CAPMとは?意味や活用方法を知り経営や広報活動の投資採算性を図ろう
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2023.02.27

CAPMとは?意味や活用方法を知り経営や広報活動の投資採算性を図ろう

CAPMとは、Capital Asset Pricing Modelの略語です。

資本資産価格モデルとも呼ばれます。CAPMとは個別株式が持つβ値から、その株式に投資をしている投資家がどのくらいの収益率を期待するのかを関連付けたフレームワークです。

頭文字を取って「キャップエム」と読むこともあります。

 

CAPMで何がわかるの?意味と考え方を理解しよう

CAPMにより算出できるのは、株式投資期待収益率E(r)です。

企業側から見れば株主コストと言い換えることができるでしょう。従って、この株主コストと負債コストを加重平均することにより、企業が調達している資本のコスト(WACC、加重平均資本コスト)を計算することができるわけです。

さらに、このWACCで個別案件が生み出す将来のフリーキャッシュフローを割り引きます。すると、個別案件の投資採算性の検証に、その企業に資本投下している投資家の期待値を織り込むことができます。つまりは、資金使途と資金源を一気通貫で関連付けることで、企業は投資家の代わりに投資を行うという企業経営の基本理念とも整合させることができます。

 

CAPMの算出方法とは?

CAPMの計算式は以下の通りとなります。
・E(r)=rf + β(rM - rf)

※E(r)=任意の株式の期待リターンです。株式投資期待収益率とも表現されます。

rf=リスクフリーレートです。リスクフリーレートとは、無リスク資産から得ることのできる利回りを指します。
β=任意の株式のβ値です。βとは、株式市場が1%変化したときに、任意の株式のリターンが何%変化するかを表す係数です。個別の株式の相対的なリスクを表します。

rM - rf=マーケットリスク・プレミアムです。マーケットリスク・プレミアムとは、マーケット・ポートフォリオの期待リターンから、リスクフレートを差し引いたものを指します。マーケットリスク・プレミアムを推定する際には、過去のマーケット・ポートフォリオに近似のポートフォリオ(日本で言うと例えばTOPIX)の利回り実績と国債の利回り実績との差を使うことが多いです。

■CAPMとROEの関係性

株式投資の指標では、よくROEが使われます。ROEは次の式で表されます。
ROE=当期純利益/株主資本

ROEとは、株主資本に対する当期純利益であることがわかります。株主にとってのリターンを表す、最も基本的な指標です。「資本をどれだけ効率的に純利益に結びつけているのか」がわかるので、非常に便利な指標であるのは間違いありません。
しかし、ROEはリターンとコストのうち、リターンのみなので株主利益の一面にしか過ぎません。

そこで、「利益を得るために投入した資金を調達するためのコスト(=CAPM)」も考えなくてはなりません。原価割れのものはいくら売っても赤字なのと同じように、還元要求が凄まじいのに、わずかなROEでは良い投資先ではありません。
企業価値を高めるには2通りの方法しかありません。それは、リターンを増やすか、コストを抑えるかです。

ROEはリターン側で、CAPMはコスト側ということになります。
つまり、CAPMとROEをセットで扱うというのが、良い経営判断、投資判断となります。

 

CAPMの3要素とは

■まずは、CAPMとリスクフリーレートです

リスクフリーレートは「ノーリスクで儲けられるようなものに投資した場合、利益率はどれくらいだろうか?」というものです。投資家はわざわざリスクを取って企業に投資をするのに、ノーリスクでの利益率よりも高いリターンが無ければその企業に投資をする意味はありません。
一般的に、最も安全な資産は日本国債と思われています。

これは元本割れもないし、信用リスク(貸し倒れリスク)もないということです。
そこで、10年物国債の利回りがこのリスクフレートにあてがわれます。この値は、約0.055%と言われています。
これだけ安く資金調達できるなんて、企業は有り難いと思います。

■次に、CAPMとβ値です

β値は個別企業のリスクです。リスクとは、企業の株価のデータから、どれだけボラティリティ(値動きの変動幅)があるかによって決まります。
市場全体(TOPIX)のボラティリティ平均は1で、1<βなら高リスクとなり、1>βであれば低リスクとなります。
企業としては、このβ値が低ければ低いほど、資金調達は有利となります。

■最後に、CAPMとマーケットリスク・プレミアムです

マーケットリスク・プレミアムは市場全体(TOPIX)の期待リターンから、リスクフリーレートを引いて求められます。

これが何を意味するかというと、そもそも個別の企業に投資をするのではなく、市場全体投資したときに、最低限これだけは期待したいリターンのことです。
市場へ投資するのにはリスクがあります。リスクフリーレートの目安である10年物国債に投資すればノーリスクで利回りを得られます。つまり、「わざわざリスクを取って株式に投資する以上、リスクフリーレートに比べてこれだけのリターンは欲しい」ということです。

■CAPMのまとめ

以上が、CAPMについての解説でした。有効に活用すれば、経営や事業の採算性をちチェックして、PDCAを回していくことができます。

ぜひ、有効に活用していきましょう。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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