広告の強みは速度。では広報(PR)の強みや違いはなに?
PR戦略とは
3分で分かる「PRの基本」
2020.03.03

広告の強みは速度。では広報(PR)の強みや違いはなに?

広告と広報(PR)のストロングポイントの違いは何でしょうか。

極論を一言でいってしまえば、
アプローチ方法が違うだけで、最終的に必要としている効果は同じです。

つまり、「商品・サービスの売上をアップしたい」「ブランド力をつけたい」「採用を強化したい」……
などなど、企業やサービスが求める最終目標は変わらないということです。

しかし、広告と広報、この2つを効果的に活用するための手法は大きく異なります。それでは、それぞれの特徴を説明しましょう。

 

広告 ― 速度が速く、浸透力は弱い

広告とは、各媒体(新聞や雑誌、テレビやラジオ、インターネットなど)の広告枠の一部を買い取り、時間や紙面を利用して“こんな商品やサービスがありますよ!”と自らアピールすること。

自ら主張したいことを企業側のしたい表現で、好きな時間に好きなメディアから発信していくものです。

読んで字のごとく、「広く」みずから「告げる」ということです。内容は広告主である企業側が決めることですから、当然ですが、いつ・どこで・どんな風に出るのか事前にわかっています。

表現方法として、たとえば、

●大特価!子供服半額セール
●スキッと爽快!男のスキンケア
●どこよりも安心。負担も少ない保険料!

このような表示は、主張をストレートかつ迅速に伝えていますが、ともすれば押し付けられていると受け取られかねません。
不特定多数の人に直接的にアプローチすることに長けていますので、伝達速度は速いですが、時に浸透力は弱くなります。
それが広告の良し悪しではないでしょうか。

 

広報 ― 速度は遅いが、浸透力は強い

広報(PR)とは、
公衆(Public)と良好な関係(Relation)を構築するための持続的な活動を差します。

企業が情報をメディアに発信すると、その情報を各種媒体がニュースとして取り上げ、一般公衆に広く知らせてくれる、というわけです。こちらも、読んで字のごとく「広く」「報じる」ということ。

ローリスクで最大利益を得る

この方法を利用すれば、広告のように莫大な費用を費やさなくてもよい、というメリットがあります。
つまり、CMを作成する手間が省けるということ。しかも、費用面とリスクを下げながら会社の宣伝をすることが可能なのです。

さらに大きく異なるのは、料金を払って掲載する広告とは違い発信されるかどうかはマスコミ(メディア)の判断による、ということ。
ですから、情報を提供したからといって必ず報道されるとは限りません
これが、広報が時間が掛かってしまう所以です。

しかしながら、報道されればマスコミという第三者が取り上げているということで客観性が増し、企業やその事業、製品に対する信頼感が大きく増ます

時間が掛かるが、一度火がつくと動くと早い

このように、積極的に広報(PR)活動を行っていけば、
企業はあまり費用をかけず、その事業や製品の信頼性を高め、広く認知してもらえるという大きな効果が期待できるわけです。

たとえば、

●ヨガ教室に通った人たちに起きた体の変化をブログで公開する
●一般ユーザーに一流企業がCMを作ってもらい、動画共有サイトにアップする
●アパレルメーカーが、そのメーカーの服を着た女性がダンスを踊っているアプリを配布する

広告がストレートに述べることに比べて、これは大変回り道のように感じます。
しかし、少しずつ商品を受け入れる土壌を作り上げていくので、たくさんの人にじわじわと浸透していきます。

不特定多数の人に間接的にアプローチするので、伝達速度は遅いが、浸透力は強い
それが 広報(PR) のポイントではないでしょうか。

 

まとめ 安定的な売り上げへ繋げるために

広告は即効性があります。しかし、継続力(浸透力)は弱いため、常に企業側は広告代を負担し、出稿する必要があるのです。一方PRは、即効性はありませんが、浸透力が強いため、継続的な売上が見込めます。

1つの商品・サービスを扱う場合、広告を出稿した後、その効果(売上)が下がってきたころにPRの効果がでると安定的な売上へとつながります。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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