能性が高く、プレリリースを持っていくと「このネタなら、この局が良いだろう」と判断して、いつの間にか持ち込んでくれることもあります。
また、一人のフリーディレクターからどんどん人脈を広げていくこともできるかもしれません。
「テレビ局の正社員ディレクター」と比べても「フリーディレクター」は少ないですが、広報担当にとっては同じくらい大事な存在です。
テレビディレクターの属性の見分け方
そのテレビディレクターの仕事ぶりを観察しても、上記の1~3のどれに該当するのかはなかなか分からないものです。
ですが、実は意外な方法で簡単に見分けることができます。
名刺を確認しましょう。
○制作会社に在籍するディレクター
小さく制作会社名が書いてあるはずです。
目立つようにテレビ局名と番組名などが書かれていると思いますが、惑わされずきちんと確認しましょう。
ただし、「テレビ局に在籍するディレクター」が持っている名刺とデザインは完全に、もしくはほぼ一緒である場合が多いので気を付けましょう。
○テレビ局に在籍するディレクター
名刺に制作会社名らしきものが記載されていません。
ただし、一応名刺交換のときに「○○局の方なのですね?」などと聞いておくほうがいいと思います。
あとから改まって聞くと、相手に「付き合う価値があるか値踏みしているのかな」と思われてしまいかねないので、最初にさりげなく聞くべきです。
○フリーディレクター
そのまま「フリーディレクター」などと記載されている場合が多いです。
これについても、名刺交換の際に「フリーなんですねえ、優秀なんですね」などと軽く聞いておきましょう。
広報担当者は全てのディレクターに敬意を!
ここでは、あえてテーマに合わせてわかりやすく紹介しました。
しかし、基本的には制作会社在籍のディレクターであろうが誰であろうが、敬意をもって接しましょう。
「付き合う・付き合わない」の選択はする事になるかもしれませんが、付き合わない選択をする場合でも、敬意を捨てていいことにはなりません。
もちろん、「人としての礼儀」という側面もありますが、「いつ、どのように出世するのか分からない」という部分もあります。
あなたが冷たく切り捨てたディレクターが大活躍して数年でフリーディレクターになるかもしれません。
また、テレビ局のアシスタントディレクター(テレビ局在籍のディレクターの中では最も立場がした)なら、数年でプロデューサーやディレクターになります。
「対ディレクター」に限った話ではありませんが、広報が「人」と関わる仕事である以上、「人」は大切にしなければなりません。