イベントは、基本的な知識やノウハウがないと、効果的な企画ができません。そればかりか、集客することすらできません。
今回の記事では、広報担当者が知っておくべきイベント企画の基礎知識とノウハウ、そして種類などを解説していきたいと思います。目的に応じた効果的なイベントを企画できるよう、ぜひ参考にしてみてください。
イベント企画で重要な3つの基本知識
まず、どのようなイベントを開催したいのか。多くの人を集客できる効果的なイベントを企画する際、気を付けたい3つのチェックポイントをご紹介します。
ポイント1.目的を明確に定める
イベントを企画する時は、まず、開催目的を明確に設定します。開催目的を設定することで、企画作業中に生じるブレを無くし、会場やスケジュール、そして予算などを決める時の指針になります。
イベントの開催目的には、さまざまなものがありますが、そのほとんどが企業の事業戦略に基づいたものと言っても過言ではありません。以下、例をあげてみました。
●新規顧客を獲得する
●新規顧客のプロフィール(属性)やライフスタイルを入手する
●休眠顧客を掘り起こす
●既存顧客のロイヤリティを向上させる
●既存顧客の購買機会を拡大させる
これらの他にも、大枠の目的としては、企業のブランディングの一環としてのロイヤリティ向上などがあげられます。イベント開催の目的を設定する際は、社内の経営陣と協議の上、企業の経営方針に沿ったプランニングが必要です。
ポイント2.集客したいターゲット層を設定する
イベントに集客したいターゲット層を明確にします。これは、自社の商品やサービスの既存ユーザーを主体に、関心を持ってくれそうな新規顧客の掘り起こしを想定しながら決めていきます。ターゲットの設定においては、勘に頼らず、消費者インサイトを初めとする市場調査を行い、客観的な数値を基に決定していくことも重要です。
ポイント3.参加者にメリットがあるように考慮する
イベントに参加した人にメリットがあるように、参加者にとってプラスになる材料を考慮します。これは、集客という点で非常に重要なポイントです。知りたい情報が得られる、とか、実際に商品を手に取って確認できる、または、新たな人脈が広げられる、など具体的なメリットを感じてもらうことで、ターゲット層のイベント参加に対するモチベーションを高めてもらいます。
イベント企画の進め方と手順
イベントを企画する際のポイントを押さえたら、次は、イベント企画の進め方をご紹介します。
①目標やスケジュール、予算を決定する
目的と目標は違います。前述した目的とは別に、イベントの来場者数や集めたい名刺の数、アンケートの回収数、物販の売上、などがイベントの目標となります。この目標ラインをどこに定めるかによって、企画の詳細が決まります。また、この目標設定をすることにより、イベント開催後の課題や反省点が検証でき、今後のマーケティング戦略に大きく役立てることができるのです。
設定した目標に基いて、会場やスケジュールを決めていきます。予算の設定については、目標を達成した場合の利益から逆算して算出するケースと、実際にイベント開催に要する費用を計上するケースがありますが、現実的には、後者のケースが多いようです。
②あくまでも、目的を達成することを念頭に企画する
①の目標を設定することは、企画を進める上で重要なことですが、ややもすると、ここで、「目的」を達成することを忘れがちです。目的は言わば「テーマ」であり、目標は「プロセス」と言えます。企画を進める上で、「目的」と「目標」がすり替わってしまわないように注意してください。
③集客方法を検討する
イベント開催に当り、欠かせない要件は「集客」です。参加者が望んでいた情報や人脈が得られ、満足度の高いイベントだったとしても、来場者数(参加者数)が少ないと、その効果や成果は十分とは言えません。そこで、どのようにして、参加して欲しいターゲット層にイベント告知を行い、関心を持ってもらえるかが重要となってきます。
イベントの規模や内容、ターゲット層によって、告知の方法は様々ですが、一般的な例としては次のようなものがあげられます。
●プレスリリースを利用する
●テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などマス媒体を利用する
●チラシやポスター、街頭ビジョンなど、販促用のツールを利用する
●口コミや人づてを介する
●Web上のサイトを利用する(ホームページ、SNSなど)
プレスリリースやWebサイトを利用する場合は、コストがかからないという利点がありますが、話題性やインパクトがないと、取り上げてもらえなかったり、スルーされる可能性があるため、企画の立て方や表現に工夫が必要です。
多くの人を集客するための7つのポイント
続いて、一人でも多くの参加者を集客するために、どんなことに念頭に置いて企画すればいいか、7つのポイントをご紹介します。
①時代のトレンドや季節性を意識する
時代性に即したもの、または、歳時記を盛り込んだイベントには、注目が集まりがちです。
②独自性を意識する
過去に例がないようなもの、自社にしかできないもの、など独自性を持ったイベントは話題を呼びます。
③ノベルティを用意する
このイベントでしか手に入らないオリジナルのノベルティを用意します。「限定」という言葉にユーザーは高い関心度を示します。
④参加しやすい条件を整理する
アクセスの良い会場、参加しやすい時間帯、天候の予測など、ターゲット層が来場しやすい条件を考慮することも重要な要件です。
⑤オンラインでリアルタイム配信(中継)する
実際に開催されているイベントを、オンラインで配信します。当日、会場に来れなかった遠隔地の人を初めとする、より多くのターゲットと接点を持つことができます。
⑥Web上にオリジナルのハッシュタグを設定する
イベント情報がSNS上で拡散されるように、オリジナルのハッシュタグを作成し設定します。テーマに関心を持った多くの人にイベント情報が伝わります。
⑦メディアが取り上げてくれるような話題性を意識する
集客において、もっとも有効なのがメディアによる告知です。メディアが取り上げたくなるような話題性を意識し、企画を進めましょう。
まとめ
冒頭でも触れたように、コロナ禍が沈静化の段階に入り、イベント開催の気運が再度高まりつつあります。今回の記事では、そんな状況を受けて、イベント企画を行う際のポイントや進め方、そして多くの参加者を集客する要件などについて解説してきました。
イベントを実施することは、あくまでも企業が目的を達成するための手段です。従って、重要なのは、目的に即した効果的なイベントを実施することです。今回ご紹介したチェックポイントを参考にして、企業と参加者がウィンウィン(win-win)の関係になるようなイベントを企画してください。