広報企画の立案方法と実現のコツ4選!最初の目標設定が大事です
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2023.07.24

広報企画の立案方法と実現のコツ4選!最初の目標設定が大事です

広報活動は目標設定が難しいです。広報活動をどこまでと捉えるかは人それぞれだったりします。どのように捉えたとしても、どの広報担当者も難しいと感じるのが、目標設定です。

それでは、どのように目標設定していけばよいのでしょうか。具体的に解説していきます。

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明確な目標を設定するコツ4選

企画成功率を上げるためには、数値目標を設定することが必須です。
5つの項目ごとに詳しく説明してきます。

①メディア露出量の数値目標、設定のコツ

新商品に関連する記事の数や、メディアでの言及回数などを数値として目標設定します。
目標の設定の方法と注意点に関しては、以下の方法があります。

・過去の実績や業界平均を参考にして目標を設定する

・メディアリスト作成し、規模や対象を考慮して露出数の目標を設定する

・短期、中期、長期に分けて段階的に目標設定する

・露出の量だけにこだわって、質を落とさないようにする

・企業全体のKPIと直接関連させる

KPIは重要業績評価指数といって、簡単言えばゴールに向かう途中の目標のことです。
例として挙げると、メディア掲載件数やポジティブな口コミ数、SNSでの前向きな投稿数など、ほかにもページの閲覧数(PV)などもあります。

②広告換算値を設定するコツと注意点

広告換算値とは、もし同条件で広告の枠を買って掲載してもらったとしたら、いくらになるのか計算して。広報でどのくらいの効果を出せたのか、把握するためのものです。

広告換算値の目標設定でポイントがいくつかあります。

マスメディアで、広告換算値の出し方

各メディアによって換算方法は様々ありますが、テレビだったら放送時間を測定します。新聞、雑誌では、面積で金額がいくらになるか調べたりします。ネットメディアでは、位置やバナー広告のサイズなどによって、金額がどのくらいになるのかも調べます。

広告換算値は特性があることを知る

広告換算値が苦手な測定があります。それはブランドのイメージ向上度などです。これは数値では出せないです。広報の目標が広告換算値だけに偏らないようにしましょう。あわせて、広告換算値だけでなくKPIは明確にしておきたいです。KPIを流入数やリード獲得数、売り上げなど、明確な数値で目標が立てられていると、広報部門の業務評価がされやすいです。

③メディアリーチはリストを作って必ず決めておこう

メディアリーチは露出が届いた人数のことです。視聴者数や読者数で、どの層にどのくらいの数のリーチするのか目標に設定します。設定するために、メディアリストを作成して、各メディアの視聴者数や読者の層を調査します。どれだけのリーチが欲しいのかということに、市場規模を合わせた現実的な目標を設定します。

リーチの目標は広報活動の中で、媒体を選定や戦略を練り直したりと、見直しを行うことが必要となる場合がとても多い部分となります。目標通り掲載されなかったり、掲載日が変更されることも多々あります。目標達成に至らない場合には、早めの見直しで追加の施策を用意したりしましょう。

④オンラインでの指標設定の方法とコツ

オンラインの指標としては、ウェブサイトの訪問者数やSNSでのいいね、シェア、コメントなどのエンゲージメントと呼ばれるものがあります。過去のデータを見て傾向や成長率を把握し、目標を設定します。

コンテンツの質は長期的なエンゲージメントに繋がりますが、このような長期効果は、広報活動の効果測定は数値にしづらいため、測定が難しいです。しかし、短期的なエンゲージメントという量ばかりではなく、コンテンツの質も気にして目標を立てましょう。

 

広報担当が知るべき露出内容の品質評価

メディア露出の際に質を評価することがとても重要です。ここを怠ると、露出量の目標だけが独り歩きしてしまい、露出量が多ければいいとなってしまいます。

ポジティブかネガティブでスコアをつける方法があります。スコアのつけ方としては下記になります。

①記事のトーンで評価する

記事のトーンによって3種類に分けます。
ポジティブ、ニュートラル、ネガティブ3つに分けます。

記事が肯定的か否定的か言葉の使い方や、内容から判断して選びます。

②トーンに応じたスコアをつける

トーンごとにスコアをつける。
ポジティブなら+1、ネガティブなら-1、ニュートラルには0、とつけていきます。

③記事の配置場所によって重みをつける

掲載された場所や、ネームバリューのある媒体かどうかに応じて、重みをつけていきます。
大手メディアや表紙への掲載なら、高い重みをつけるという感じです。

④各記事の総合スコアを算出する

トーンのスコアと配置の重み付けを掛け合わせて、総合スコアを出します。

例えばポジティブ(+1)で大手メディアに載った(+2)なら1×2=2となります。
ネガティブ(-1)で大手メディア(+2)に載ったのなら-2となります。

⑤総合スコアを集計と定期的な見直し

全記事の総合スコアを合計し目標設定の指標とします。
目標に達成できているかは、定期的に確認して調整を行います。

センチメント分析という方法もあって、ウェブ上に存在する口コミや投稿などから個人の感情を分析する方法です。これを使って、ポジティブかネガティブかの度合いを自動的に分析します。センチメント分析は自動ツールもあるので、ツールを使うというのもひとつの手です。

 

広報企画の成功ポイントおさらい

広報担当者が企画を成功させるためには目標設定が大事です。数値目標として下記の4つは必ず目標設定をしましょう。

・メディア露出量
・広告換算値
・メディアリーチ
・オンライン指標

この4つを明確に目標設定して、露出量だけでなく、質にもこだわって目標を決めます。目標を決めたあとは、掲載状況や掲載延期など、日々状況が変わっていくので、目標を修正し続けることは必要です。

最初に決めた目標に固執せず、日々の活動を振り返り、修正を怠らないことが、企画成功への大事な一歩となります。

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執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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