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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、意外とやってしまいがちなプレスリリース関連のNG事項などについてお伝えしていきます。
特に「プレスリリース作成にも慣れてきた」という広報・PR担当者や、「これから本格的にプレスリリースを書くのでやってはいけないことを知っておきたい」という方におすすめの内容となっています。
本記事では、プレスリリースのNG事項や、プレスリリースにおいて「ミスをしないこと」の重要性などに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。
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意外とやってしまいがちなプレスリリース関連のNG事項4選
それでは意外とやってしまう広報・PR担当者が多いプレスリリース関連のNG事項をいくつか紹介していきますので、ぜひ参考にしてください。
NG事項①:他者批判を軸にプレスリリースを作成する
他者批判を軸にプレスリリースを作成するのはNGです。具体的には例えば以下の通り。
- このジャンルには○○というダメな商品が多いです。それに比べて弊社の商品は~
- 政治のせいで困っている人が多いですよね。そこで弊社が○○を解決するべく新たな取り組みを~
- 行政のミスによって○○という問題が起きました。そこで弊社の風評被害を払拭するべく(以下商品・サービス・取り組みなどの紹介)
これらを軸にしていては見ていて気持ちのいいプレスリリースにはなりません。もちろん「アイデア出し」の段階では不満や批判がスタート地点になっていてもいいのですが、プレスリリースには別の形で反映させましょう。
✅この場合プレスリリースはどう書くべき?
例えば「このジャンルにはダメな商品が多いな」というのがスタート地点の場合、消費者にアンケートを取るなどして客観的に「□□に満足していない人が多いとわかりました」と示します(プレスリリースの本文に書く)。
その上で「消費者のニーズを満たしたいと思い、弊社は○○を開発」と、あくまで「パッション」を軸にしてストーリーを展開します。これなら「他者批判」の色はほぼ見えないので、嫌味になりません。
政治関連も同じでアンケートを取ったり、信憑性のある既存のデータをかき集めるなどして「皆さんの想いを叶えるべく~」と展開すればネガティブにはなりにくいです。また、「行政のミス」の例までいくともはや「告発文」なので、それはプレスリリースにするのではなく然るべき機関や専門家に相談しましょう。
NG事項②:前回の採用から期間を空けて「お得意様」のような顔でプレスリリースを送る
例えば、前回のメディア採用から半年や数年期間を空けてから、「あのとき採用していただいた○○社の広報・PR担当者です!」「またプレスリリースを持ってきましたよ!」とお得意様のような態度でプレスリリースを送るのはNGということです。
これほど期間が空いている場合、メディア関係者側からの印象はほぼ消えている可能性があるので「○○社の広報・PR担当者と申します。」「プレスリリースをお送りするのでよろしくお願いします。」「ちなみに○年の○月に採用していただいたことがあります」くらいがちょうどいい態度といえます。
いずれにしてもメディア関係者に限らず礼儀正しく接するべきです。また、そもそも「前回から長期間空いている」ということ自体好ましくありません。特に関係性を築きたいメディア関係者に対しては、こまめに・積極的にプレスリリースなどで情報を送ることをおすすめします。
NG事項③:1本のプレスリリースに複数のテーマを盛り込んでいる
プレスリリースでは「1本1テーマ」にするのがセオリーです。そうでないと発信内容がブレますし、メディア関係者などからしても「本当に大事な情報はどれなのか」とわかりにくくなってしまいます。また、本来それぞれが採用するに値する情報であっても、どれか1つしか採用されなくなる恐れがあります。
もちろんプレスリリースに書きたいテーマがたくさんあるのは良いことなので、テーマの数だけプレスリリースを作ってください。そしてテーマが違う複数のプレスリリースであれば、同じメディア関係者に対して同時に送っても構いません。
なお「1本1テーマ」というのはプレスリリースに限った話ではありません。例えばSNS投稿など気軽なものであっても、1投稿に複数のテーマがあるとわかりにくくなるので、「1投稿1テーマ」を心ががけましょう。
✅信頼関係のあるメディア関係者に対しては、やり方によっては同時に複数のネタを送るのもアリ
ただしすでに信頼関係を築いているメディア関係者に対しては、やり方によっては同時に複数のネタを送っても構いません。
例えば各ネタについてプレスリリースを作る前に、メールなどで「現在3つのネタがあります」「それぞれの概要は以下の通りです。」「興味をお持ちになられたネタがございましたら詳細をお送りします」など。
ただ、通常のアプローチ方法ではないので、とにかくきちんと関係性を構築しているメディア関係者にのみ、このやり方を実践してください。また、信頼関係があってもこういった伝達方法を好まないメディア関係者もいるので、相手の方針に合わせることをおすすめします。
NG事項④:改行が少なくて読みにくいなどレイアウト面の問題がある
多くのメディア関係者は送られてきたプレスリリースを無視することはなく、ボツにするとしてもある程度読んでからその判断をすると言われています。
そしてネタがつまらなければ当然ボツにされやすいですが、それだけでなく「改行が少ない」などのレイアウト面に問題がある場合もボツになる可能性が高くなります。改行が少ないと想像以上に読みにくくなりますし、「こんな読みにくい資料を送ってくる人は非常識だろうから一緒に仕事をしたくない」と思われてもおかしくありません。
プレスリリースの場合2~3行に1回は改行をするのがおすすめ。1文の長さによっては1行で改行しても構いませんが、1行での改行が連続することは避けましょう。その他、文字サイズ、余白、見出しの文字サイズなど気にするべき部分は色々とありますので、一度振り返ってみてはいかがでしょうか。
まずは「効果的な方法を実践する」よりも「NG事項を避ける」のがプレスリリースの鉄則
プレスリリースを作成するにあたって極端に言えば「採用率を大きく高めるような表現を使いたい」と考える広報・PR担当者もいるかもしれません。しかしお察しの通り、そのような都合のいい裏ワザ的なものはありません。
そのため「効果的な方法を実践する」よりも、まずは「NG事項を避ける」ことを優先することをおすすめします。プレスリリースに限らず他の資料にも限らず、他のあらゆることにも言えますが、人は「うまくできていること」よりも、「ミス」や「できていないこと」の方が気になるものだからです。
ただこれは裏を返せば、特別なセンスがなくてもメディア関係者が興味を持つプレスリリースは作成できるということでもあります。前向きに捉えて、積極的にプレスリリースを作成・送付していくことをおすすめします。
プレスリリースで陥りがちなミスやNG事項(まとめ)
今回紹介したNG事項も含めて、「読む人(メディア関係者など)にどのような印象を与えるか」を考えれば、プレスリリースに関して大きなミスをすることはほぼなくなるはずです。
言い換えると「自分の書きやすさ」「自分の気持ちよさ」よりも、「相手の読みやすさ」「相手の気持ちよさ」を優先するということ。これはプレスリリースに限らず、広報・PR上のあらゆる情報発信に言えることですので常に意識しましょう。
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