広報の裏技!プレリリースに口コミを載せるメリット4選と注意点5選
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2024.12.17

広報の裏技!プレリリースに口コミを載せるメリット4選と注意点5選

この記事では、広報・PR担当者の皆さんに向けて、「口コミが載ったプレリリース」を書くことのメリットや注意点などについてお伝えしていきます。

「集まっている口コミを活かしたい」「新たな切り口でプレリリースを書きたい」とお考えの広報・PR担当者に特におすすめの内容となっております。

本記事では、プレリリースに口コミを載せるメリットや、注意点・ポイントなどに関して解説していきますのでぜひ参考にしてください。

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プレリリースに口コミを載せることの4つのメリット|広報・PR

まずはプレリリースに口コミを載せることの主なメリットを見ていきましょう。メリットを理解した上で載せることでより口コミを効果的に活用できるようになるはずです。

①:「こういう口コミがありました」という事実には客観性がある

プレリリースで重要なことの一つが「客観的事実をメインに書く」ということ。例えば「リピーター率80%です」は客観的な事実ですが、「リピーター率が非常に高く大好評です」は主観的であり、メディア関係者が嫌うタイプの表現といえます。

そして各口コミは「口コミをした人の主観」ですが、「こういう感想をいただきました。」「感想の内容はこうです」は客観的なやり方なので、メディア関係者からの反応も良くなりやすいです。

②:口コミがメディア掲載されれば読み手の共感や信頼を得やすい|売上にもつながる

例えば企業自身が「これは素晴らしい商品です」と言うよりも、実際のユーザーが「これは素晴らしい商品です」と言う方が、その口コミを受け取る人の共感や信頼を得やすいです。

特に商品・サービスの詳しい体験段が盛り込まれていれば、「商品・サービスの具体的な使い方・具体的にどう役立つか」がわかるので、その時点で買おうかどうか迷っている人などに強く訴求できます。また、似た商品の中から何を選ぶか迷っている人に対してもアピールできます。

③:「露出を狙うメディア」のタイプを広げやすい

また、口コミ紹介が多いプレリリースにすることで「露出を狙うメディア」のタイプを広げやすくなり、結果的に購入者などの層を広げることができるかもしれません。

例えば「女性向け美容サプリメント」のプレリリースは通常、女性向け雑誌などでの露出を狙うことでしょう。ですが「それに対する口コミ」のプレリリースであれば、一例として「口コミ掲載が多いインターネットメディア」なども狙うことができます。

④:口コミは低コストで集めやすい

口コミはSNSやメールなどを活用すれば低コストで集めやすく、さらに集める労力もあまりかからないので、それでプレリリースを作成・発信できれば全体的なコストパフォーマンスはかなり良くなるはずです。

基本的には「口コミが集まる・拡散される環境」を用意すればいいだけです。

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口コミを載せるプレリリースに関する5つのポイント・注意点|広報・PR

それでは口コミを載せるタイプのプレリリースについてのポイントや注意点をいくつか紹介していきます。「とりあえず口コミを載せてみました」では効果的なプレリリースになりにくいので、きちんと戦略を練りましょう。

①:「どのような記事にしてほしいか」から逆算してプレリリースを作る

あらゆる形式のプレリリースにもいえることですが、「どのような記事にしてほしいか」から逆算してプレリリースを作ることが大事です。「口コミが絡む記事」としては主に以下のような種類があるでしょう。

  • 「口コミ7~9割」で構成されていて、それに対する分析なども載っている
  • 「口コミが3~6割」で商品紹介や「口コミを受けての企業としての展望」なども載っている
  • あくまで商品やサービスの紹介がメイン。1~2割の口コミで「記事としての説得力」と「読み手への訴求力」を高めている

「理想の記事のビジョン」が見えたら、プレリリースに口コミをどの程度載せるか、どのようなタイプの口コミを載せるか、他にどのような情報をどれくらい載せるかなども見えてくることでしょう。

②:必要に応じて「口コミが集まる・拡散される環境作り」もプレリリースから逆算して行う

順番としては「口コミが集まった」→「集まったのでプレリリースを作る」でもいいですが、「口コミ関連のこういうプレリリースを作りたい」→「口コミを集める(集まる環境・拡散される環境を作る)」という流れにする戦力もあります。例えば以下の通りです。

  • 口コミ7~9割のプレリリースを作る→口コミが多く集まる環境を作る(SNSの活用、購入者へのメールでのレビュー依頼など)
  • 「商品がどう役立つか」がわかるプレリリース→「体験談」の口コミを多く集める(レビュー依頼など)
  • 商品紹介のサブコーナーとして口コミを載せる→現状の「口コミが集まる・拡散される環境」のままでいいかもしれない(他にリソースを使う)

他にも「プレリリースの内容」の種類はあるはずなので、どのように・どのような口コミを集めるべきかをできる限り丁寧に計算しましょう。

③:統計を取り、グラフや図表で見やすくすると効果的

集めた口コミから統計を取って、グラフや図表で見やすくするとより効果的です(そうでないと単なる口コミの羅列になって読みにくいという意味もあります)。

例えば「○:70% △:20% ×:10%」などとグラフにも表して、さらに「この結果になった理由」「この結果を受けて企業としてこれから力を入れたいこと」などを入れると、興味深いプレリリースになることでしょう。

ただし統計を取るなら口コミがある程度多く必要ですので、口コミが集まる・拡散される環境をきちんと整えましょう。

必要に応じて性別・年代などもわかる形で口コミを集める

特に統計を取るためには情報の精度・密度を上げるためにも、性別・年代などもわかる形で口コミを集めることをおすすめします。場合によっては地域や年収なども聞くといいでしょう。

もちろん統計を取らないとしても性別・年代がわかる方がいい場合もある(例:若者に人気とわかる、意外と女性にも人気、地方でも人気……など)ので、必要に応じて口コミを集める環境を整えてください。

④:ネガティブな口コミもきちんと載せる

先ほどもお伝えした通り、プレリリースで大事なのは「客観的事実を書くこと」のため、ネガティブな口コミもある程度載せることが重要です。それにネガティブな口コミもある方が、誠実・信頼できると思ってもらいやすいです。

ただし単に載せるだけでなく以下のことを意識しましょう。

  • 「口コミの紹介」だけでなくそれを受けての対応案・改善案なども載せる
  • 「誤解からくる口コミ」なら誤解を解く釈明をする、誤解させやすい理由と改善案も載せる
  • 「露骨に的外れな口コミ」「暴言のような口コミ」は載せない(プレリリースに載せるべきではない)

一番下の「的外れな口コミ」「暴言のような口コミ」への対応(SNSで直接説明、公式サイトで回答、注意喚起、法的措置など)は基本的にプレリリース外でするべきです。メディア関係者が読んで「発信したい」と思えるタイプの情報ではないためです。

✅「悪い口コミだけを載せたプレリリース」もユニークなので選択肢としてはアリ

なお「悪い口コミだけを載せたプレリリース」もユニークであり、メディア関係者が「読者が喜び、結果的に商品・サービスに興味を持つかもしれない」と判断する可能性があるので選択肢としてはアリです。

ただ、もちろん上で解説しているように対応案・改善案などもしっかり載せる必要があります。また、あくまで変化球的なプレリリースなので、まずはここまで解説してきたような「口コミを載せる普通のプレリリース」から試すことをおすすめします。

⑤:プレリリースを作成・発信する時期についても考える

「口コミを載せるプレリリース」の作成・発信の時期についてもしっかり考える必要があります。基本的には「発売から数か月~1年程度のインターネット上などに口コミが増えた時期」ということになるでしょう。その主な理由は以下の通りです。

  • 早すぎる時期には口コミが集まっていない
  • 早すぎる時期に口コミが多すぎると怪しさが出る
  • 時期が遅すぎると「今さら感」が出てしまう

ただし「モニター募集(正式発売前・直後などに試してもらう)」などを積極的にかけていた場合はもっと早い時期にプレリリースを作成・発信してもいいでしょう。

また、「定番商品への口コミを改めて集めた」という題目にすれば発売から数年経過してもプレリリースが書けますし、「人気の維持・底上げ」という狙いもつけることができるはずです。

プレリリースに口コミを載せるメリット(まとめ)

「口コミを載せるプレリリース」には特有の説得力や面白さが生まれやすいので、広報・PR担当者の皆さんは検討してみてはいかがでしょうか。特に「発売時期に一度プレリリースを書いたが、また新たな切り口で作成・発信したい」というケースにはおすすめです。

ただ「どのような記事にしてほしいか」から逆算して、場合によっては「口コミが集まる・拡散される環境作り」の時点からメスを入れていく必要があるため、早めに動き出すことをおすすめします。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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