メディアリストはどう作る?広報担当者が覚えるべきメディアの数やまとめ方
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2023.02.27

メディアリストはどう作る?広報担当者が覚えるべきメディアの数やまとめ方

メディアリストは広報PRを計画的に実施するうえでなくてはならないものです。

時代が進むにつれて「メディア」の種類も増えてきました。まず、思いつくのは新聞・テレビ・ウェブ記事などでしょう。その他にもラジオや雑誌・業界誌などもメディアに含まれます。

こうした状況で、「メディアの数がたくさんあり過ぎて、どれをチェックしていいのか分からない」という広報担当者も少なくないと思います。

では、広報担当者は、いったいどの程度メディアを知っておくべきなのでしょうか。その疑問に「メディアリスト」の作り方やExcelでのまとめ方を交えながら、ズバリ答えてみたいと思います!

メディアリストにまとめて「100%把握しておく」が理想ですが

冒頭でお伝えした新聞、テレビ、ウェブ記事、ラジオ、雑誌など、さまざまなジャンルがあります。
そして、一番よいいのはそれら「全てのメディア」をメディアリストにまとめてくまなく把握しておくことです。

しかし、それはあくまで理想論。
実際には、「全部覚えるぞ!」などと思っていても、1日100時間あっても足りないので諦めてください。

広報担当の仕事が「メディアのチェック」だけなのであれば、もしかしたら、記憶術を駆使して何とかなるかもしれません。
しかし、広報担当には他にも大事な仕事がたくさんあります。

 

まずはここから!広報担当者が覚えるべき5つの対象メディア

では、広報担当者はどのようなメディアを、日頃からチェックして覚えておくべきなのでしょうか。
いくつか代表的なものを紹介していきます。

便宜上「4つ」と表現しましたが、
個数で考えるのが難しいものもありますのでご了承ください。

1:同業他社を頻繁に取り上げているメディア

まずは、同じ業種のライバル企業を積極的に特集しているメディアを確実にチェックしましょう。
そのためにはライバル企業のウェブサイトなどを確認しておく必要があります。
これは裏技的なテクニックですが、「会社名 商品名(サービス名)」などで検索すると、関連するウェブ記事に直接たどり着ける場合もあります。

2:ローカル番組・地方紙

地方にある企業であれば、「地元で話題」になれそうなメディアも押さえます。

東京については「テレビ東京」などの大手メディアもローカル局であり、競争率が高くなる可能性もあります。
そのため、都内の会社の場合は「ローカルラジオ局」も抑えておくことをおすすめします。たとえば調布FM、かつしかFM、多摩レイクサイドFMなどですね。

もちろん、地方でも可能であればローカルラジオ局について調べておきましょう。
地域差もありますが、ラジオ局側がネタ切れで困っている場合もあります。

3:ハブとなる大手ウェブメディア

グノシー、ヤフーニュース、スマートニュースなどのことです。
もう少しマイナーなものだと、WIRED、ハウコレ、ねとらぼなど。マイナーとは言いましたが、いずれも月間500万PVをオーバーしています。

ただ、こういったウェブメディアも数百~数千はありますので、あまりにも月間PV数が低いものや、自社の業種とはあまり関係ないものなどは省いて考えてしまって構いません。

むしろ押さえるべきは、ハブとなるWEBメディアです。

ウェブメディアの種類にもよりますが、「情報の素早さ」「情報の奇抜さ」「テレビでは紹介できないような情報であるかどうか」が重視される傾向にあります。そのため、誕生した間もない会社であっても、「会社としての取り組み」や「広報の仕方」次第では、ネットで拡散してかなり目立つことができる場合もあります。

4:個人ブログ

これは業種によりますが、特にアパレル、コスメ、外食、サプリメント・健康食品業界などは、個人ブロガー(一般ブロガー)の影響が強く出やすいジャンルでもあります。
とりあえず、人気ランキングの常連のブログは押さえると良いでしょう。

ただし、相手は個人。あまりにやらせ色が強いと、ステルスマーケティングになりやすいという側面もあります。
個人相手に頼む場合は、普段以上に「クリーンであること」を徹底してくださいね。

5:ユーチューバー

番外編:こんなメディアもチェックしておくと面白いかもしれません。
「1~4」ほどは重要性が高いわけではありませんが、把握しておくと意外に役立つかもしれません。

ヒカキンさん、はじめしゃちょーさんなど、これも近年話題になっているメディアですね。

多くのユーチューバーは純粋に視聴者を楽しませるような普通の動画を投稿して、広告収入を得ています。しかし、ときどき「企業案件(企業タイアップ)」と呼ばれる形式の動画を出すことがあります。

これは、企業側からすると「お金を払って、何らかの宣伝してもらう動画」のことです。
YouTubeに馴染みのない方からすると、ピンとこないかもしれません。

しかし、人気のあるユーチューバーであれば1つの動画が数十万~数千万回以上再生されるのが普通です。ターゲットによっては、テレビ以上の宣伝効果があると考えて良いでしょう。

また、最近は多くの人気ユーチューバーが芸能人と同じように事務所に所属しています。
その事務所に連絡を取れば、スムーズに企業タイアップ動画を出してもらえる可能性もあります。

そして、ユーチューバーは数えきれないほど存在していますので、「こんなマニアックなモノ・サービス・企業を紹介してくれるチャンネルなんてあるかな……」と感じるようなものでも、見つかる場合があります。

ユーチューバーに限らず、こういった比較的新しく、かつ「興味がないと全く触れることのないメディア」に対する知識も、広報担当者である以上、豊富に蓄えておきたいところですね。

 

チェックの優先度が低い種類のメディアは2つ

反対に、真っ先に「確認リスト」から外すべきメディアもあるので紹介しておきます。広報担当者なら必ず参考になると思いますよ。

1:まとめサイト

正式名称なのかは分かりません。いわゆる「まとめサイト」と総評されています。こちらはメディアとして認識する必要はほぼありません。

なぜなら、まとめサイトは独自の情報を発信するわけではなく、2ch(現:5ch)などの「匿名掲示板」の多数の書き込みや、雑誌やWebサイトの情報を、一つの記事のようにまとめているだけだからです。

いっぽう、まとめサイトは「発信源の分からない書き込みをまとめる」という性質上、情報の精度が低くなりがち。「自社に関する間違った情報が発信されていないか」は確認しておくべきかもしれません。

そして、場合によっては、そのまとめサイトの管理者などに記事の削除要請をすると良いでしょう。

ちなみに、ほとんどのまとめサイトの管理者の目的は「アクセス数を稼ぐこと」です。
こうした意味からも、まとめサイトの動向を気にするのは、ほぼ時間の無駄であると言えます。

2:高視聴率のテレビ番組

これに関しては、意外に感じる方もいるのではないでしょうか。
「むしろ最優先でチェックしておく必要があるのでは?」と思う人が少なくないはずです。

しかし、こういった番組は競争率が高過ぎるので、
よほど大手の企業の広報担当者でもない限りは、チェックの優先順位はかなり低いと考えて構いません。

 

Excelなどで自分だけのメディアリストをまとめておきましょう

以上のようなことを意識しつつ、
「このメディアにはいつか取り上げて『もらいたい』」「このメディアなら取り上げて『もらいやすい』」
というものをまとめたリストを作ることをおすすめします。

Excelなどを使って、

・メディアのジャンル(テレビ番組、新聞、ラジオ……など)
・具体名(新聞のコーナーの名前など)
・備考

などを書き入れていきます。
備考のところには、「このメディアの特徴や担当記者」「いつ、コンタクトを取ったか」など、あとから自分で見て分かるようなコメントや注釈を入れておきましょう。

もちろん、他にも色々とリスト内に加えたい情報が出てくると思います。自分なりにアレンジして、マイベスト・メディアリストを作成していくと良いと思います。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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