マーケティングに役立つ「使える心理学」を15個に分類【保存版】
PR戦略とは
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2019.10.31

マーケティングに役立つ「使える心理学」を15個に分類【保存版】

戦略の展開イメージ

マーケティングや広報に、すでに研究で結果がでている最先端の心理学の理論を押さえることができれば、ユーザーの反応は変わります。

日ごろから企画を考えている人であれば、最終的に仕上がる提案に新しい切り口を見つけられず、マンネリしている人も多いのではないでしょうか。

経験則で作られた企画に対して、一定の自信はもっていながらも、本当にそれで人は動くのか、という部分で説得材料が足りないと感じている人もいるでしょう。人の行動の原則は個別で見るとバラバラのように見えても、俯瞰してある程度まとまった人数を見た場合、同じ行動をとっているもの。

その原則をまとめたものが「心理学」という理論にまとめられています。
今回は、そんな広報やマーケティングに使える「心理学」について紹介します。

 

じつは広報・PRで戦略的に使える心理学

心理学の研究は長く、何十年も前から法則が変わることなく現在でも使用されています。
つまり、今も昔も人の行動はほとんど変化がないのです。この心理学の理論をあなたの具体的な問題に掛け合わせることで、より深いインサイトを見つけることが可能です。

そこで、今回は広報PRの視点から、ユーザーの説得に使える、ターゲットの心をゆさぶる心理学戦略の取り組み方を解説していきます。

 

➀希少性の法則(原理):先着、限定

希少価値のイメージ

人がどのような物に価値を感じて、価格が決まるかというと希少性が非常に大きく関わってきます。人は数が少ないものに対しては価値を大きく感じ、価格も高くなって容認される傾向にあります。

金や銀の価値が高い理由は、単純に算出される量が少ないためです。
同じものでも時代によって代わるものもあります。サンマは昔、大衆魚で比較的リーズナブルに買うことができました。しかし、現在は漁獲量が減った上に大部分が中国に流れているため、サンマは高級魚になってしまうとも言われています。

このように数が少ないもに価値を感じる人間の心理として「希少性の法則(原理)」と呼ばれています。

この法則もまた、広報やPRマーケティングに活用することができます。売り方に限定性がある商品だというメッセージを伝えることによって、顧客は希少なものであると認識し価値を高く感じるようになります。

人は希少性だと認識すると、「今買わないと、もう二度と買えないかもしれない」と考えるためです。
そのため購買意欲をかき立たせるために、この法則はよく使われています。なお、希少性を出すために使われる限定性は「①数量の限定」「②期間の限定」「③特典の限定」の3つがよく知られています。

 

②好意の法則:CSR、CSVなどの社会貢献

社会貢献のイメージ

好意の法則は人は相手から好意を向けられると、その相手のことが嫌いでもない限り、好意を返してしまうことです。

好意の互恵性、好意の返報性ということもあります。
人は「商品そのもの」がほしいのであれば、どんなお店・どんな場所で買ってもいいはずです。しかし、実際は違います。

・少し高くてもあの人から買いたい
・少し遠い場所のお店でもわざわざ行ってでもあの人に買いたい
・あっちのほうが機能は優れていても、私はこちらが好きなのでこちらで買いたい

経済合理性で考えればやらない行為でも、人は感情で判断しあとでもっともらしい正当な理由付けをしてしまうのです。だからこそ、ビジネスにおいて顧客から好かれるという好意は非常に重要です。

その法則が該当しているものに、CSR、CSVがあります。

●CSRは企業が事業活動を行う上で倫理を尊重し、社会に対して貢献する責任のこと。
●CSVは企業が社会的に問題である課題に対し、イニシアチブをとって活動し、社会のために価値を創造する行為が結果的に経済的価値に反映されると考えるもの。

CSRは企業にとって自分の事業に直接かかわらない内容も扱っているのに対し、CSVはあくまでも企業の事業領域に関わって行動する内容です。
いずれにしても社会のために行動するというメッセージは今後、より必要とされる資質になってくると考えられています。

 

➂権威性の法則:〇〇賞獲得

権威性のイメージ

権威性の法則とは偉い人がいうことは、正しいと認識してしまうことです。
大学の教授から言われたらまず聞いてみようとなりますし、お医者さんから指摘され薬を処方されたら、よく分からなくても服用するでしょう。

このように権威のある人、専門的な人などがいう言葉や行動に関して、深く考えずに信用してしまう現象です。
テレビによく出演している知識人、文化人と呼ばれる人たちや、芸能人などにも影響をうけてしまいます。

権威性の法則をマーケティング・広報に活かすとした場合、権威者からのお墨付きをもらうという方法があります。
〇〇賞受賞やミシュランなどの評価付けなどが権威性を使った方法です。
権威付けの数はそれほど多く必要はありませんが、権威の質は高ければ高いほど良いですし、権威の元となる内容に対して、しっかりと丁寧に説明を加えると顧客も納得しやすくなります。

 

④バーナム効果:「これは自分にあっている商品だ」と思い込む

パーナム効果

本当は誰にでも該当しそうな性格の特徴を指摘された人が、自分にとって当たっていると勘違いする現象のことをバーナム効果といいます。

占いやさんや、宝石の店員さんの営業トーク、恋愛などの駆け引きにもよく使われています。この現象を上手く使っているのが広告制作者です。

「これは自分にあっている商品だ」と捉えてくれるような商品を作ろうとしているからです。

 

⑤バンドワゴン効果:「皆が話題にしているから安心」

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果は、ある商品やサービスに対して大勢の人が支持していると、その製品やサービスの価値はより一層高くなると感じる現象のことです。

バンドワゴンとは、パレードなどの行列に使われる先頭を走る楽隊車のこと。時流に乗っている意味で使われることが多い心理学用語です。

流行り物には目がない日本人にとって、バンドワゴン効果の影響がより受けやすい体質といえます。
「皆が買っているものは安心」「皆が話題にしているから安心」などの心理状況になりやすく、購買欲求が高まる傾向にあります。

マーケティング的に使われるのは「行列ができるお店」といったものには、バンドワゴン効果が働いていると考えられます。また、大勢が支持しているという意味では「当店NO1の商品」という言葉も該当します。
SNSなどを利用し、「自社の商品がいかに顧客に支持されているか」を伝え、「今はこれが流行りです」と世の中の流れを解説したうえで、その流行りに沿った商品を告知して販売するということもあります。

 

⑥カクテルパーティー効果:相手の名前を入れて話す

カクテルパーティー効果のイメージ

飲み会の席や結婚式の二次会など、ガヤガヤしている場所でも、自分の名前を呼ばれると気づいてしまうのではないでしょうか。

電車やバスで帰宅の時、どんなにウトウトしていても自分の最寄り駅やバス停に近づくと、なぜか眼が覚めるということはないでしょうか。

カクテルパーティのように、どんなにそれぞれが雑談をしていてガヤガヤしていたとしても、自分が興味がある人の話や、自分の名前などはなぜか聞き取ることができるという事象のことを「カクテルパーティ効果」と言います。

前述した2つの事例は自分の名前や自分の最寄り駅を自分の事として認識しているため気づくわけです。

この心理は日常の会話でも有用性が認められています。相手に好意を持ってもらいたい場合、相手の名前を呼ぶだけで無意識に相手が自分の事に関心をもってもらえます。
ですので、相手の名前だけでなく、相手の興味のあることやキーワードを盛り込むことで効果があります。

私たちは無意識に興味のないものには、目に入らない仕組みになっています。
ですので、顧客にいかに自分の事だと興味を持たせることができるのが重要なのです。

このことから広告やマーケティングに使う場合、いかに「あなただけにメッセージを送っているか」と思ってもらえるかが重要です。
そのためには、顧客のデータを把握し、どのような物、事に興味があるかということを分析する必要があります。

また、どんな人でも興味があるのは「自分の名前」。セミナーやオプトインメールなどのメッセージの中で、いかに相手の名前を呼ぶかでも成果が変わってきます。

 

⑦テンション・リダクション効果:オプションを提示する

テンション効果のイメージ

高価な商品を購入した直後だと、つい気持ちが大きくなってしまい、店員さんから勧められた他の商品も買ってしまうという心理効果のことをテンション・リダクション効果と言われています。

やっとの思いでだったり、自分へのご褒美だったりとして購入した直後の場合、一層この効果が高いといわれています。

商品購入前は非常に緊張状態にあるのに対し、購入した直後の場合、その緊張がほぐれ心理的に無防備になります。その無防備のタイミングで勧められると、買うつもりがなかったのに、思わず買ってしまうということになります。

・高級車を買った直後に、オプションの提示をされた
・高級な食卓を購入した直後にテーブルプランナーを勧められた

などが該当します。

思考力が低下していて無防備な状態を狙って提案すると結果がでやすいのは、このテンション・リダクション効果で説明ができます。

最近多いのがインターネットショッピングなどでよく出てくる「レコメンド機能」です。
煩わしいと思うユーザーも多いようですが、運営者側もレコメンド機能を使う方が、金銭的メリットが大きいと感じています。
顧客のデータがどんどん蓄積されていけば、最適な商品を推薦してくる可能性もあります。財布にとっては大敵ですね。

 

⑧カリギュラ効果:絶対に読まないでください

カリギュラ効果のイメージ

「禁止されているものほどやってみたい」という心理がカリギュラ効果です。
この効果は子供のころから身近にあります。「鶴の恩返し」や「パンドラの箱」などの物語もこの手法が使われています。

また、広告やテレビなどでもよく使われています。あえて音を消す「ピー」という効果音によって、人はかえって興味を持ちますし、「心臓の悪い方は見ないでください」と言われれば、かえって見たくもなります。

雑誌の袋とじのマル秘のページだったり、インターネット上でクリックしたくなるフレーズがあったりと、あちらこちらのシーンでこの心理が利用されています。
なぜなら、人間の抗えない本質的な心理だからです。

 

⑨フォールス・コンセンサス:商品レビュー

フォールス・コンセンサスのイメージ

自分の意見、考え、行動は大多数の人と同じで正しく、一般的、多数派だと思い込む心理がフォールス・コンセンサスです。

皆自分と同じように思っているはず、と思い込み、親しい関係であればあるほどその傾向が強いとされています。

フォールス・コンセンサスのことを日本語では、「相違誤認効果」、もしくは「嘘の合意効果」と呼ばれています。

統計資料などの客観的資料がないときほどそのように考えやすくなります。資料があったとしても事実を歪めて捉える、作話行為が起こり資料の方が間違っていると言い出すこともあります。

集団で物事を考えた場合、メンバーはこのようなフォールス・コンセンサス効果が起こると、適切な判断を下せなくなります。

その心理を逆手に取っているのがレビューです。
自分の意見の正当性を確認し、安心を得たいと思ったときに見込み客はレビューを調べ始めます。「使った人がそういうのなら、間違いのない商品だ」と思いこむわけです。まさに、この心理が働いているといってよいでしょう。

 

⑩シャルパンティエ効果:これ一本で一日に必要な食物繊維の半分が摂取できます

シャンパンティエ効果のイメージ

身近なイメージを使って「例え」を使われると心理的に錯覚を起こしてしまう現象がシャルパンティエ効果です。
あなたの目の前に5キロの石と5キロの羽毛があった場合、どちらが重く感じるでしょうか?

実際は同じ5キロのはずなのに、なぜか印象として5キロの羽毛の方が軽く感じてしまうのです。
「石」と「羽毛」はどちらも大抵の人が知っているものであり、どちらも重さや見た目もイメージしやすいものです。

しかし、両者を比べた場合には羽毛の方が軽いと認識してまうのです。
シャルパンティエ効果はよく広告文などにも使われます。「これ一本で、一日に摂取しなければならない食物繊維の半分を補完できるジュースです」などと、アピールしたい要素を、見込み客のイメージしやすいもので例える。
すると、よりその商品の良さが伝えられるようになります。

 

⑪ザイオンス効果:メールマガジンなどで何度も顧客と接触

ザイオン効果のイメージ

相手に何度も接触することで、相手がだんだん好感度や評価が高まっていくことを心理学ではザイオンス効果と呼ばれています。

本来、必要がないものだったり、興味がないものだったとしても、頻繁に目に触れたり、接触回数が増えたりすると、警戒心や恐怖心が薄れていき、親近感を持ち始めます。

このザイオンス効果はマーケティングや広告にも使われています。ブログを更新したり、SNSに投稿したり、メールマガジンなどを発行することもザイオンス効果になります。

一度訪問したサイトに行った後に、なんどもそのサイトの広告が画面上に現れる、リターゲティング広告なども該当します。

 

⑫マッチングリスク意識:無料お試しセット

マッチングリスクのイメージ

顧客が初めて商品やサービスを購入する場合、本当に満足のいくサービスを受けることができるのだろうかと思ってしまうことがあります。

この時の精神状態がマッチングリスク意識と呼ばれています。
このリスクがあることによって、購入されないということが起きてしまいますので、マーケティング・広告側としてはこのリスクをいかに排除することができるかという事を考える必要があります。

そのための対策として考えられることは5つあります。

・第三者のレビューを使う
・強引に売ることをやめ、時間をかけてゆっくりと販売する
・試供品や無料のお試しセットなどを作成し、配布する
・返金や返品保障などを充実させる
・購入後のアフターフォローをしっかりと行う

この中で広告・マーケティング業者が採用しやすいのは、試供品や無料のお試しセットを作成し、配布するがあります。
まずは利用してもらい、安心してもらってから販売する手法で、化粧通販業者などはこの手法を利用しています。

 

⑬エピソード記憶:思い出とリンクしたシーンをイメージさせる

エピソード記憶

今までに体験した特定の場所、日に、出来事などに関する記憶のことをエピソード記憶といわれています。
季節ごとの風物詩が売れるのは、過去にその顧客が風物詩になにかしらの体験記憶を持っていて、その記憶を引っ張り出してくるためです。

「クリスマス」「バレンタイン」「お正月」など、個々人がそれぞれの記憶をもっています。
その記憶を逆手に取った広告・マーケティング手法として多くの人が経験あるような事象を設定して広告にすることがあります。

「ダイエットするにしても、食事制限は大変・・・」
「デスクで毎日パソコンを使っていると肩がこりませんか・・・」

などが該当します。いかに顧客の過去に起きたシーンを具体的にできるかがポイントになります。

 

⑭リフレーミング:顧客のイメージを反転させる

フレーミング効果のイメージ

物事に対する枠組みの(フレーム)捉え方を見直し、新しい枠組みに代えることをリフレーミングと呼びます。
事実は同じだとしても、捉え方によって全てが変わってしまうからです。

・半分も入っている
・半分しか入っていない

コップに水は半分入っている状態で2つの枠組みは全く異なります。
同じように顧客のフレームを変える作業をすることが広告・マーケティングでは求められます。

「お客さんが少ない店」から「1人1人に親切に対応する店」
「料理の種類が少ないお店」から「名物料理があるお店」
「高齢者しかお客さんがいないお店」から「高齢者に支持されているお店」

など、事実は同じでも印象は全く変わってしまうのです。

 

⑮コミットメントと一貫性の法則:小さい要求を通したあと本題をお願いする

コミットメントのイメージ

人は自分で行動を決め、立場を明確にするためにコミットすると、最後まで一貫性をもたせたいと考える心理のことをコミットメントと一貫性の法則といいます。

この法則は、人の行動を動機づけさせる力を持ち合わせています。
一度決めたら一貫性を貫きたいと思う背景には2つの要因が絡んでいます。

・社会的に一貫性のある人は評価が高いから
・改めて考えるのが面倒になるから

一貫性のある人は社会から評価が高くみられる傾向があります。
したがって、そのように思われたいという意識が働き、一貫性を貫こうとします。

加えて、もう1つは考えるのがめんどくさいからです。
その都度考えるのは非常に疲れるものです。したがって一度決めたものに従っていくという方法の方が生活をする上で楽な行動になります。

そのため一貫性を取ろうとするのです。この一貫性の法則を逆手に取る方法が広告・マーケティングには存在します。

・最初に小さい要求を飲んでもらう
・仮に〇〇してくれたら、これしてもらってもいいですか?という「仮に話法」を使う
・買ってもらった後に追加でお願いをする
・何度も肯定的な意見を言ってもらってから本題に入る

どれも最初に小さい承認(購入)をしてもらったあとに、本当にしてほしいことを提示するのです。
顧客は一度承認してしまっていますので、今更断ることができずにお願いを聞いてしまいます。

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