可愛い広報担当者には無茶させよ!部下の育成の仕方
コラム
経営戦略×PR
2023.02.27

可愛い広報担当者には無茶させよ!部下の育成の仕方

1年目を終えて自分にも広報としての部下ができた。
しかし、その部下をどう育成して良いか分からない……。そういった事で悩む先輩広報担当が少なくありません。

ここでは「広報担当者だからこそ」の部下の育て方を紹介していきます。
※なお基本の業務内容などは既に教えているものとして解説していきます。

*参考リンク:基本はこちら!広報業務とその役割をわかりやすく解説したよ

部下の育成のポイント3選

○1:「無茶をさせる」のが大事です

新聞記者などとコミュニケーションを取る機会があれば、積極的に部下を対応させてください。
部下もためらうでしょうし、実際のところ、例えば「何か次のトレンドに合わせた商品などは開発中でしょうか?」などと質問されても、ロクに答えられない可能性が低くありません。

そのときに新聞記者の「うわっ……だめだ」という顔。これこそが広報担当者を成長させます。
さらに、その新聞記者に対して「すみません。まだ新人なもので……」と先輩がフォローするのは忘れずに。

正直なところ、現場1000回です。後は放っておいても自分で研鑽を積んでくれます。
さりげなく見守るようにして「明らかに間違った方向性の努力」をしたら正してあげましょう。

また、ある程度経験を積んだら、一人でメディア関係者のもとに行かせましょう。失敗するかもしれません。ですが、そのときは上司が電話やメールでフォローすれば良いのです。

そして、「フォローできない状態でも、積極的に部下を行かせるべき」です。
失敗を糧に部下は成長しますし、「新しいメディアを一人で獲得してこい!」ぐらいでちょうどいいでしょう。「優秀な広報担当者一名」を将来確保できると考えれば安いものです。

部署によってはこのやり方ではダメかもしれませんが、広報のような「外部の人間が密接に関わってくる業種」の場合は、こういった方針が適切です。

○2:他社の広報担当者との交流も有効

先輩広報担当本人としては少し複雑な気持ちになるかもしれませんが、実は新人広報担当が真剣に話を聞くのは、「自社の先輩広報担当」ではなく、「他社の広報担当」です。
自社の先輩の話もちゃんと耳には入りますが、心を打たれはしないのです。

極論、他社の広報担当が教育係をしてくれるのであれば、比率として半分くらいは任せても構いません。
近年、多くの会社の広報が「横の繋がり」を作りたがりますので、案外効率の良いやり方なのかもしれません。

○3:「挑戦」そのものを褒める

失敗したかどうかは関係なく、「挑戦」をしたのであれば褒めてください。
そのあと、「仕事内容振り返り→失敗理由の分析→次回に活かすためにはどうするか」と考えていけばOKです。

もちろん、成功した場合はさらに強く褒めてください。そうでないと「成功そのもの」の価値が薄くなってしまいます。

○4:「悪いところ」を無視するのは逆効果

「まあ、まだ新人だし大目に見てやろう……」という気持ちが働いて、部下の失敗をスルーする先輩がたまにいますが、これは良くありません。
なぜなら「会社のためにならないから」です。新人がまた同じミスをすれば、会社にダメージを与える事になりますよね。ですから、不必要に甘やかしてはいけません。

また、悪いところを言わないと、「どうせ直らないと思われているのだろうか……」と、部下のモチベーションを下げる事になります。

もちろん怒鳴ったり嫌味を言ったりしろというわけではありません。わかりやすく、「ここを改善していくべきだから頑張ろう」などと言ってあげてください。

○5:「成長したね」

人間が大いに喜ぶ褒め言葉の一つに「成長したね」というものがあります。
「ずっとその人を見守っていないと出ない表現」だからこそ、「相手への信頼感」と「達成感」が沸き上がってくるのでしょう。

だからこそ「放任主義ではあっても、部下の仕事は全部把握する」ことを徹底してください。
そうでないと、「成長したね」とは言えません。

ちなみにいつも「成長したね」では、「褒められ慣れる」という現象が発生するので、「伸びたね~」「この仕事、最初の頃の君なら多分できなかったよね」「もう、新人とは言えないくらいだね~」など、色々な「『成長したね』を言い換えた表現」を使いましょう。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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