記念日による広報やPR戦略の仕掛け方は?○○の日の活用法をゼロから解説
コラム
成功事例×PR
2022.07.21

記念日による広報やPR戦略の仕掛け方は?○○の日の活用法をゼロから解説

10月に入り、すっかり肌寒くなってきましたね。衣替えはもうお済でしょうか? 1日から東京Go to解禁と、何かとお出かけする機会が増えると思いますので、体調には十分気を付けていきたいところです。

さて、今回は「○○の日や記念日のPR活用」の仕方について取り上げてみたいと思います。 ○○の日、記念日というと何を思い浮かべるでしょうか?

*こちらも人気:PR・広告・宣伝の違いって?現役記者が解説

*記事を書いた人:「めざましテレビ」「王様のブランチ」元放送作家

 

記念日PRの元祖であり大成功したポッキー

古くからなじみのあるものと言えば、江戸時代に旬を過ぎた鰻を売るために平賀源内が生み出したと言われている「土用丑の日」。PRに携わっている皆様であれば、江崎グリコによる「ポッキーとプリッツの日」が真っ先に浮かぶのではないでしょうか。

「1」という数字がスティックの形に似ていることから平成11年11月11日という1が6つ重なる特別な日に合わせて制定されたそうです。この辺りの理由も広く知られており、なんと「ポッキーとプリッツの日」の一般認知度は90%以上と言われています。

PRやマーケティングの視点でみても、この日のイベントとキャンペーンは毎回大きな反響を呼んでいるため、大成功した事例と言えるのではないしょうか?

この○○の日を活用したPRですが、日本記念日協会へ15万円ほどで記念日の申請を出せることから、現在では、記念日や○○の日を制定したPR活動が、盛んにおこなわれるようになりました。

しかしながら、思ったほどの成果や広がりにならず、不発に終わる「◯◯の日」が多いのも事実です。その原因としては、2018年の時点で1800件以上が制定されており、現在はそれ以上の記念があることから圧倒的にその数が多く、差別化しにくくなっていることが挙げられます。

そこで、今回の本題である、PR会社が考える○○の日、記念日活用の仕方について深堀してきたいと思います。

 

記念日が有名なものには、徹底的に乗っかる

この時期ですと、ハロウィンやクリスマス、バレンタインなど、季節のイベント日や11月22日(いい夫婦の日)などの有名な記念日は、毎年必ずと言ってもいいほどメディアが取り上げます。

そこで、とにかくこのようなイベントには徹底的に乗っかってみるというのも一つの手であると考えています。
当然各社このタイミングに合わせてプロモーションやPRを仕掛けていくので競合が多くはなりますが、企画や内容が面白ければ十分チャンスがあります。

数が多く埋もれてしまいがちな他の記念日よりは有力なのではないでしょうか?

 

 PRメインではなく消費者やファンを喜ばせるイベントとする

企業の一方通行となるPRフックとしての活用ではなく、いかに消費者やファンを巻き込み面白く楽しいイベントとするかが重要だと考えています。

先ほどから、事例として挙げているポッキーとプリッツの日も、昨年は、ポッキー派とプリッツ派に分かれてそれぞれのチームに出されたお題に関する動画をTikTok上に投稿し消費者と盛り上げていくキャンペーンを行いました。

投稿した動画を消費者自体が評価し合うため、よりユニークなものやオリジナリティあふれる投稿を行うような工夫がなされ、参加者が自分ゴトとしてとらえやすく主体的に盛り上がるイベントとなりました。

結果的に、消費者が楽しんでキャンペーンに参加している様子が情報として拡散、認知されメディアでも話題になりました。またその話題によりイベントが更に加速して盛り上げるという良い連鎖がおき、大成功を収めています。

このように参加する消費者同士が相互に楽しめ、情報を発信できるコンテンツやプラットフォームを作ることが重要なのではないでしょうか?

 

 記念日を使った広報活動は消費者主体で情報発信

記念日や○○の日を上手に活用するには、有力な記念日に合わせて情報発信を行い、企業独自記念日には、その日をPRのフックとするような、企業一方通行の発信ではなく、消費者が楽しく参加でき、主体となって情報発信できるような巻き込み型の仕掛けを作くることが重要となります。

いかがでしたでしょうか? 皆様の参考になれば幸いです。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事