クリッピングとは?広報活動における目的・重要性・メリットや作業工程を解説
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2023.06.22

クリッピングとは?広報活動における目的・重要性・メリットや作業工程を解説

朝、出社したら、「まず午前中は新聞記事のクリッピング作業」という広報担当者の方も多いのではないでしょうか。「クリッピング」とは、テレビやラジオ、新聞、雑誌などに取り上げられた情報から必要なものを収集しファイリングする広報業務のことですが、近年では重要性を改めて見直す企業が増えています

自社で配信したプレスリリースなどの広報活動が、どのようにメディアに掲載され、効果を生んでいるか、などを確認し検証するためにも、クリッピングは重要な業務となりますが、ここ数年、クリッピング業務も変化しつつあります。今回の記事では、広報活動におけるクリッピングの目的や効果的なやり方、そして、メリットなどについて、解説していきたいと思います。

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クリッピングとは?

クリッピング

クリッピングとは、新聞または雑誌から必要な記事だけを切り抜いてファイリングすることを言います。しかし、近年では、新聞や雑誌などの紙媒体にとどまらず、Webメディア(ホームページ、ランディングページ、ブログ、SNSなど)やテレビ、ラジオといったさまざまなメディアにおける掲載情報を収集することも、クリッピング業務に含まれるようになりました。

クリッピングの目的

クリッピングを行う目的としては、以下のようなものがあげられます。

●社会のトレンドやメディアの特性を知る

●他社の掲載情報(内容、量、頻度など)を調べて、自社の広報活動に生かす

●自社が情報発信した事案の効果測定を行う

●今後の広報戦略活動の資料としてストックする

このように、クリッピング作業は企業の広報戦略の未来につながる重要な業務です。そして、クリッピングは個別の広報活動の効果測定にも役立ちます。

クリッピングの必要性とメリット

クリッピング作業をしていくと、さまざまなメディアに触れることができ、掲載された情報をまとめあげる過程も含めて数々のメリットがあります。それでは、クリッピングのメリットには、どのようなものがあるかご紹介していきます。

①媒体特性を理解することができる

新聞、雑誌などの紙媒体を初めとして、テレビやラジオ、Webメディア(ブログ、Twitter、Facebook、InstagramなどのSNS)など、クリッピングは全てのメディアを対象に調査するため、各メディアが持つ読者層や掲載方針、取り上げ方などを知ることができます。

読者層や掲載方針、情報内容の傾向などが分かれば、そのメディアへ情報発信する際の貴重なデータになります。各メディアの特性や記事の掲載傾向に合わせた適切な情報発信が可能となるのです。

②社会のトレンドを把握することができる

メディアが掲載する情報は、基本的に「読者が欲しがっている情報」であり、「今の社会にとって必要な情報」です。つまり、メディアが掲載する記事に目を通すことで、社会の動きやトレンドを把握することができます。

収集した記事を検証し分析することで、ユーザーが好む言葉や言い回し、キーワードなどが見えてきます。社会のトレンドはユーザーの消費行動に大きな影響を及ぼします。社会の動きには常にアンテナを張って気にかけておくことが重要です。

③今後の広報計画の立案に役立てることができる

クリッピングを行う過程では、自社の属する業界・業種だけでなく、さまざまな企業の広報活動への取り組みが目に入ります。他社の広報戦略や、広報施策を検証し、参考にすることで、自社の広報計画立案に役立てることができます。

例えば、メディアに掲載された記事には、テーマ、タイトル、配信のタイミング、内容構成などで見習うべきものがあります。その企業がどのような戦略を持ってどのような情報発信をしているのか分析し、自社の広報活動のアップデートを心がけましょう。

④企業のナレッジとして蓄積することができる

複数の人員で広報活動業務を行っているケースや、他部署と連携して広報活動業務を行っている場合、クリッピングは情報共有という点で非常に役立つ大事な作業となります。クリッピングで得たさまざまな知識や知見を、企業やチームのために蓄積し共有できるのです。

⑤企業の販売活動などに活用することができる

クリッピングすることによって、自社商品やサービスの情報が、どのようなメディアに、どのようなタイミングで掲載されたかを明確に知ることができます。それらのデータをセールストークの中に盛り込むことで、営業販売活動の促進の一助にすることができるのです。

第三者の客観的な視点で書かれたメディアの記事は、ユーザーや社会に対して説得力を持つ重要な販売ツールとなり、ユーザーの購買行動の動機付けに大きな効果を発揮します。

クリッピングを行う作業工程3つのステップ

それでは、クリッピングを始めるに当って必要と思われる大事なステップを、3つの段階に分けて解説します。

①対象とするメディアを選定する

まず最初に、自社が行う各広報施策の目的に照らし合わせて、どのメディアをクリッピングするかを決めます。基本的には、クリッピングは全てのメディアを対象に行われるべきものですが、現実的にそれは不可能と言わざるを得ません。特に、企業が発信した一次情報がシェアされ、それが異なった形の二次情報となって広がるWebメディアの場合、全ての情報を網羅することは事実上できないと言って過言ではありません。

そうした状況を踏まえて、クリッピングするメディアは、ある程度絞り込むことが必要です。広報施策の内容、地域、タイミングなどを考慮し、最適なメディアをリストアップしてください。

②クリッピングする手法を決定する

メディアの種類によって、クリッピングの手法は異なります。新聞や雑誌など紙媒体の場合は、手作業で切り抜いた記事をスクラップブックに貼り、テレビやラジオなど電波媒体の場合は、オン・エアされたものを録画したり録音するといった手法が取られています。

ただ、クリッピングする量が膨大だったり、社内に録画・録音の機材がない場合などは、クリッピング業務の自動化やアウトソースを検討してみるのも良いでしょう。部署内の限られた人員で大量のクリッピングをしていると、他の業務ができなくなるといった弊害も生じかねません。

③クリッピングした記事(情報)をどのように扱うかを決定する

クリッピングした記事や情報の蓄積方や取り扱い方を、事前に決めておくことも重要です。企業のナレッジとして蓄積することを第一とするならば、社員の誰でもがアクセスできる社内ネットワーク(SlackやMicrosoft Teamsなど)に保管することが大事です。

また、営業販売活動に利用することを想定した場合は、掲載の日時順にナンバリングしたものをアーカイブしておくと良いでしょう。そうすると、Webページを印刷する時にスムーズな検索ができます。

クリッピングは広報担当者の必須知識

今回の記事では、今後の広報戦略立案や営業販売活動などおいて大きなメリットを持つクリッピングについて解説してきました。近年ではWebメディア(ホームページ、ランディングページ、ブログ、SNSなど)を対象としたクリッピング業務も増えています。そんな場合は、Webサイトのモニタリングツールを使うなど、新しい知識が必要です。広報担当者は、常に新しい視点と広い視野を持って、効果的なクリッピングを行ってください。


執筆者・監修者
上岡正明
経済記者・経済コメンテーター
戦略PRプランナー・著書26冊累計105万部のビジネス作家
登録者25万人のYoutuber
上岡正明

MBA(多摩大学院経営情報学修了)
テレビコメンテーター
多摩大学客員講師(18,19)
帝塚山大学客員講師(19)
登録者24万人のビジネス系YouTube

「スーパーJチャンネル」「めざましテレビ」「王様のブランチ」「クイズミリオネア」等の元放送作家。日本を代表するPR戦略の専門家で、企業広報のスペシャリスト。未上場から上場企業まで戦略PRを手掛けたクライアントは300社以上。

広報ブランディング、新規事業構築、外資系企業の国内イベント、海外プロモーション支援のコンサルティング会社代表。現在まで約20年間、実業家として会社を経営。これまでに三井物産、SONY、三菱鉛筆、日本瓦斯など200社以上の広報支援、スウェーデン大使館やドバイ政府観光局などの国際観光誘致イベントなどを行う。

代表的なコンサルティング案件としては、日本中の女性たちの心を動かした「表参道のパンケーキブーム」、1年で200万台以上を売り上げた「ふとん専用掃除機レイコップ」、世界が注目する食イベント「肉フェス」、1カ月で6000万人(日本の約半分)にバズらせた「ジャポニカ学習帳“昆虫の表紙が変わった?”」がある。

経営と並行してMBA(情報工学博士前期課程)取得。東京都中小企業振興公社講師。成蹊大学、多摩大学、帝塚山大学の客員講師。東洋経済新報社、ダイヤモンド社、朝日新聞出版社、PHP出版、総合法令出版社、アスコム社、大和出版、すばる舎、宝島社から累計21冊80万部の著書を上梓。

日本神経心理学会、日本行動心理学学会、行動経済学学会、一般社団法人日本行動分析学会、日本社会心理学会、一般社団法人日本小児心身医学会、認知神経科学会の各学会員。

日経ヴェリタス・東洋経済オンライン・ダイヤモンドオンライン・プレジデントの4大経済メディアで専門家として記事連載もおこなっております。お読みになりたい方はこちらからご覧下さい。

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