PRファースト|PRを駆使して広告の前に市場をつくり出せ!
PR戦略とは
3分で分かる「PRの基本」
2019.03.30

PRファースト|PRを駆使して広告の前に市場をつくり出せ!

PRファーストについて説明する前に、成功事例からお話しさせて下さい。

今ロボット掃除機市場が急速な成長を遂げていることはご存知ですか?

最初にルンバがリリースされたのは2002年9月でした。それまでは「ロボット掃除機」という市場自体、存在していませんでした。
では、どのように市場を開拓していったのでしょうか?

ずばり、ロボット掃除機という商品が持っている商品メリット「消費者ベネフィット」を地道にお客様に伝えることに注力した結果だと言えます。まさに広報がPR活動を通じて、消費者とコミュニケーションをしたんですね。

ここで、私が考えるルンバ必勝!のPR戦略を3つのポイントとしてあげてみました。

 

掃除機ロボット3つのPR戦略

①新しいガジェットやおもしろい製品を探している層に向け、販売チャンネルを絞った

百貨店や東急ハンズに集まるアーリーアダプターの方を中心に、口コミが広がり、そこから販売網が少しずつ広がっていったと言えます。
また、家電芸人が最新トレンドとしてルンバを扱うことで、SNS上でも大きく盛り上がりました。

②初期段階でPR展開に注力したこと

そもそもルンバの商品知名度がなかったため、主にテレビの情報番組で取り上げることで、商品認知度を高めたこと。こうした広告よりも先にPRを駆使して市場をつくりだすことを「PRファースト」と呼びます

②販売網が拡大する中、日本導入後、早い段階でテレビCMを放映したこと

CMは世界観を伝えることに長けています。いっぽうで、具体的なスペックや利用シーンの機能性を伝えるのが難しいものです。ルンバの場合は、PRファーストとの相乗効果により、「自分で掃除をしないで、ロボットに任せればいい」というルンバならではの特性が大きく認知されるようになったのですね。

 

いかがでしたでしょうか。こうした施策を経て、ルンバという商品の認知の拡大に成功したのです。

これは日本ならではの取り組みだと思います。何故かというと、日本では知人の紹介やクチコミが絶大な影響力があるからです。
じっさい、日本人のクチコミの影響力は欧米の3倍などというデータもあります。

ルンバの存在によっていかに良い環境になったのかをPRメッセージとして発信することで、ロボット掃除機やルンバの良さを、自分ごととしてイメージしやすくなりますよね。掃除が楽になることで生み出される価値や楽しさを知ってもらう。そのことに注力した結果、ルンバというロボット掃除機市場そのもの拡大に繋げることに成功したのです。

「生活がどう便利になるか、楽になるか」という生活者目線での訴求が、認知拡大の鍵になったといえる事例ですね。

PRのポイント
PRファーストを戦略上にマッピングして上手に活用すれば、広告予算を削減することもできる。

執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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