不祥事の防衛策・防止策5選|「広報は常に起こるかもしれない」と考えて対策すべし
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2026.05.29

不祥事の防衛策・防止策5選|「広報は常に起こるかもしれない」と考えて対策すべし

【MBA保有の現役記者】上岡正明のプロフィールを見る

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、不祥事の防止策などについてお伝えしていきます。

特に「不祥事を防ぎたいものの具体的に何をしていいかわからない」という方や、「不祥事の発生歴があるが、そのときはほとんど放置してしまった」という方におすすめの内容となっています。

本記事では、不祥事の防止策を広報・PR部署が主導して整備・進行するべき理由、具体的な取り組みに入る前にするべき準備、そして具体的な防止策の解説、さらに「広報・PR部署そのものの不祥事を防ぐ方法」などに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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不祥事の防止策を広報・PR部署が主導して整備・進行するべき理由は?

まず、どの企業も不祥事の防止策を取らないわけにはいきません。「我が社に限って……」と誰しも考えたくなるでしょうが世の中に絶対はありません。これが個人のプライベートのことなら対策なしでもいいでしょうが、企業の存続のためにはリソースを割いてでも防止策を進めるべきです。

そして広報・PR部署が主導して防止策を整備・進行するべき理由は主に以下の通り。

  • 社員の心を動かして一丸となる必要がある。「人の心を動かす」のは広報・PR部署の得意分野のはず
  • 「外からどう見えるか」を常に考える必要があるが、「外への発信」をしている広報・PR部署は強い
  • 現実として「他にできる部署がない」企業は多いはず(ノウハウ、リソースの余裕などが理由)

もちろん他部署が主導できるならそれでも構いませんが、広報・PR部署が培ってきたノウハウが活きる部分もあるはずなので、ぜひサポート・アドバイスをしてください。

不祥事の防止策を広報・PR部署が進めるにあたっての事前準備2つ

それでは不祥事の防止策を広報・PR部署が進めるにあたっての主な事前準備を挙げていきますので参考にしてください。

事前準備①:他部署責任者や上層部との意思疎通をしておく

上で触れたように最終的には社員が一丸となる必要がありますが、その前に他部署責任者や上層部との意思疎通をしておくのがおすすめです。前者を済ませておくとあらゆる「全体発信」がスムーズに進みやすくなります。

後者に関しては「上層部なのだから不祥事防止の重要性は理解しているのでは」と感じるかもしれません。ただ、上層部ももちろん「防止は大切」とは思っているでしょうが、そのためにどれほどリソース(金銭、時間、労力など)を割くべきか・割けるかに関しては、一度話してみてないとわからないはずです。

これがズレたまま取り組んでも、他社員からすれば例えば「主導している広報・PR部署と、全体に向けてコメントなどを出す上層部と温度差がある」→「どれくらいの熱量で取り組めばいいかわからない」→「防止は雑にこなせばいい」などとなってしまう恐れがあるので好ましくありません。

事前準備②:社内ネットワークなどを改めて整備しておく

不祥事の防止を進めるにあたって社内ネットワーク(コミュニケーションツールなど)を使いますので改めて整備しておくことをおすすめします。

整備のポイントは主に以下の通り。

  • 基本的に全社員が利用可能にする(各部署責任者のみなどにはしない)
  • ただし各部署責任者だけが開けるページなどはあってもいい
  • 匿名通報ができるシステムを作っておく

不祥事を防止するためには特に一番下が重要。例えば「複数社員が何かをする」→「徐々に感覚がマヒして良からぬことをし始める(その予兆がある)」→「外側から匿名で通報できる」という構図。「通報」という響きが大げさかもしれませんが、「少し上層部で状況確認・注意をしてくれませんか」くらいの意味合いでも利用可能にするのが重要です。

さらに詳しいことは後述します。

広報・PR担当者が知るべき不祥事の防止策5選

それでは広報・PR担当者の皆さんに向けて、不祥事の防止策を具体的にいくつか挙げていきます。

防止策①:社内研修などで全社員のコンプライアンス意識を高める

社内研修などで全社員のコンプライアンス意識を高めることが大事です。率直にいって「その手の研修に本当に意味はあるのか」と感じるかもしれませんが、人間一人ひとりが持つ常識や意識はバラバラであり、研修によって何かについて「それは悪いことだったのか」と初めて理解するケースは意外と少なくありません。

また、コンプライアンス研修を行うこと自体により「我が社はリスク管理や不祥事防止に全力を出す企業なのだな」という意識を社員に根付かせることもできます。逆にそういった取り組みが一切ない企業の社員は、そのようなことをあまり思わないはずです。

具体的な社内研修の内容は広報・PR担当者、各部署責任者、上層部などを相談して決めればいいですが、できれば顧問弁護士やコンプライアンス講師なども招いて内容を調整し、参加もしてもらうことをおすすめします。ペースとしては最低でも年1回、できれば2~3回がいいでしょう。

✅「全社員」の参加が重要

このコンプライアンス研修に限らず、不祥事防止の取り組みには可能な限り「全社員」を集めてください。ベテランでも近年の事情をあまり理解していないケースはありますし、「多忙だから」と休みたがる社員も年1~3回程度なのですから参加させるべきです。

この「全社員を」の意識が薄れると徐々に参加者が減り、最悪の場合「参加している人がおかしい」→「参加するくらいなら通常業務をせよ」などの空気になる恐れがあるので気を付けてください。

防止策②:内部通報制度を作る

上でお伝えしたネットワークシステムによる匿名通報など、内部通報制度の導入をおすすめします。社内に専門部署(トラブル防止・対応全般を取り仕切るなど)を作る、外部の弁護士に依頼するなどの方法も考えられますね。

ちなみに適切な内部通報が原因で、通報者に不利益(解雇や減給など)を与えることは禁止されているのでそのことも全社員に周知しましょう。また、そもそも全部が匿名である必要はありませんが、無意味に通報者を特定しようとするのもNGです(ただし事実確認などのために特定するべき場合もあります)。

防止策③:非上場企業でも内部監査・外部監査を行う

上場企業の場合は内部監査・外部監査が必須になっていますが、非上場企業でも導入によって不祥事やトラブルの防止がしやすくなります。

内部監査に関してですが、人員に余裕がある場合は監査部門を設置するといいでしょう。人員がいないのであれば、広報・PR担当者が主導した上で他部署責任者などとも協力して、監査できる環境を構築することをおすすめします。

また、外部監査については公認会計士や監査法人などに依頼して実施します。時間や予算などの余裕がなければできないと思いますが、少なくとも過去に一度でも不祥事が発生しているのであれば再発防止のために実行することをおすすめします。

防止策④:できれば顧問弁護士にリーガルチェックを受ける

可能なら顧問弁護士にリーガルチェックを受けられる体制を作りたいところです。各業務に関してリーガルチェックを受けることで、不祥事やトラブルが起きるリスクを下げることができますよね。

広報・PR施策などなんらかの取り組みを企画する段階から「これは大丈夫でしょうか」などと相談するのもいいでしょう。

また、「我が社には顧問弁護士がいる」という理由で社員の気が引き締まり、不祥事などが発生しにくくなるというメリットもあります。

防止策⑤:「外部」に向けたものはすべてダブル(以上)チェックする体制を整える

予算などの関係で顧問弁護士と契約するのは難しくても、社内でダブル(以上)チェックする体制を整えるのは必須です。特に「外部」に向けたものに関しては全部ダブルチェックするべきですし、「内部」へのものでもダブルチェックを入れることで社員の反発などを防止しやすくなります。

「今回のチェック対象となっている取り組み」を主導している部署の責任者がチェックするのは当然として、法務部、コンプライアンス担当者、そして広報・PR担当者などもチェックすることをおすすめします。

広報・PR部署そのものの不祥事を防止するための2つの方法

続いては広報・PR部署そのものの不祥事を防止するための方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

解説してきたように広報・PR部署が主導して不祥事の防止策を進めていくと、つい「監視をするポジション」になってしまいがち。しかし部署として「外部」への発信する機会が非常に多いので不祥事や炎上を起こす可能性が低くはありません。

方法①:広報・PR部署もチェック・監視される体制にする

根本的な話ですが、広報・PR部署もチェック・監視される体制にしましょう。小さなところでは例えば「外部向けプレスリリース」を作成したら部署内のダブルチェックだけで済ませず、他部署や上層部のチェックも受けてから配信するなど。

また、外部監査の場合は文字通り「外部」なので広報・PR部署も監査されるケースがほとんどですが、内部監査でも広報・PR部署が監査されるように、監査担当者に直接依頼するなどの工夫をするのが重要といえます。

方法②:他部署社員が定期的に広報・PR部署内で業務をする|相互理解も兼ねて

他部署社員が定期的に広報・PR部署内で業務をするのも効果的です。これによって広報・PR社員に緊張感が生まれますし、広報・PR部署に大きな問題はないとしても具体的なアドバイスをもらえるかもしれません。

また、広報・PR部署社員も他部署にたびたび行かせるといいでしょう。「他部署の不祥事防止につながる良い取り組み」を持ち帰ることができる可能性がありますし、やはり広報・PR部署目線でアドバイスができるかもしれません。

✅クロスボーダーは不祥事防止以外の広報・PR目線でも効果が期待できる

ちなみに部署などの境界を超えて社員を行き来させる取り組みのことを「クロスボーダー」などと言いますが、不祥事防止以外の広報・PR目線でも効果が期待できるのでおすすめです。

広報・PR部署社員側としては、他部署の現場を知ることでネタ作りがしやすくなる、他部署社員とコミュニケーションができて広報・PR全般に協力的になってもらいやすくなるなどのメリットが期待できます。また、他部署を理解することで、悪い「無茶振り」のようなこともしなくなることでしょう。

そして広報・PR部署に来た他部署社員は広報・PRのメリットや意義を理解し、それ以降は協力的になってくれるかもしれません。また、「良くも悪くも固定されやすい広報・PR部署の価値観」に他部署社員メスを入れる可能性もありますね。

まとめ

不祥事の防止に広報・PR部署のノウハウが役立つ可能性が高いので、ぜひ部署単位で主導する、そうでなくてもサポートやアドバイスをするのがおすすめです。そして実際に具体的な取り組みを始める前に、他部署責任者や上層部と意思疎通をしておくのも重要といえます。

そして忘れてはいけないのが広報・PR部署も「不祥事を起こすリスクがあり監視されるべきポジション」ということ。不祥事防止体制を整えるのはいいですが、自分たちも他部署と同じ立場にしていかないと反発が強まり、最悪の場合は不祥事防止体制そのものに悪影響を及ぼす恐れがあるので気を付けてください。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者30万人のYoutuber
上岡正明

MBA(経営学博士前期課程修了)
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者30万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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