プレリリースをファックスで送るコツと広報担当者が気をつけるべき5つのポイント
PR戦略とは
3分で分かる「PRの基本」
2025.01.30

プレリリースをファックスで送るコツと広報担当者が気をつけるべき5つのポイント

➡記事を書いた人:Youtube登録者30万人【MBA保有の現役記者】上岡正明プロフィール

この記事では広報・PR担当者の皆さんに向けて、プレリリースをファックスで送る場合のポイントなどについてお伝えしていきます。

「ファックスで送るなんて……」と抵抗のある広報・PR担当者や、「ファックスで送るときの注意点を知りたい」とお考えの方に特におすすめの内容となっています。

本記事では、プレリリースをファックスで送ることの是非、そしてファックスで送るメリット、さらに送付するにあたってのポイントや注意点などに関して解説しますので、ぜひ参考にしてください。

➡人気記事:おすすめPR会社一覧!ランキングとカオスマップ

プレリリースをファックスで送ってOKです

メール・LINE時代なので抵抗があるかもしれませんが、メディアに対してプレリリースや各種資料をファックスで送っても構いません。

メディア・メディア関係者にとって大切なのは「良い情報が送られてくること」なので、プレリリースの送付方法にそこまでこだわる必要はないのです。

ただし基本的にはメールなどで送る

ただし基本的にはメールなどでプレリリースを送りましょう。上で触れた通り、メールで届く場合が大半ですし、メールで送られてくる方がチェックする側としても楽だからです。

ファックスでプレリリースを送ることの3つのメリット

それではファックスでプレリリースを送ることのメリットを3つ紹介します。前時代的な方法に思えるかもしれませんが、特有のメリットがあることも確かです。

メリット①:「電子」に比べてきちんと読んでもらいやすい

メールなど電子的な方法でプレリリースを送る場合、相手に「読む」というよりは「サラっと目を通す」くらいで流されてしまう可能性があります。

ですがファックスで紙のプレリリースを送れば、きちんと読んでもらいやすくなります。人間は不思議と「画面上の文字」よりも「紙に書かれた文字」の方がしっかり読む傾向にあるのです。

メリット②:相手の手元に残る

メールなどでプレリリースを送った場合、たとえ相手がある程度気に入ったとしても、そのプレリリースが相手の手元に残らない可能性があります(埋もれていく)。

しかしファックスで紙のプレリリースを送れば、それは相手の手元に残るケースが多いです。「せっかく紙で送ってくれたのだから」という心理が働いて、メールよりも丁寧に保存してくれることも少なくありません。

メリット③:プレリリースが気に入られればそのメディア内での物理的な共有も期待できる

メールでのプレリリースを誰かが気に入った場合も、そのメディア内で共有を試みてくれるかもしれません。ただ、あくまで電子的なものなので、他の人にはスルーされる可能性が低くはありません。

ですがファックスによる紙のプレリリースについては、「ちょっと読んでみてください!」とその場で近くにいる他のメディア関係者に見せたり、コピーしたものを社内などに配布したりしてくれるかもしれません。物理的なプレリリースにはそういった強みもあるのです。

プレリリースの送付方法の選択肢にファックスを選択する3つのケース

続いてはプレリリースの送付方法の選択肢にファックスを入れるべき主なケースをいくつか紹介します。該当する場合も少なくないはずなので、広報・PR担当者の皆さんは参考にしてください。

①:一部媒体にプレリリースを送るケース

歴史の長い紙媒体、出版社、地方新聞・地方テレビ局などの場合、ファックスでプレリリースが送られてくる場合も多いです。

②:一部の記者クラブにプレリリースを送るケース

大手メディアがメインとなって構成されている組織(継続的な取材をしやすくすることなどが目的)のことを「記者クラブ」と言います。

そして一部記者クラブの中には、ファックスでしかプレリリースを受け付けていないところもあります。

✅記者クラブはプレリリース送付に関するルールが厳しい

全国に色々な記者クラブがありますが、プレリリース送付に関するルールが厳しい傾向にあるので気を付けてください。事前にルールをしっかりチェックして、そこから一切外れないように心がけてください。

他のメディアの中には「情報さえくれるならルートはなんでもOK」というスタンスのところもありますが、それとは正反対と考えましょう。

③:メールなどでプレリリースを送っても反応がもらえなかったケース

メールなどで何回かプレリリースを送っても反応がなかったケースでは、最後の手段としてファックスでプレリリースを送付してみてもいいかもしれません。ただ、重要なのはあくまで「情報の質」ですので多くは期待しないようにしましょう。

ファックスでプレリリースを送る場合の5つのポイントと注意点

続いてはファックスでプレリリースを送る場合の主なポイントや注意点をいくつか紹介していきます。マナー面よりも、テクニカルな部分で気を付けるべきことが多いので、自信がない広報・PR担当者の方は、他の部署の詳しい方に協力してもらうことも考えましょう。

注意点①:多くても1回で3枚までにまとめる

他の方法でプレリリースを送るケースでも言えますが、特にファックスで送る場合は多くても1回で3枚までにまとめましょう。受け取る側のインク代や受信料の問題もあるので、枚数が多いだけでも不快な思いをさせる恐れがあります。

「1プレリリース・1テーマ」を守れば意外とそこまで長くならないものですので、長くなりすぎる場合はプレリリースの内容自体を見直すべきでしょう。

注意点②:送付状をつける

郵送でプレリリースを送るケースでは送付状をつけるのがマナーですが、ファックスの場合も同じです。送付状がないと、相手から見て「送付先」と「送付相手」がわかりにくいからです。

さて、送付状には主に以下の内容を書きましょう。

  • 送付者名(株式会社○○広報・PR担当□□、など)
  • 送付相手(○○(雑誌名など)の○○コーナー担当□□様、など)
  • プレリリース合計○枚を送付させていただきます、など
  • 短くあいさつ(○○のため、どうしても貴メディアに本プレリリースをお送りしたく送付させていただきました、など)

送付状の内容が長くなるのはNGですが、「どうしてもあなた方に送りたい」と一言示すと印象が良くなるためおすすめです。

✅プレリリースの枚数+送付状1枚=4枚までOK

送付状の枚数(1枚)とプレリリースの枚数は別でカウントして構いません。つまり合計4枚まではOKです。

注意点③:文字サイズとフォントに注意

プレリリースをファックスで送る場合の、おすすめ文字サイズは11~12ポイント。これ以上小さいと文字が潰れる可能性があるため好ましくありません。

フォントのおすすめは、印刷機によるブレが少ない明朝体や、濃く印刷されやすいHGP明朝Eなど。逆によく使われるゴシック体は、文字が崩れやすいのでファックスには向きません。

注意て④:余白を多めに取って見やすくする

通常のプレリリースよりもさらに余白を多めに取って見やすくすることをおすすめします。なぜならファックスの場合は基本的に白黒なので、余白が少ないとそれだけで読む気がしなくなる可能性があるためです。

注意点⑤:送付前に社内のファックスでテストしておく

目当てのメディアに送る前に社内のファックスでテストしておきましょう。主なチェックポイントは以下の通りです。

  • 文字のサイズ
  • 文字が潰れていないか
  • カラーでないと伝わらない図や表はないか

カラフルな図や表をファックスで送ること自体に無理があるので、プレリリースの種類によっては最初からファックスで送ることを選択肢から外しましょう。

✅図、表、写真が多い場合はそれらをまとめたページに誘導する手もあるにはある|ただし注意が必要

図、表、グラフ、写真などが多い場合はそれらをまとめたウェブページに誘導する方法もあります。ただ、ファックスで送る関係上URLなどを直接クリックすることは基本的にできないので、URLが極めて短い場合を除いておすすめしません。

そのためQRコードを作成して載せることも考えましょう。ただ、これも「スマートフォンで読み取る」→「パソコンにURLを送る」など二度手間になる可能性が高いです。

そのためやはり図、表、グラフ、写真などが多いなら、ファックスでプレリリースを送ることは基本的におすすめしません。

プレリリースをファックスで送信するコツと注意点まとめ

ファックスでプレリリースを送ることには意外なメリットがあるので、広報・PR担当者の皆さんは選択肢に入れておいてはいかがでしょうか。思い切って紙のプレリリースを送ることで道が開けるかもしれません。

ただ、現在の主流はメールによるプレリリースなので、基本的にはメールで送ることをおすすめします。(一部記者クラブなど特殊な相手を除き)1回は試みて、それでうまく事が進まなければファックスを使うことも考えましょう。

➡関連記事:東京都おすすめPR会社も確認


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

①:東洋経済オンラインでの連載記事
②:ダイヤモンドオンラインでの連載記事
③:プレジデントでの連載記事
④:日本経済新聞での連載記事