プレスリリースのストーリ作りのコツとストーリー文脈が大事である4つの理由
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2025.04.14

プレスリリースのストーリ作りのコツとストーリー文脈が大事である4つの理由

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この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレスリリースで「ストーリー」が大事である理由などについてお伝えしていきます。

特に「商品・サービスの基本情報をくまなくプレスリリースに書いているのに、なかなかメディア露出できない」とお悩みの広報・PR担当者におすすめの内容となっています。

本記事では、プレスリリースでストーリーが重要である理由、そして商品・サービスの詳しい情報をメディア関係者に教えるタイミングなどに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

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プレスリリースでストーリー(誰が、なぜ、誰のために、作ったか)が重要な4つの理由

それではプレスリリースでストーリー、つまり「誰が、なぜ、誰のために、作ったか」が大事である理由を紹介します。

「それは商品やサービスに直接関係しないから重要度が低いのでは?」と感じるかもしれませんが、実は商品・サービスの基本情報よりも、よほど大切な部分です。

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理由①:メディア側が記事や番組にしやすい

メディア側は、プレスリリースなどを通じてストーリーをきちんと伝えてもらってこそ、記事・番組が作りやすくなると考えています。

例えばテレビ番組でなんらかの商品が特集されるとしても、商品の詳細はそっちのけで「誰がどんな想いで作ったか」が紹介されますよね(日頃観ているテレビ番組を思い出してみてください)。

そして一通り紹介し終わったら、申し訳程度に「この商品は○月□日に発売予定です」と、スタジオでアナウンサーが一言添えて終わります。それくらい、商品・サービスの基本情報の優先度は低いのです。

理由②:ストーリーがきちんと書いてあるとメディアに「話が早く進む」と思ってもらえる

「ストーリーがきちんと書いてあるプレスリリース」を読んだメディア関係者が、「この内容に沿ってインタビューでさらに掘り下げればいいのだから、スムーズに進めやすい」と思ってくれる可能性が高いです。つまり他企業のプレスリリースよりも優先度が高くなりやすいということ。

広報・PR担当者が積極的に活動している企業でも、プレスリリースにおいてストーリーをあまり重視していないケースが少ないないと言われています。つまり、ストーリーを入れるだけでも、ライバルに勝ちやすくなるということですね。

理由③:ストーリーを入れるプレスリリースの方が作成しやすく、作成していて楽しい

ストーリーを入れるためには商品開発部などにインタビューをする必要があります。そしてそれによって情報量が増えるため、プレスリリースが作成しやすくなります。プレスリリースに限らず「材料となる情報の量」が少ないと、ネタとして仕上げにくいですよね。

また、商品開発部などへのインタビューは基本的に楽しい工程のはずです。特にインタビュー自体を楽しめる広報・PR担当者ならストレスフリーで仕事ができるでしょうし、広報・PR部署の社員以外とコミュニケーションを取ることも面白いのではないでしょうか。

一方で「とにかく商品の情報そのものを増やさなくては」と細かく調べたり、インタビューで比較情報を書き集めたりするのは、それほど楽しくはないはずです。人によってはメンタル的にかなり辛い作業になると思われます。

理由④:社内コミュニケーションの一環になる|社員に広報・PRの仕事を理解してもらえる

商品開発部などにインタビューをすることは社内コミュニケーションの一環になります。これをきっかけに商品開発部の社員と普段からコミュニケーションできるようになれば、広報・PRの仕事がさらにやりやすくなることでしょう(情報収集に協力的になるなど)。

また、インタビューの前に「インタビューをする理由」などを説明すると思いますが、それによって社員に広報・PRの仕事を理解してもらえるはずです。広報・PR部署は「何をしているかわからない」などと思われがちなので、こういった機会に理解を得ておくことは大事です。

✅普段からの社内コミュニケーションが大事

ただ、こういった特別な機会だけでなく、普段から社内コミュニケーションをすることが重要です。そうでないと「全然知らない人に協力したくない」と思われかねません。

社内コミュニケーションといっても、あいさつ、雑談、一緒に昼食を取るなど簡単・普通のもので構いませんので、できる範囲で取り組むことをおすすめします。

商品やサービス自体の詳しい情報を伝えるタイミングは?|基本的に「聞かれたら」でOK

商品やサービスそのものの情報が一切不要というわけではなく、記事や番組で軽く紹介されることも多いです。ただ、それでもプレスリリースに詳しく書く必要はありません。

プレスリリースを送ったメディア関係者が気に入ればこちらに連絡を入れてくるはずであり、その上で必要性があれば、例えば「商品の基本情報をさらに教えてもらえますか?」などと聞いてくるだけです。

つまり優先順位は低い場合が多いのですが、それでも聞かれればスムーズに答えられるように準備しておきましょう(暗記せずに資料などでまとめておけば十分です)。

プレスリリースこそストーリー文脈に徹底的にこだわれ

メディア関係者などに送るプレスリリースで優先順位が実は高いのが、「誰が、なぜ、誰のために、作ったか」、つまりストーリーの部分です。多くの広報・PR担当者が想像している以上に、読者や視聴者は「人」に興味を持つということを覚えておきましょう。

ただ、商品・サービス自体の詳しい情報が全く不要というわけではないので資料などにまとめておくことをおすすめします。そしてメディア関係者などが聞いてきたら、その資料を渡すなどして答えましょう。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

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