メディアプロモートの方法を知ることで、自社の露出機会が格段に上がります。
今回は、広報が知るべきメディアプロモートについて3分でまとめてみました。
メディアプロモートとはどういう意味?
「自社そのものや、商品・サービスに興味を持ってくれるかもしれないメディア関係者の連絡先を集めたもの」のことを、一般的に「メディアリスト」と呼びます。
そのリストに対して行う広報活動をメディアプロモート、あるいはメディアアタックといいます。これがあるからこそ、「金融関係担当者に、化粧品関連の情報を伝える」などのミスマッチが減るわけですね。
しかし多くの広報担当が持っているメディアリストは、「弱い」です。
具体的に言うと、「興味を持ってくれるかもしれないけれど、可能性が低すぎる」という感じです。
一方、「強いメディアリスト」の場合は、興味を持ってくれる可能性が高いわけです。
詳しく解説すると、
「ネタができる→ネタに合わせてリストの中から伝える相手を厳選→選んだ相手にプレリリースを一斉配信する→3パーセント以上の人が何らかの反応をしてくれる」のが、強いメディアリストです。
パーセンテージがはっきり定義されているわけではありませんが、最低でも3パーセントくらいはないとメディア露出を勝ち取るのが難しくなります。ちなみに厳選に厳選を重ねたり、こまめにネタ提供をしたりしていると、それが5~10パーセント以上になってもおかしくありません。
広報担当者が強いメディアプロモートのリストを作るための5つの手順
■1:自社そのものと商品・サービスの記事が載りそうな媒体を厳選する
例えば「日経新聞」や「会社がある地域の地方紙」など、メディア露出の可能性がある媒体をいくつか絞り込みます。
あまり多すぎても大変ですので、最初は多くても3つくらいに抑えましょう。
■2:その媒体の直近1年分を読む
一例として化粧品会社の広報担当者であれば、化粧品業界関連の記事をひたすら読み漁ります。当然、「業界全体の動向」や「競合他社」の記事がメインになるはずです。
新聞や雑誌であれば1年分も読めば「あること」が分かるはずです。
■3:「記事の担当者」を記録しておく
「2」と同時進行で行うべきですが、各記事の記者名を記録しておきましょう。
(ただし、特に新聞の場合は記者名が記録されていない可能性があります)
すると、上記でいうあること、つまり「だいたいこの人がこの分野の記事を書いているな」という記者が数人程度浮かび上がるはずです。
■4:その記者に声をかけてみる
そして、その記者に声をかけてみます。
「そんなことして大丈夫なの?」と感じるかもしれませんが、常識と礼儀を守っていれば問題ありません。「断られたら、そのときはそのとき」と気楽に考えましょう。
連絡の取り方ですが、
・新聞社などに電話をする
・個人宛てに電話をする
の主に2種類があります。
記者によっては個人でSNSアカウントを持っていることもあり、その場合は直接連絡してみても構いません。
そうでなければ、素直に新聞社に電話をかけます。
■5:メディアリスト作成後のキャラバン方法
新聞社にTELをするものとして、上手くいった場合の会話例を挙げてみます。
広報担当「○○社の△△です。御社のフルネーム記者とお話させていただきたいのですが、いらっしゃいますでしょうか?」
電話受付「しばらくお待ちください」
記者「お待たせしました」
広報担当「○○さんがお書きになっている化粧品関連の記事を読ませていただきました。
私、化粧品会社の広報担当をしている者ですが、今度弊社で○○という商品をリリースする予定でして~。もしご関心がありましたら、情報提供をさせていただきたく、連絡をいたしました」
記者「分かりました。詳しくお話を聞かせていただけますか?」
などなど。
「記事を読んでいます!」という時点でかなり印象が良くなるので、会話が進めやすくなります。
そして、できればこの後面談ができるように動きましょう。「この広報担当は、良いネタをコンスタントにくれるかも」と思ってもらえれば、記者のほうから面談を持ち掛けられる可能性もあります。
■6:連絡先をもらう!
名刺交換などをして、
・個人メールアドレス
・直通電話番号
・ファックス番号
などをもらいましょう。
■7:1~5を繰り返す
1~5を繰り返して、「強いメディアリスト」の(暫定での)完成を目指します。
人数としては50人ほどいれば十分です。むしろ、「本当に強いリストを!」と考えると、100人も200人も集めるのは難しいと思います。
また、一度新聞で始めたら新聞、雑誌なら雑誌……など特定の媒体にこだわり過ぎるとリストの人数が増えにくくなるので、新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、ウェブメディアなど、幅広い媒体に手を出していきましょう。
メディアプロモートに関する3つの注意点
■1:ただの「プレリリース送付先」ではありません
「強いメディアリスト」を作ったとしても、相手に「この広報担当は、ただプレスリリースを自分に送りたいだけだ」と思われれば、だんだん反応してくれなくなります。
もちろん、記者もビジネスで動いていますから「自分はプレスリリースの送付先である」ということは理解していますが、それだけでは関係は成り立ちません。
・少しでも関係のありそうなネタなら提供する
・その記者の記事を定期的に読み、感想を送る
・一人の人間として礼儀正しく、思いやりを持って接する
というように、血の通った関係性を構築しましょう。
3つ目については「何を当たり前のことを……」と感じるかもしれませんが、忙しい日々の中ではついつい忘れてしまい兼ねないことです。
■2:メディアリストの「更新」を忘れずに
メディア関係者(記者、ディレクター、編集者など)は、比較的早く担当などが変わっていくものです。
ですから、メディアプロモーション用のリストはこまめに更新しましょう。
更新方法ですが「1」でお伝えしたような関係性が構築されていれば、記者のほうから広報担当に連絡をくれます。
例えば、「○○さんの後任の△△です。どうぞよろしくお願いいたします」などといった感じ。
3:メディアリストの共有も忘れずに!
社内に複数の広報担当者がいるのであれば、できれば「全ての広報担当が、全てのメディア関係者に連絡を取れる状態」を作りましょう。
地道に電話で挨拶をしたり、面談をしたりすれば大丈夫です。
また、引継ぎがある場合は、必ず後任の広報担当者にメディアリストを渡しましょう。
もちろん単に渡すだけでなく、全てのメディア関係者に挨拶する必要があります。
できれば、「メディア関係者+旧広報担当+新広報担当」で三者面談をしたいものです。