意外とやりがちなプレスリリース関連の4つのミスやNG事項を紹介
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2025.06.20

意外とやりがちなプレスリリース関連の4つのミスやNG事項を紹介

➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、意外とやってしまいがちなプレスリリース関連のNG事項などについてお伝えしていきます。

特に「プレスリリース作成にも慣れてきた」という広報・PR担当者や、「これから本格的にプレスリリースを書くのでやってはいけないことを知っておきたい」という方におすすめの内容となっています。

本記事では、プレスリリースのNG事項や、プレスリリースにおいて「ミスをしないこと」の重要性などに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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意外とやってしまいがちなプレスリリース関連のNG事項4選

それでは意外とやってしまう広報・PR担当者が多いプレスリリース関連のNG事項をいくつか紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。

NG事項①:他者批判を軸にプレスリリースを作成する

他者批判を軸にプレスリリースを作成するのはNGです。具体的には例えば以下の通り。

  • このジャンルには○○というダメな商品が多いです。それに比べて弊社の商品は~
  • 政治のせいで困っている人が多いですよね。そこで弊社が○○を解決するべく新たな取り組みを~
  • 行政のミスによって○○という問題が起きました。そこで弊社の風評被害を払拭するべく(以下商品・サービス・取り組みなどの紹介)

これらを軸にしていては見ていて気持ちのいいプレスリリースにはなりません。もちろん「アイデア出し」の段階では不満や批判がスタート地点になっていてもいいのですが、プレスリリースには別の形で反映させましょう。

✅この場合プレスリリースはどう書くべき?

例えば「このジャンルにはダメな商品が多いな」というのがスタート地点の場合、消費者にアンケートを取るなどして客観的に「□□に満足していない人が多いとわかりました」と示します(プレスリリースの本文に書く)。

その上で「消費者のニーズを満たしたいと思い、弊社は○○を開発」と、あくまで「パッション」を軸にしてストーリーを展開します。これなら「他者批判」の色はほぼ見えないので、嫌味になりません。

政治関連も同じでアンケートを取ったり、信憑性のある既存のデータをかき集めるなどして「皆さんの想いを叶えるべく~」と展開すればネガティブにはなりにくいです。また、「行政のミス」の例までいくともはや「告発文」なので、それはプレスリリースにするのではなく然るべき機関や専門家に相談しましょう。

NG事項②:前回の採用から期間を空けて「お得意様」のような顔でプレスリリースを送る

例えば、前回のメディア採用から半年や数年期間を空けてから、「あのとき採用していただいた○○社の広報・PR担当者です!」「またプレスリリースを持ってきましたよ!」とお得意様のような態度でプレスリリースを送るのはNGということです。

これほど期間が空いている場合、メディア関係者側からの印象はほぼ消えている可能性があるので「○○社の広報・PR担当者と申します。」「プレスリリースをお送りするのでよろしくお願いします。」「ちなみに○年の○月に採用していただいたことがあります」くらいがちょうどいい態度といえます。

いずれにしてもメディア関係者に限らず礼儀正しく接するべきです。また、そもそも「前回から長期間空いている」ということ自体好ましくありません。特に関係性を築きたいメディア関係者に対しては、こまめに・積極的にプレスリリースなどで情報を送ることをおすすめします。

NG事項③:1本のプレスリリースに複数のテーマを盛り込んでいる

プレスリリースでは「1本1テーマ」にするのがセオリーです。そうでないと発信内容がブレますし、メディア関係者などからしても「本当に大事な情報はどれなのか」とわかりにくくなってしまいます。また、本来それぞれが採用するに値する情報であっても、どれか1つしか採用されなくなる恐れがあります。

もちろんプレスリリースに書きたいテーマがたくさんあるのは良いことなので、テーマの数だけプレスリリースを作ってください。そしてテーマが違う複数のプレスリリースであれば、同じメディア関係者に対して同時に送っても構いません。

なお「1本1テーマ」というのはプレスリリースに限った話ではありません。例えばSNS投稿など気軽なものであっても、1投稿に複数のテーマがあるとわかりにくくなるので、「1投稿1テーマ」を心ががけましょう。

✅信頼関係のあるメディア関係者に対しては、やり方によっては同時に複数のネタを送るのもアリ

ただしすでに信頼関係を築いているメディア関係者に対しては、やり方によっては同時に複数のネタを送っても構いません。

例えば各ネタについてプレスリリースを作る前に、メールなどで「現在3つのネタがあります」「それぞれの概要は以下の通りです。」「興味をお持ちになられたネタがございましたら詳細をお送りします」など。

ただ、通常のアプローチ方法ではないので、とにかくきちんと関係性を構築しているメディア関係者にのみ、このやり方を実践してください。また、信頼関係があってもこういった伝達方法を好まないメディア関係者もいるので、相手の方針に合わせることをおすすめします。

NG事項④:改行が少なくて読みにくいなどレイアウト面の問題がある

多くのメディア関係者は送られてきたプレスリリースを無視することはなく、ボツにするとしてもある程度読んでからその判断をすると言われています。

そしてネタがつまらなければ当然ボツにされやすいですが、それだけでなく「改行が少ない」などのレイアウト面に問題がある場合もボツになる可能性が高くなります。改行が少ないと想像以上に読みにくくなりますし、「こんな読みにくい資料を送ってくる人は非常識だろうから一緒に仕事をしたくない」と思われてもおかしくありません。

プレスリリースの場合2~3行に1回は改行をするのがおすすめ。1文の長さによっては1行で改行しても構いませんが、1行での改行が連続することは避けましょう。その他、文字サイズ、余白、見出しの文字サイズなど気にするべき部分は色々とありますので、一度振り返ってみてはいかがでしょうか。

まずは「効果的な方法を実践する」よりも「NG事項を避ける」のがプレスリリースの鉄則

プレスリリースを作成するにあたって極端に言えば「採用率を大きく高めるような表現を使いたい」と考える広報・PR担当者もいるかもしれません。しかしお察しの通り、そのような都合のいい裏ワザ的なものはありません。

そのため「効果的な方法を実践する」よりも、まずは「NG事項を避ける」ことを優先することをおすすめします。プレスリリースに限らず他の資料にも限らず、他のあらゆることにも言えますが、人は「うまくできていること」よりも、「ミス」や「できていないこと」の方が気になるものだからです。

ただこれは裏を返せば、特別なセンスがなくてもメディア関係者が興味を持つプレスリリースは作成できるということでもあります。前向きに捉えて、積極的にプレスリリースを作成・送付していくことをおすすめします。

プレスリリースで陥りがちなミスやNG事項(まとめ)

今回紹介したNG事項も含めて、「読む人(メディア関係者など)にどのような印象を与えるか」を考えれば、プレスリリースに関して大きなミスをすることはほぼなくなるはずです。

言い換えると「自分の書きやすさ」「自分の気持ちよさ」よりも、「相手の読みやすさ」「相手の気持ちよさ」を優先するということ。これはプレスリリースに限らず、広報・PR上のあらゆる情報発信に言えることですので常に意識しましょう。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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